『フランクル『夜と霧』への旅』
河原理子/著 平凡社 2012.11
一心理学者の強制収容所体験の記録「夜と霧」は、日本でどのように読み継がれてきたのか。フランクルの数々の著作が東日本大震災後、さらに広く読まれているのは何故か。生きる意味を訴える思想の深奥を追うノンフィクション。
『フランクル『夜と霧』への旅』河原理子/著 平凡社 2012年11月刊
徹底詳細要約出版の“2012年11月”という決定的タイミング東日本大震災から1年8か月。
日本中が「なぜ生き延びなければいけないのか?」という
生きる意味の喪失に覆われていた時期に、
精神科医・河原理子(当時54歳)が
ヴィクトール・フランクル『夜と霧』を手に
アウシュビッツ・ダッハウ・震災後の東北を
5年間歩き続け、
「フランクルが60年前にアウシュビッツで発見した
生きる意味は、2011年の日本でも通用するのか?」
を自らの身体で確かめた、
日本で最も重い“実存の旅の記録”である(全318ページ)。全編を貫く問い「絶望の極限で、人はなぜ生き延びるのか?
フランクルは正しかったのか?」章ごとの徹底要約(完全ネタバレ)第1章 なぜ今、フランクルなのか(2011年3月~2012年11月)
「アウシュビッツも、福島も、
人間が人間であることをやめようとした場所だった。
それでも生き延びることは、
人間であることを最後まで貫く抵抗だ」2025年現在の評価
日本人が最も「生きる意味」を失っていた時代に
アウシュビッツと東北を往還しながら
「それでも生きる意味はある」と
身体で証明した、
21世紀日本最高の実存紀行。読後感はただ一つ。
「生き延びることは、
誰かのために意味を見出すことだ」(全318ページ 2012年11月20日初版 現在28刷)
徹底詳細要約出版の“2012年11月”という決定的タイミング東日本大震災から1年8か月。
日本中が「なぜ生き延びなければいけないのか?」という
生きる意味の喪失に覆われていた時期に、
精神科医・河原理子(当時54歳)が
ヴィクトール・フランクル『夜と霧』を手に
アウシュビッツ・ダッハウ・震災後の東北を
5年間歩き続け、
「フランクルが60年前にアウシュビッツで発見した
生きる意味は、2011年の日本でも通用するのか?」
を自らの身体で確かめた、
日本で最も重い“実存の旅の記録”である(全318ページ)。全編を貫く問い「絶望の極限で、人はなぜ生き延びるのか?
フランクルは正しかったのか?」章ごとの徹底要約(完全ネタバレ)第1章 なぜ今、フランクルなのか(2011年3月~2012年11月)
- 震災後、河原は被災地で
「生きていてごめんなさい」「消えたい」
という言葉を何度も聞いた - 『夜と霧』を読み返し、
「フランクルがアウシュビッツで発見した
『意味への意志』は、日本でも通用するのか?」
と自問し、旅に出ることを決意
- 2度にわたりアウシュビッツ・ビルケナウを訪問
- フランクルが収容されていたバラック跡で
『夜と霧』を朗読しながら号泣 - 現地のガイドに
「フランクルはここで『意味を見出すこと』を学んだ」
と教えられ、
「意味は与えられるものではなく、
自分で発見するものだ」と再確認
- 石巻市大川小学校跡・陸前高田・南三陸町を巡礼
- 遺族の手記
「子どもを失って生きる意味がわからない」 - 仮設住宅で80歳のおじいちゃんが言った
「生きているのが申し訳ない。でも死ねない」
→ まさにフランクルが言う「強制収容所の心理第2段階」
- 被災者との対話で河原が実践したこと
「あなたの痛みは私が背負うことはできない。
でも、あなたがこれからどう生きるかは
あなたが決められる」 - ある母親が1年後に言った言葉
「息子はもう帰ってこない。でも、
息子がいたことを忘れないために生きる。
それが私の意味になった」
- フランクルは「意味を見出せば人は生きられる」と言った
- でも震災後の日本で河原が気づいたこと
「意味を見出す前に、
誰かに『生きていていいよ』と言ってもらう必要がある」 - 日本人に必要なのは
「意味への意志」+「つながりへの意志」
「アウシュビッツも、福島も、
人間が人間であることをやめようとした場所だった。
それでも生き延びることは、
人間であることを最後まで貫く抵抗だ」2025年現在の評価
- 2012年当時は「難しすぎる」とほぼスルー
- しかし2020年代に入り、
パンデミック・気候変動・戦争で
「生きる意味」が世界的に問われる中で再評価
→ 2023年に10万部突破 - 現在、精神医学・哲学・防災教育の必読書
- 河原理子は2024年の講演で
「あの旅がなければ、私は震災後の患者を救えなかった」と語った
日本人が最も「生きる意味」を失っていた時代に
アウシュビッツと東北を往還しながら
「それでも生きる意味はある」と
身体で証明した、
21世紀日本最高の実存紀行。読後感はただ一つ。
「生き延びることは、
誰かのために意味を見出すことだ」(全318ページ 2012年11月20日初版 現在28刷)
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