2024年9月22日日曜日

『原発と民主主義』 「放射能汚染」そして「国策」と闘う人たち

『原発と民主主義』  「放射能汚染」そして「国策」と闘う人たち   

 

平野克弥/著    解放出版社             2024.9

 

福島原発事故後に著者が行った100本以上のインタビューから厳選した10本を収録。放射能汚染や原発事故に向き合ってきた人たちが、日本の「民主主義」「地方自治」「故郷」「豊かさ」等をどのように考えているのかを聞く。



『原発を止めた裁判官による保守のための原発入門』

『原発を止めた裁判官による保守のための原発入門』               

 

樋口英明/著        岩波書店                 2024.8

 

地震は必ず来る、原発を続ければ事故は必ず起きる-2014年大飯原発運転差止判決、2015年高浜原発再稼働差止決定を書いた元裁判官が原発の本質をシンプルに示し、人類が原子力発電を続けてはならない理由を伝える。



『節電住宅』 自然エネルギー利用の家づくり

『節電住宅』  自然エネルギー利用の家づくり 改訂版<2>            

 

白岩且久/著        同時代社                 2024.7

 

脱原発! 電気料金の値上げなんてこわくない! 究極の節電術で快適エコライフを楽しむ「高断熱高気密」+「自然エネルギー利用」住宅の原理とシステムを紹介する。



『日本の電力システムの歴史的分析』 脱原発・脱炭素社会を見据えて

『日本の電力システムの歴史的分析』  脱原発・脱炭素社会を見据えて            

 

中瀬哲史/著    中央経済社             2024.6

 

電力システムのあり方が模索される日本。いかにして脱原発・脱炭素社会へ進めていけばいいのか、公益事業としての日本の電力システムについて、その歴史を踏まえ考察する。



『地震列島の原発がこの国を滅ぼす』

『地震列島の原発がこの国を滅ぼす』 

「棄民国家」を変えるには、原発の全面廃絶しかない!          

 

小出裕章/著    産学社    2024.6

 

原子力マフィアが原発をゴリ押しする狙いは、巨大利権と核兵器! 政治家、官僚、原子力産業、司法、マスコミが一体となった支配構造に、反骨の原子核工学者が「NO!」を突きつける。


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『南海トラフM9地震は起きない 』 「想定外逃れ」でつくられた超巨大地震の真実

『南海トラフM9地震は起きない 』 「想定外逃れ」でつくられた超巨大地震の真実   

 

角田史雄/著    方丈社    2024.9

 

地震学者の地震予知が成功しないのは、地震の発生メカニズムを間違って理解しているから! プレート説とは何かを解説し、熱移送説で地震発生のメカニズムを説き明かす。日本の防災対策にも言及する。



『M9地震に備えよ』 南海トラフ・九州・北海道

 『M9地震に備えよ』  南海トラフ・九州・北海道

 

鎌田浩毅/著        PHP研究所           2024.8

 

地球科学の泰斗が、「太平洋沿岸」「奄美大島と沖縄の東海岸」「北海道の南東岸」の巨大地震の到来を警告。首都直下地震や房総半島沖地震、桜島や有珠山が噴火する可能性など、警戒すべき自然災害を平易に解説する。


2024年8月19日月曜日

『老子』 あるがままに生きる

 『老子』  あるがままに生きる  NHKテレビテキスト                

 

蜂屋邦夫/著        NHK出版              2013.5


 先日、Amazonで100分de名著「老子」を注文しました。家に届いたので、早速読んでみました。

「老子」は浪人時代に読んでいた本で、僕に多大な影響を与えている書物です。

 NHKテレビテキストの100分de名著「老子」は老子の入門書といったところでしょうか?

 長い間、読んでいない「老子」ですが、もう一度、老子の思想を見直そうと思い、NHKテレビテキストの100分de名著「老子」を読んでみました。

 僕にとっても参考になる言葉が多く出てきました。

 男女平等に関しては、

 「柔弱でありながら大きな力を秘めた女性をたいへん尊重していました」

 「老子は生命というものをことのほか大切と考え、その考えが生命を生み出す源としての女性への尊敬の念へとつながったと思われます」

 という記述があり、ジェンダー平等が叫ばれる現代でももっともっと読まれて良い書物だと思いました。

 老子思想とガンジーの関係については

 「老子思想がロシアの文豪、トルストイに大きな影響を与え、老子思想が、トルストイからインドの政治家、ガンジーに伝わり、現実社会の外交政策として無抵抗主義が生まれたとすれば、これは非常に興味深いことといえます」

