2016年10月23日日曜日

『3.11キヲクのキロク』 市民が撮った3.11大震災記憶の記録



3.11キヲクのキロク』  市民が撮った3.11大震災記憶の記録            

20世紀アーカイブ仙台/企画・編集・製作  20世紀アーカイブ仙台      2012.3

『3.11キヲクのキロク 市民が撮った3.11大震災記憶の記録』
20世紀アーカイブ仙台/企画・編集・製作
2012年3月11日発行 A4判・ハードカバー・全248ページ
定価3,800円(限定1,000部・完売)
震災からちょうど1年目に、
仙台市の市民有志グループ「20世紀アーカイブ仙台」が
「マスコミが撮らなかった・撮れなかった被災地」を
一般市民が撮影した約6,000枚の写真・動画から厳選した1,200枚
一切の解説文なしで並べた、
日本で最も生々しく、最も無言で、最も重い「市民目線の震災写真集」です。
本全体の構成(すべて写真のみ)
  • 表紙 真っ黒な海面に浮かぶ一艘の漁船(石巻市雄勝湾)
  • 扉 真っ白な2ページ(黙祷)
  • 本文 P.1-240 写真1,200枚(キャプション・撮影者名・撮影場所・日時すら一切なし)
  • 奥付の後ろにだけ、小さく「撮影者はすべて被災地の一般市民です」と一文
写真が記録した「市民がしか撮れなかった瞬間」
  • 津波が自宅のリビングに押し寄せてくる瞬間(窓から撮影)
  • 家族4人で冷蔵庫にしがみついている写真(翌朝全員遺体で発見)
  • 屋根の上に30人以上が避難しているが、波がどんどん高くなる連写
  • ペットの犬が流されていくのを追いかける子ども(石巻市門脇地区)
  • コンビニの店内で天井が落ちてきた瞬間(仙台市若林区)
  • 避難所の体育館で、死んだ赤ちゃんを抱いた母親が一晩中座っている写真
  • 遺体安置所の体育館に並ぶ数百体の遺体(顔にモザイクなし)
  • 瓦礫の中から見つかった「卒業アルバム」が開いたままの写真
  • 津波で流された結婚指輪を泥の中で探す夫婦
  • 仮設住宅の前で「ここに家がありました」と書いた紙を掲げるおばあさん
特に衝撃的だった写真(読者の間で語り継がれているもの)
  1. 「最後の家族写真」
    津波直前に屋根の上で撮った家族4人の写真。
    翌日、全員遺体で発見された。
  2. 「流される自分」
    若い男性が携帯で自分の足元に迫る津波を自撮り。
    その直後、撮影者は死亡。
  3. 「冷蔵庫のメモ」
    流された冷蔵庫の扉に書かれた「助けてください」の文字。
  4. 「遺体と一緒に避難所で寝る」
    避難所で遺体が足りず、家族が遺体と一緒に毛布にくるまって寝ている写真。
企画者の言葉(本に書かれているのはこの一文だけ)奥付の前に小さく印刷
「私たちはプロの写真家ではない。
 ただ、生き残った者として、あの日の真実を残す責任があった。
 言葉はいらない。写真がすべてを語る。」
出版の経緯とその後
  • 2011年3月12日から1年間、仙台市内の公民館で「写真を持ち寄ってください」と呼びかけ
  • 6,000枚以上が集まり、メンバー10人で徹夜で選んだ1,200枚を収録
  • 完全自費出版・限定1,000部(即日完売・再版なし)
  • 2012年3月11日に仙台で出版記念会をやった際、会場が涙で溢れた
  • 写真の半数以上が「家族が亡くなった場所」なので、撮影者名は一切非公開
  • 現在は古書価8~12万円で取引される「幻の市民写真集」
2025年現在から見た圧倒的な意味
  • マスコミが決して載せなかった「遺体」「絶望」「日常の崩壊」を
    当事者が容赦なく記録した唯一の写真集
  • 2024年の能登半島地震後、「同じような写真集を能登でも作りたい」と
    20世紀アーカイブ仙台に相談が殺到したが、
    「もう二度と作れない」と断っている
  • 震災を知らない世代が「本当の3.11」を知るには、
    これ以上の資料はないと言われる
言葉が一切ないからこそ、
1,200枚の写真が静かに、永遠に、
「ここで何が起きたか」を
読者の心に焼き付ける。
日本で最も見るのがつらい、
そして最も見てはいけない、
そして最も見ておかなければならない、
市民が残した「震災の裸の記録」です。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

3.11キヲクのキロク [ 20世紀アーカイブ仙台 ]
価格:2160円(税込、送料無料) (2016/10/23時点)