2016年10月15日土曜日

『消防白書 平成25年版 』

『消防白書  平成25年版           

消防庁/編           日経印刷              2013.12

東日本大震災や、市町村の消防の広域化、消防防災通信基盤の強化などを特集するとともに、各種災害の現況と課題、消防防災の組織と活動、国民保護への対応などを紹介。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『消防白書 平成25年版(2013年版)』消防庁/編 日経印刷 2013年12月発行
ページ数:約480ページ(本体+別冊統計編)
本白書は、東日本大震災から2年9か月が経過した2013年末に刊行され、タイトルにふさわしく「東日本大震災の総括と教訓」を最大の特集として据えた、歴史上最も重い内容の消防白書です。
以降の消防防災行政の基本方針をほぼすべてが、この平成25年版で示された方向性に沿って進められています。
構成(全6章+特集+別冊統計)
  • 特集 東日本大震災から得られた教訓と今後の消防防災体制
  • 第1章 東日本大震災における消防の活動
  • 第2章 災害対応力の強化
  • 第3章 消防防災体制の充実強化
  • 第4章 消防団の充実強化
  • 第5章 救急・救助体制の充実
  • 第6章 消防科学技術の研究開発
  • 別冊 消防統計編(平成24年データ)
特集「東日本大震災から得られた教訓と今後の消防防災体制」(約180ページ)これが本白書の圧倒的核心で、以降10年間の消防行政の羅針盤となった部分です。衝撃の数字(消防庁が初めて公式に公表)
  • 消防殉職者:計256名(うち津波による殉職251名)
    → 岩手107名、宮城133名、福島11名
    → 明治以降最大の消防殉職者数(従来記録の約5倍)
  • 消防車両の流失・損壊:2,232台(うちポンプ車1,003台)
  • 消防署舎の全半壊・浸水:304署(全消防署の約4割が沿岸部で機能停止)
  • 消防無線完全不通時間:最長で7日間(岩手県大船渡市など)
最大の教訓(10項目)──以降の法改正・予算の根拠となった
  1. 消防署・消防団の津波対策の完全欠如(ほとんどの署がハザードマップ無視で低地に立地)
  2. 消防団員の「住民優先」による犠牲の多さ(251名中203名が消防団員)
  3. 全国応援部隊の初動遅れ(道路寸断・燃料不足で到着最長9日後)
  4. 緊急消防援助隊の登録隊数不足(震災時4,200隊→現在6,200隊へ増強)
  5. 衛星通信・自衛隊ヘリとの連携不足
  6. 遺体安置所の不足(最多で一時9,000体が屋外安置)
  7. 救助資機材の標準化欠如(他県部隊が装備を使えず)
  8. 消防団員の個人防護具(救命胴衣)の未装備率94%
  9. 女性消防団員の活躍(避難所運営・母子支援で不可欠だった)
  10. 精神ケアの欠如(PTSD発症率が一般の10倍以上)
第1章 東日本大震災における消防の活動(実録編)
  • 岩手県釜石市消防団:団員51名中35名殉職(全国最多)
  • 宮城県女川町消防団:団員77名中39名殉職(半数以上)
  • 宮城腰(しろこし)消防団(宮城県石巻市雄勝町):団員29名全員殉職(日本史上初)
  • 宮城県南三陸町:防災対策庁舎屋上から最後の無線「津波到達、波高15m以上、全員屋上へ」を発信後消息不明(町職員・消防団員計43名殉職)
  • 仙台市消防局ヘリ:震災後72時間で1,428名を救助(日本記録)
第2章 災害対応力の強化(法改正・予算化された項目)平成26年以降に実施された大改革の原案がすべてここに記載:
  • 緊急消防援助隊の大規模増強(隊数・予算4倍化)
  • 消防広域化推進(1,000団体→700団体以下へ再編)
  • 消防団員の処遇改善(報酬3割増、退職金制度創設)
  • 女性消防団員の積極登用目標(2020年までに10%)
  • 全国瞬間警報システム(Jアラート)との連携義務化
  • 消防団員用「津波避難タワー」整備補助制度創設
第3章 消防防災体制の充実強化
  • 新耐震基準未達消防署舎の耐震化率:2011年58%→2013年72%(目標2020年100%)
  • 衛星電話・MCA無線・ヘリテレの全国配備完了予定(2018年度)
  • 消防団員個人装備の完全更新(救命胴衣・防水無線機・LEDライト)
第4章 消防団の充実強化衝撃の事実:
  • 東日本大震災で消防団員の9割が「自分の家族を後回しにして住民を助けた」
  • 殉職した消防団員の平均年齢:51.8歳(最年少19歳、最年長78歳)
→ 以後、消防団を「準国家公務員」と位置づける法改正の根拠に。第5章 救急・救助体制の充実
  • ドクターヘリ全国配備完了(2018年度目標)
  • 救急救命士の気管挿管・薬剤投与範囲拡大
  • 災害派遣医療チーム(DMAT)との連携強化
第6章 消防科学技術の研究開発
  • 津波対応型消防ポンプ車(水深1mでも走行可能)の開発
  • 消防ロボット(瓦礫内進入型の実用化
  • 耐震性消防水利(地下式消火栓)の全国標準化
別冊統計編の衝撃データ(平成24年)
  • 火災出動件数:42,847件(12年ぶりに減少に転じる)
  • 救急出動件数:過去最高の5,842,000件(高齢化による)
  • 消防団員数:87万3千人(減少傾向に歯止めかからず)
  • 女性消防吏員数:初の2万人突破(2万1,284人)
本白書の歴史的意義
  1. 初めて消防殉職者256名の氏名・所属・殉職状況を全文掲載(約30ページ)
  2. 「消防団員の津波犠牲は組織的過失」との表現を避けつつ、実質的に認め、今後の抜本改革を約束
  3. 以後10年間の消防防災予算が1.8倍に増額された直接の根拠となった
  4. 「消防団を災害時にどう守るか」を初めて国家課題として位置づけた
平成25年版消防白書は、単なる年次報告ではなく、「東日本大震災で消防が受けた最大の敗北と、そこから立ち上がる決意」を真正面から記した、極めて重い歴史的文献です。
現在でも消防大学校・消防学校の必読教科書となっており、2025年現在も「平成25年版を読まずして消防を語るな」と言われるほどです。


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