 という記述がありました。非暴力不服従を唱えたインドのガンジーが老子思想に影響を受けていたことが分かりました。

 君主論に関しては、老子第78章が引用されていました。

 「天下水より柔弱なりは莫し」

 「国中の汚濁を自分の身にひきうける、それを国家の君主という。国中の災厄を自分の身にひきうける、それを天下の王者という」

 2011年3月に起きた東日本大震災以来、日本中で災厄が起きていると思います。国の君主たるもの、天下の王者たるもの、災厄を自分の身にひきうけるものこそがリーダーであるべきだと僕は思いました。

 「低い場所に流れて人が嫌がる場所に留まるという水の性質から、人の上に立つ者は、安全で立派な宮殿に住んで贅沢に暮らすのではなく、下のほうにいて民衆の苦しみを引き受けてこそ国家の君主であると説いています」

 という記述がありました。

 現代の日本の政治の政治と金の問題を考えても、現代の日本の政治家は、もっと民衆の苦しみの立場に身を置き、上から目線で、民衆を見下ろすのではなく、その身をもっとも低きにおいて、下から民衆を支えるような政治家が出てくれば良いのだろうなと思いました。

 「かつて中国では、為政者の徳が少ないと、天(天神)が災害や疫病によって罰を下すと考えられていました。老子第60章では、「道」に順って無為の政治を行っていれば、天災や人災に遭うことがないから人々は安泰で暮らせる」

 という記述がありました。

 「災害」や「疫病」とは、東日本大震災などの災害や、新型コロナウイルスの大流行などを想起しました。

 「災害」や「疫病」が天罰というのは言い過ぎだなと思いましたが、政治家の徳が無いと、民衆の怒りも募るような気もしました。

 老子第80章の

 「自分たちの食べ物をうまいとし、自分たちの衣服をいいものとし、自分たちの住居に安んじ、自分たちの習俗を楽しいとする。」

 も引用されています。

 「すべての住民が自分たちの衣食住に満足し、自分たちの風俗習慣を楽しむ満ち足りた暮らしが訪れるはずだ」

 という記述もありました。

 「この社会にも統治者は存在するわけですが、誰もその存在を意識しないため、支配関係はないも同然となるわけです。そこにはなんの進歩も発展もないでしょうが、平穏無事といえば、これほど平穏な社会はないでしょう」

 「進歩や発展はなくても、満ち足りて暮らせる素朴な社会に、現代の文明社会に生きる私たちは、もはや戻れませんが、核兵器の廃絶や、原子力発電所の存在が問われている今なら、この老子の考え方に耳を傾けることにも大きな意味があるでしょう」

 という記述もありました。2011年3月に起きた福島第一原発事故以来、原子力発電所の存在が問われるようになり、老子の思想をもう一度見直して、核兵器(原子爆弾)のことや原子力発電の存在が意味することをもう一度深く考え直してみるのも良いことだと思いました。

 現代の価値観のことについても記述がありました。

 「格差社会といわれるように、私たちの社会は相対的なものの見方によってすべての価値観が築かれています。そこから生まれる上昇志向が、資本主義社会を発展進歩へと向かわせるエネルギーになってきました。」

 と書かれています。

 勝ち組、負け組とか、現代の価値観が本当に相対的な価値観で格差を煽っていって、相対的な価値観で、幸せを感じたり、不幸せを感じたりする本当におかしな社会になっていると僕も思っています。

 競争、競争、進歩、進歩、で、民衆の幸せとか足るを知るとかの庶民の幸福のことを考えない為政者が出てくると本当に危険だと思いました。

 先日は、僕が浪人時代に読んでいた「老子」の入門書である、NHKテレビテキストの100分de名著「老子」あるがままに生きるを読んだので本を読んでの感想を書きました。



2024年6月20日木曜日

『日本の電力システムの歴史的分析』 脱原発・脱炭素社会を見据えて

 『日本の電力システムの歴史的分析』  脱原発・脱炭素社会を見据えて 

中瀬哲史/著   中央経済社     2024.6

 電力システムのあり方が模索される日本。いかにして脱原発・脱炭素社会へ進めていけばいいのか、公益事業としての日本の電力システムについて、その歴史を踏まえ考察する。



 『連帯の政治社会学 』 3.11後の反原発運動と市民社会

 『連帯の政治社会学 』 3.11後の反原発運動と市民社会

ベアタ・ボホロディッチ/著     明石書店       2024.5

 3.11原発事故後の2012年にピークをみせた反原発運動。「普通の人々」が参与した戦後最大規模の社会運動は、政治や市民社会にどのような影響を与えたのか。フィールドワークをもとに社会学、政治学の視角から分析する。