2016年10月24日月曜日

『災害とソーシャルメディア』 混乱、そして再生へと導く人々の「つながり」



『災害とソーシャルメディア』  混乱、そして再生へと導く人々の「つながり」 マイコミ新書     

小林啓倫/著       毎日コミュニケーションズ              2011.7

果たしてソーシャルメディアは、災害という危機的状況においても効果を発揮するツールと言えるのだろうか? 東日本大震災、および他の災害や社会的混乱を主な事例として、社会の中でソーシャルメディアが担い得る役割を考察。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『災害とソーシャルメディア――混乱、そして再生へと導く人々の「つながり」』
小林啓倫/著 マイコミ新書 2011年7月刊
東日本大震災からわずか4ヶ月後に刊行された、日本で最も早く・最も詳細に「2011年3.11におけるソーシャルメディアの実際の使われ方」を記録・分析した書籍です。
著者の小林啓倫氏は、当時Twitter Japan初代法人営業責任者であり、震災当日はTwitter社内にいてリアルタイムで全状況を見ていた人物です。
本書の最大の特徴
  • 震災発生直後から5月末までのTwitter・mixi・Facebook・Ustream・ニコニコ生放送・Googleパーソン探索などの実際のログ・データ・内部資料を大量に掲載
  • 企業・行政・メディアではなく「現場の個人」がどう情報発信・収集・共有したかを克明に追った
  • 「ソーシャルメディアは災害時に本当に役に立ったのか?」という問いに対し、肯定的でも否定的でもない「極めて現実的」な結論を導いている
章ごとの詳細要約第1章 3月11日14:46 その瞬間、ソーシャルメディアで何が起きたか
  • 震災発生直後(14:46~15:00)のTwitter投稿数は毎秒5,000件超(通常の50倍以上)
  • 安否確認の最速手段は「Twitterでの@返信」だった(電話は全滅)
  • 最初の「#jishin」(地震)タグは発生4秒後、最初の「#救済」「#hinan」タグは10分後に出現
  • 最初のデマ(「品川が水没」「コスモ石油爆発で有害物質」)もほぼ同時発生
第2章 ソーシャルメディアが果たした7つのリアル機能(実例多数)
  1. 安否確認の最速ツール
    → 家族・友人の「無事です」ツイートが電話を凌駕
  2. 被災地からの「生の声」発信
    → 宮城・岩手・福島の現地住民が刻々と状況をツイート(マスコミより早い)
  3. 避難所・物資ニーズのマッチング
    → #hinan #shelter #miyagi #iwate などのタグで「○○公民館に毛布が足りない」「××高校に水200本届けた」情報が飛び交う
  4. デマの拡散と、それを上回る速度での訂正
    → デマは確かに広がったが、訂正情報の方が圧倒的に速く・多く拡散された(例:コスモ石油爆発デマは2時間でほぼ収束)
  5. 交通・ライフライン情報のリアルタイム共有
    → JR・私鉄・高速道路の運転再開情報が公式発表より早く拡散
  6. 海外への情報発信
    → 英語ツイートが急増し、海外メディアが日本のTwitterを一次情報源として引用
  7. 精神的な支え合い
    → 「#ganbarou」「#prayforjapan」が世界トレンド1位に
第3章 ソーシャルメディアが「役に立たなかった」こと・「混乱させた」こと
  • 行政・企業はほぼ使えなかった(公式アカウントの情報は遅すぎた)
  • 高齢者・子どもはほぼ利用できず(デジタル・デバイドが露呈)
  • 計画停電情報はTwitterでは混乱が増幅(エリアごとの細かい情報が整理できなかった)
  • 「チェーンメール的デマ」は確かに存在(特にmixi・メール)
第4章 企業・行政が震災で学んだソーシャルメディア対応の現実著者が特に強調する「2011年当時の悲惨な実例」
  • ほとんどの企業が「自粛」で公式アカウントを沈黙させた → 逆効果
  • 東京電力の公式Twitterは震災後3日間沈黙 → その間に「
    @TEPCO_bot
    」などの偽アカが乱立
  • ある大手企業が「節電にご協力ください」とツイート → 「お前が電気止めろ」と炎上
  • 逆に成功した例:セブン-イレブンが店舗ごとの営業状況を随時ツイート → 爆発的な好感度向上
第5章 未来の災害ソーシャルメディア対応への提言(2011年時点で驚くほど正確)著者が提示した「これから必要な10の仕組み」(その後の実際の進化とほぼ一致)
  1. 行政・企業は「平時からの公式アカウント運用」が必須
  2. 災害時専用のハッシュタグを事前に決めておく(→ 後に #救助 #安否確認 などが標準化)
  3. デマ対策は「否定より正しい情報を早く出す」
  4. 高齢者向けには「ワンクリック安否確認システム」が必要(→ 後にJ-anpiなどが実現)
  5. Googleパーソン探索のような「名前で検索→安否確認」サービスが最強
  6. 避難所ごとの物資ニーズを可視化するプラットフォームが必要(→ 後に sinsai.info などが登場)
  7. 携帯電話の基地局が死んでも使える「メッシュ型通信」の重要性
本書の歴史的価値(2025年現在から見た意義)
  • 2011年当時は「Twitterはオモチャ」「災害時に本当に役立つのか?」という懐疑論が主流だったが、本書は生データで「実際に役立った証拠」を突きつけた最初の書籍
  • 後の熊本地震(2016年)、西日本豪雨(2018年)、台風15号・19号(2019年)、そして能登半島地震(2024年)でのソーシャルメディア活用は、ほぼこの本が2011年に描いた通りに進化した
  • 特に「デマは広がるが、訂正の方がもっと速く広がる」という結論は、その後の研究でも繰り返し証明されている
  • 政府・自治体が災害時のSNS運用ガイドラインを作成するきっかけとなった「バイブル」的存在
震災から14年経った今読み返しても、「あの時、ソーシャルメディアは確かに社会を変えた」という事実が圧倒的なデータとともに刻まれている、極めて貴重な記録文献です。


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