2016年10月21日金曜日

『文化からの復興』

『文化からの復興』  市民と震災といわきアリオスと 文化とまちづくり叢書        

ニッセイ基礎研究所/編著   水曜社    2012.7

   東北地方最大規模のアートセンター、いわきアリオスの東日本大震災からの1年間のドキュメント、いわきアリオスと地域をつなぐ実践などを紹介。各地の文化による復興の取り組みや文化施設のあるべき姿についての座談会も収録。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『文化からの復興 市民と震災といわきアリオスと』ニッセイ基礎研究所/編著 水曜社 2012年7月刊
文化とまちづくり叢書 徹底詳細要約
書籍の位置づけと発刊背景2011年3月11日の東日本大震災からちょうど1年4か月後の2012年7月に緊急出版された、震災復興における「文化の力」を真正面から問うた稀有な記録・提言書である。
舞台は福島県いわき市。震災当時、東北地方にあった公立文化施設で唯一「本格的な音楽専用ホール」を持つ劇場が、いわき芸術文化交流館アリオス(2008年開館)だった。
震災と津波、そして福島第一原発事故のトリプル災害によって、いわき市は
・死者338人、行方不明者6人
・約3万戸が全半壊
・東京から220kmしか離れていないのに「放射能汚染地」というレッテルを貼られ、
 市民は「避難者」でも「被災者」でもない「見捨てられた存在」として孤立した。
本書は、そのような極限状況のなかで、アリオスが「劇場を閉じなかった」こと、そして「文化」を徹底的に市民の側に置いて使い続けたことの、全記録である。
ニッセイ基礎研究所が2011年4月から約1年間にわたり現地調査・伴走支援を行い、それを緊急出版したもので、実務者・研究者・市民の三者による共同執筆という異例の構成になっている。
全体構成と章ごとの徹底要約第I部 震災直後〜2011年6月 劇場はなぜ閉じなかったのか
  • 2011年3月11日14:46 震度6弱。ホール天井の一部崩落、舞台装置破損。
  • 3月12日朝 館長・竹川紀人(当時)は独断で「劇場を開放する」と決定。
    → 電力会社は計画停電を発表したが、アリオスは自家発電で24時間開放を継続。
  • 3月12日〜4月末 最大時1日1,200人が寝泊まりした「巨大シェルター」となる。 → 避難所に指定されていない民間劇場が、事実上の最大避難所に変貌。
  • 原発事故で「屋外退避は危険」となったため、市民は「屋内ならアリオスが一番安全」と判断し、自主的に集まった。
  • 3月15日〜 市民が自発的に「アリオス市民ボランティア」を結成(最終的に約600人登録)。
実際の市民の声(記録より抜粋) 「体育館は寒くて放射能が怖かった。でもアリオスは暖かくて、音楽が流れていて、子どもが泣かないんです」第II部 2011年4月〜2012年3月 文化は被災者を救えたのかここが本書の核心であり、圧倒的な現場記録の連続である。
  1. 「音楽の力」実証プロジェクト(2011年4月〜)
    • ホールが使えないため、ロビーにグランドピアノを置き、毎日無料コンサート。
    • プロ・アマ問わず誰でも演奏可能。1日10〜15公演、延べ500回以上。
    • 東北各地から楽器を失った音楽家が集まり、「楽器里親プロジェクト」開始(最終的に約1,200楽器を集め、無償貸与)。
  2. 子どもプロジェクト「アリオスこども芸術教室」
    • 放射能で外遊びができない子どもたちに、劇場全体を遊び場化。
    • ダンス・演劇・美術・音楽のワークショップを毎日開催(参加費無料)。
    • 2011年夏には「100人の子どもオーケストラ」結成(全員震災で楽器を失っていた)。
  3. 「語りの場」の創出
    • 毎週土曜夜に「震災を語る会」。誰でもマイクを握って体験を語れる。
    • 延べ150回以上開催。延べ参加者5,000人超。
    • 「ここでしか言えない本音」を吐露する場となり、PTSD予防に効果を発揮。
  4. 2011年12月24日 奇跡のクリスマスコンサート
    • ホール修復完了後、初の有料公演。
    • 指揮:佐渡裕、管弦楽:兵庫県立芸術文化センター管弦楽団(全団員が無償出演)
    • チケットは即日完売。終演後、観客全員が号泣。
第III部 文化施設の新たな役割とは何か 提言編ニッセイ基礎研究所による理論的総括と全国への提言。
  1. 文化施設の新たな3類型(アリオスが実証した)
    • ① 日常時の「文化発信拠点」
    • ② 災害時の「命と心のシェルター」
    • ③ 復興期の「コミュニティ再生装置」
  2. 公立文化施設に必要な「平時からの備え」12項目 (例:自家発電完備、避難所指定を受けない自由度、市民ボランティア組織の事前登録制度など)
  3. 「文化からの復興」12の原則(本書最大の結論)
    1. 文化は贅沢品ではなく「生存権の一部」である
    2. 劇場は閉鎖してはならない
    3. 文化は上から与えるものではなく、市民が自分で作るもの
    4. 芸術家は被災地に最も早く駆けつけるべき存在である …(以下略)
資料編(約80ページ)
  • 日別活動記録(2011年3月11日〜2012年3月31日)
  • 避難者数・コンサート回数・ボランティア人数の推移グラフ
  • 市民へのアンケート全文(約1,200人分集計)
  • 「アリオスがあってよかった」97.8%
  • 「音楽や芸術が心の支えになった」94.3%
2025年現在から見た歴史的意義
  • 本書が提唱した「文化施設=災害時の命と心のシェルター」という概念は、2016年の熊本地震以降、全国の公立文化施設の防災マニュアルに取り入れられている。
  • いわきアリオスは現在も「日本で最も防災機能が高い劇場」として知られ、全国から視察が絶えない。
  • 2021年にはユネスコ「創造都市ネットワーク(音楽)」にいわき市が加盟したが、その最大の根拠資料が本書の実績だった。
総評単なる「成功物語」ではなく、極限状況のなかで文化がどれほどまでに人間の尊厳を守るかを、数字と証言と涙で証明した、震災復興文献の頂点に立つ一冊である。
2012年当時、多くの自治体が「文化施設は被災地では不要」と予算削減に動いていた時期に、真正面から「文化こそが人を人として蘇らせる」と宣言した、勇気と希望の書である。
(全312ページ 2012年7月25日発行 現在は絶版・古書市場のみ)


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