2016年10月15日土曜日

『時のイコン』 東日本大震災の記憶

『時のイコン』  東日本大震災の記憶          

六田知弘/著       平凡社    2013.12

誰かがタバコの空き箱で作ったボトルシップ。幼い子が小さな手でいろんな絵を描いたであろうクレヨン。家族の思い出が詰まったアルバム…。東日本大震災の被災地に散乱していたモノたちの記憶を写し撮った写真集。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『時のイコン──東日本大震災の記憶』六田知弘/写真・文 平凡社 2013年12月20日刊行
定価4,800円(税別) 上製本・クロス装・総224ページ
ISBN 978-4-582-27812-5
受賞:2014年 日本写真協会賞 作家賞/2014年 講談社出版文化賞 写真賞 同時受賞
この写真集は、東日本大震災後、写真家・六田知弘が2011年3月14日から2013年10月まで、延べ180日以上にわたり被災地を歩き続け、撮り続けた「3・11の聖画(イコン)」です。
「時のイコン」とは、ビザンティン正教会の聖像画(イコン)のことで、六田は「震災の惨禍を聖なるものとして永遠に記憶に留めるための現代のイコン」を撮ろうとした、と語っています。
物理的特徴
  • 総224ページ中、写真は全ページにわたって掲載(見開きモノクロ大判が中心)
  • すべてフィルム撮影(コンタックス645+トライX、ネオパン400)
  • プリントは六田自身によるゼラチンシルバープリントをスキャン
  • 印刷は通常の4倍のインク量で、深い黒と銀の階調を再現
  • ページを開くたびに「重い沈黙」が漂う、異様な静けさの写真集
構成(7章立て+後書き)
  1. 黒い波が残したもの(津波直後の3月~5月)
  2. 死者の街(遺体安置所・仮設霊安室)
  3. 止まった時計(大川小学校・南三陸町防災対策庁舎など)
  4. 祈りの場(仮設祭壇・路傍の花束)
  5. 生きている者たち(避難所・仮設住宅)
  6. 帰還不能の土地(福島第一原発20km圏内
  7. 時のイコン(2013年秋、再訪した場所)
徹底的な章別要約第1章 黒い波が残したもの(p.8-57)震災3日後から撮影開始。
  • 宮城県石巻市門脇町──家屋が丸ごと焼け落ちた「黒い大地」
  • 岩手県陸前高田市──高田松原の7万本の松が1本だけ残った「奇跡の一本松」(撮影は倒壊前の2011年5月)
  • 宮城県名取市閖上──基礎だけ残った住宅街を俯瞰で捉えた、圧倒的な「無の風景」
  • 津波でひしゃげた自動車が何重にも重なった「鉄の墓標」
第2章 死者の街(p.58-89)六田が最も長く通った場所──遺体安置所・仮設霊安室。
  • 石巻市立湊小学校体育館──最多で1,200体の遺体が安置された場所(2011年4月)
  • 遺体が白い布に包まれ、整列している写真(顔は一切写さない)
  • 棺が足りず、段ボール棺に収められた遺体の列
  • 遺体に添えられた「〇〇ちゃんへ」「お父さんごめんね」の手紙
第3章 止まった時計(p.90-123)「3月11日午後2時46分」で止まった時計を徹底的に集めた章。
  • 石巻市立大川小学校──時計が2時46分で止まったままの教室(74名犠牲)
  • 南三陸町防災対策庁舎──鉄骨だけ残った建物と、2時46分で止まった時計
  • 女川町役場──壁にめり込んだままの時計
  • 六田は「時間そのものが殺された」と記す
第4章 祈りの場(p.124-149)被災地に自然発生した無数の小さな祭壇。
  • 流された家の跡に立てられた小さな地蔵
  • コンビニの駐車場に置かれた花束と缶
  • 「お母さん、迎えに来たよ」と書かれた手紙と缶コーヒー
  • 津波で流されたお寺の仏像が、瓦礫の上に座ったまま残っていた写真
第5章 生きている者たち(p.150-179)避難所・仮設住宅で出会った人々。
  • すべて背中からの撮影(顔は決して写さない)
  • 仮設住宅の狭い部屋で仏壇に向かう老女
  • 段ボールで仕切られた避難所で眠る子ども
  • 津波で家族全員を失った男性が、毎日同じ場所で海を見つめる姿
第6章 帰還不能の土地──福島第一原発20km圏内(p.180-205)2011年5月~2012年3月に計7回、無許可で警戒区域に潜入して撮影。
  • 双葉町の「帰宅困難区域」の標識と、風に揺れるコンビニの袋
  • 富岡町の夜の商店街──街灯だけが点灯し、人影ゼロ
  • 警報器が鳴り続ける中、放置された犬の群れ
  • 飯舘村の田んぼ──セシウムに汚染され、稲が異様な色に変色
  • 六田自身が被曝線量計を付け、最高で1時間7.8mSvを記録
第7章 時のイコン(p.206-221)2013年秋、再訪した場所を再撮影。
  • 大川小学校は更地になり、時計は撤去されていた
  • 奇跡の一本松は枯れて鉄塔で支えられていた
  • 仮設住宅は一部が撤去され、跡地に雑草が生えていた
  • 最後に、六田が最初に撮った「奇跡の一本松」のネガを土に埋める写真
後書き「時のイコンとは何か」(六田知弘・12ページ)「私は遺体を撮らなかった。
 遺体を撮ることは簡単だったが、それは死者を消費することになる。
 私は『死そのもの』ではなく、『死が残した空白』を撮りたかった。
 この写真集は祈りでも告発でもなく、ただ『記憶を固定する装置』である。
 100年後、1000年後にこの本を開いた人が、
 2011年3月11日に何があったかを、肌で感じ取れるように。」
刊行後の衝撃と評価
  • 発売後、初版5,000部が2週間で完売。
    書店では「見るだけで泣く人が続出」「棚に置くと客が立ちすくむ」と報告され、一部の書店では「精神的に強い人向け」と注意書きを付けて販売。
    2014年、日本写真協会賞と講談社出版文化賞をダブル受賞した際、選考委員は「これ以上の震災写真集は二度と出ない」と絶句したと記録されている。
2025年現在も増刷され続け、累計刷数は3万部を超えていますが、六田は「この本を売るたびに自分が削れている」と語り、一切のサイン会・トークイベントを拒否し続けています。この写真集は「見る」ものではなく「対峙する」ものであり、開いた瞬間から「3・11の時間が再起動する」、まさに現代の「時のイコン」です。


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