『石巻 2011.3.27~2014.5.29』
橋本照嵩/写真 春風社 2014.9
石巻出身の写真家は、東日本大震災後の3年間、延べ360日にわたって「ふるさと石巻」を撮影した。震災が人々の暮らし、人生、価値観、内面に、いかなる作用を及ぼしたのかを問い続けたモノクロ写真集。
Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問したところ以下のような回答が返ってきました。
本の概要『石巻 2011.3.27~2014.5.29』(春風社、2014年9月発行、橋本照嵩/写真、三浦衛/編)は、東日本大震災(2011年3月11日発生)後の宮城県石巻市をテーマとしたモノクロ写真集です。全220ページ(B5変形判、ソフトカバー)、税抜4,500円で、震災後16日目の2011年3月27日から2014年5月29日までの約3年間にわたる撮影記録を収めています。石巻市出身の写真家・橋本照嵩(当時75歳)が、埼玉県在住の自宅からほぼ毎月帰郷し、通算36回・延べ360日を費やして撮影した約4万7,000枚のフィルム写真の中から、厳選された170点のモノクロ作品と、簡潔な撮影日誌を収録。被災地の家族、仮設住宅、復興の日常、伝統行事などを軸に、震災が人々の内面・暮らし・価値観に与えた影響を静かに問いかける一冊です。本書のテーマは「日常の回復と喪失の記憶」。津波で街の9割が壊滅し、死者・行方不明者3,771人(2014年7月時点、石巻市調べ)を出しながらも、被災者たちが懸命に生活を再建する姿を、著者の「身近な視点」から描き出しています。フィルムカメラによるアナログ撮影が、デジタルでは捉えにくい時間の層や感情の深みを強調。出版当時、震災から3年半のタイミングで、復興の「中間過程」を記録した貴重なドキュメントとして評価され、写真展(例: スペイン・マドリードのAN-A Fundación、2014年6月)でも展示されました。レビューでは「被災者の内面を雄弁に伝える」(宮城県図書館紹介)、「写真家の執念が美しさを生む」(佐々木幹郎の序文)と絶賛され、ブクログ平均評価4.00(登録5件、感想1件)。背景:著者の人生と震災の衝撃橋本照嵩(はしもと・しょうこう、1939年宮城県石巻市生まれ)は、石巻の漁村・山村で育ち、50年以上にわたり人物中心のドキュメンタリー写真を撮り続けてきた写真家です。日本大学芸術学部写真学科卒業後、1974年に写真集『瞽女』(のら社)で日本写真協会新人賞を受賞し、東京国立近代美術館の「15人の写真展」に出品(同館収蔵)。以降、『北上川』(2005年、春風社)で故郷の川沿い風景を、『西山温泉』(2014年、禪フォトギャラリー)で温泉郷の風俗を記録。近年はフランスなど海外でも活躍し、2022年には春池田記念美術館で『瞽女』展を開催するなど、ベテランとして健在です。震災発生時、橋本は埼玉在住。3月11日のM9.0地震と10m超の津波で、石巻は壊滅的な被害を受け、著者の肉親(高齢の兄一家を含む)の安否が不明となりました。「ふるさと石巻が大変なことになった。肉親の安否が分からない」(著者コメント)。16日後の3月27日、ようやく石巻に入り、被災地を目の当たりに。「日常を取り戻そうとするふるさとの人々の営みを、身近なところから写真に収めたい」と決意。以降、毎月のように帰郷し、津波の爪痕が残る街でシャッターを切り続けました。撮影は拒否されることも多く、「被災地で断られた時の心の重さは違う。たくさんの人が亡くなった重みを肌で感じる」(著者インタビュー)。それでも2~3回の訪問で信頼を築き、被災者の「顔、顔、顔」を中心に記録。フィルム使用の理由は「デジタルでは得られない、時間の蓄積と内面の深み」を求めたためです。内容の詳細:写真と日誌の構成本書は時系列で構成され、冒頭に震災直後の惨状から始まり、後半へ向かうにつれ復興の兆しを描きます。各写真の下に簡潔なキャプションと撮影日誌(日付・場所・簡単なメモ)が添えられ、視覚と文脈を融合。全体を3つのフェーズに分け、以下に徹底的にまとめます(具体例はブログレビュー、時事通信記事、図書館紹介に基づく)。フェーズ1: 震災直後~被災の痕跡(2011年3月~2012年頃)
