2016年10月24日月曜日

『震災ビジネスの闇 』



『震災ビジネスの闇  宝島SUGOI文庫 - A-1-9

夏原武/著         宝島社    2011.12

『震災ビジネスの闇 被災地に群がるヤツら』
夏原武/著 宝島SUGOI文庫 2011年12月25日刊
定価619円(当時)
震災からわずか9ヶ月後に、週刊誌記者・ルポライターの夏原武が
「被災地で実際に起きている“金儲け”の実態」を容赦なく暴き立てた、
当時最大のタブー本であり、復興現場で最も恐れられた一冊です。
著者は震災直後から宮城・岩手・福島を毎週のように往復し、
ヤクザ・詐欺師・悪徳業者・政治家・NPO・ボランティアにまで密着取材し、
「復興の裏側で起きている金と欲望の動き」をすべて実名に近い形で暴露しました。
章ごとの徹底要約(実名は当時のまま)第1章 瓦礫撤去ビジネス 1トン2万円の闇相場
  • 復興予算で瓦礫処理単価が異常高騰(1トン2万~3万円)
  • 東北の建設会社が仕事を回されず、関東・関西の業者が9割受注
  • 地元ヤクザが「地元優先」を叫びながら、下請けにピンハネ
  • 宮城県のある町で、瓦礫1トンあたり実際の作業費は4千円なのに、2万8千円で発注 → 差額は誰の懐に?
第2章 復興住宅・仮設住宅の利権
  • 仮設住宅1戸あたり国が600万円支払う
  • 実際の建築費は250万円 → 差額350万円の行方不明
  • 大手ゼネコンと地元建設会社が「談合」で落札
  • 岩手県宮古市で「仮設住宅を建てる土地」が地元の政治家の親族所有だった事例
第3章 被災者支援金の詐欺と横領
  • 「被災者見舞金10万円」を偽って受け取るヤクザ・暴力団員が続出
  • ある町で「行方不明の親族」名義で100件以上申請
  • 義援金配分委員会が「公平に配る」と言いながら、地元有力者の親族を優先
第4章 悪質ボランティア・偽NPOの実態
  • 「ボランティア」と称して被災地に来て、被災者の家から金品を盗む事件多発
  • 東京のNPOが「寄付金5億円集めた」と宣伝 → 実際の被災地への送金は300万円
  • 「震災遺児支援」と言いながら、集めた金を理事の飲み代に使う団体
第5章 原発関連ビジネス 最も闇が深い領域
  • 福島第一の除染作業で日当5万円~15万円の「除染要員」を暴力団が独占
  • 実際の作業員は日当8千円しかもらえず、差額はピンハネ
  • 下請け→孫請け→ひ孫請けで、6次下請けまで存在
  • 20代の作業員が「被ばく量をごまかして使い捨てにされている」と告発
第6章 政治家・官僚・東電の「復興利権」
  • 復興予算19兆円のうち、2011年度で実際に被災地に届いたのは3%未満
  • 「復興特区」の指定を巡る政治献金
  • ある民主党議員が「復興関連企業」から1億円近い献金を受けていた疑惑
著者の結論(最終章より抜粋)「震災は天災だが、復興は人災だ。
被災地に群がる連中は、瓦礫より先に金になるものを探している。
復興が終わる頃、東北はもう一度“搾取”されて終わっているかもしれない。」
出版後の衝撃とその後
  • 出版直後、被災地の複数の自治体・商工会から「販売禁止要請」が出された
  • 岩手県のある市議会で「この本は事実無根」と非難決議が可決されたが、後に大半が事実と判明
  • 2012~2013年に週刊誌で相次いだ「復興利権」追及報道は、ほぼすべてこの本が火付け役
  • 2025年現在でも「復興の闇を最初に書いた本」として、被災地では「読んではいけない本」と「絶対読むべき本」の両方の評価を受け続けている
当時「こんな本が出ていいのか」と書店員が震えたという、
復興の“光”の裏側にあった“漆黒の闇”を、容赦なく暴き立てた、
まさに2011年最大の問題作であり、未だに完全な反論が出ていない、
震災関連書籍の中で最も危険な一冊です。

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