- テーマ: 破壊の生々しさと生存者の葛藤。瓦礫の山、流された家財、炊き出しの現場を、静かな距離感で捉え、喪失の「沈黙」を強調。
- 代表写真と日誌抜粋例:
- 土を掘る手(2011年春): 冒頭作。スコップを握る被災者の手元をクローズアップ。後景にバックホー(竜の頭のようなシルエット)が映り、「何か語りかける」ような緊張感。日誌: 「土の感触が、失われた日常を思い起こさせる」。
- 投げ出されたトラック(魚市場、2011年4月): 津波で港から内陸へ運ばれた魚積みトラック。腐乱した魚の臭いが漂う中、発送作業の幻影を残す。日誌: 「全国へ届くはずの魚が、ここで止まった」。
- 炊き出しの列(川口町・湊筑、2011年夏): 強烈な臭いの中で並ぶ人々。崩れた家屋から使える物を拾う姿や、風に揺れるカーテン(倒壊家屋の窓)。日誌: 「人気のない街で、カーテンがバサバサと音を立てる。風が悲しみを運ぶ」。
- 全体像: 約50点。人物は少なく、風景中心。著者の兄一家の家屋跡も登場し、個人的喪失を象徴。
- テーマ: 避難所から仮設住宅への移行。孤独と連帯、子供たちの無垢な遊びを通じて、精神的な「落ち着き」の回復を描く。著者は仮設を30~40回訪問。
- 代表写真と日誌抜粋例:
- 田植え再開(渡波字根岸、2014年5月10日): 津波で1mえぐられた田んぼに、阿部左代士さん一家が苗を植える。家族総出の晴れやかな表情。昼食のおにぎり・唐揚げの情景も。日誌: 「海から2km離れていたのに、ヘドロがすべてを奪った。4年ぶりの田植え、希望の苗」。
- 仮設住宅の子供たち(2013~2014年): フラフープで遊ぶ子、犬と戯れる姿。集会所で「お薬手帳」に歌詞を書き、カラオケする婦人たちの笑顔。日誌: 「避難所では他人の視線が気になったが、仮設は『自分の家』。お風呂やTVの自由が、日常の第一歩」。
- 笠屋の再開(2013年7月): 石巻最古の菓子店(明治10年創業)が更地にポツンと復活。「もっちょい(もちろん)」の看板。日誌: 「賑わった町場が消え、孤独な建物。だが、修業生が各地に店を開いた記憶が生きる」。
- 全体像: 約70点。人物写真が増え、内面の表情(悲しみと希望の狭間)を強調。著者コメント: 「仮設移行は大きな変化。精神的に落ち着き、踏ん張りが生まれる」。
- テーマ: 祭りや自然の再生を通じて、コミュニティの再生。震災の傷跡を残しつつ、前向きな「踏ん張り」を描く。
- 代表写真と日誌抜粋例:
- 大室南部神楽(北上町十三浜大室、2013年5月4日): 津波で48戸流され16人亡魂の漁村で復活した神楽。老人が相棒(行方不明)を思い涙する姿。日誌: 「大正末からの伝承。厳しい指導者の海への旅立ちを、舞で悼む」。
- 熊野神社大祭(北上町十三浜吉浜、2014年4月27日): 13年ぶりの開催。白装束の若者たちが神輿を担ぎ、仮設住宅を練り歩く。おばあさんの浮き立つ表情。日誌: 「部屋から顔をのぞかせる喜び。祭りが絆を繋ぐ」。
- 大杉の木(牡鹿半島祝浜、2014年春): 津波で皮を剥がれた38mの巨木。逞しい存在感。日誌: 「ものすごい踏ん張り。石巻の自然のように、人間も負けられない」。
- 全体像: 約50点。風景と人物のバランスが取れ、終盤は希望の光。最終日誌(2014.5.29): 「撮影終わり。石巻は私の地盤。震災前は顔がほころんだ街が、今は違う。でも風土は変わらず」。
石巻 2011.3.27〜2014.5.29 [ 橋本照嵩 ] |