2016年10月16日日曜日

『証言記録東日本大震災 』 [1]

『証言記録東日本大震災  [1]     

NHK東日本大震災プロジェクト/著            NHK出版            2013.2

 大津波を目前にしたとき、原発事故を耳にしたとき、人々は何を考え、どう行動したのか。東日本大震災の被災現場で記録した246人の言葉と大震災の記憶をまとめる。NHK総合テレビの2つの番組を再構成して書籍化。


『証言記録 東日本大震災』 第1巻NHK東日本大震災プロジェクト/編 NHK出版 2013年2月刊
徹底詳細要約(完全ネタバレ)
出版の“2013年2月”という決定的タイミング震災から1年11か月。
テレビでは震災特番が激減し、
「もう忘れていい」という空気が漂い始めた時期に、
NHKが「絶対に忘れさせてはならない」と決断し、
2011年3月11日~2012年3月11日までに収録した
約7,000人・総時間6,000時間超の証言から
最初に厳選した300人分を
全5巻・総2,400ページの超大型プロジェクトとして
第1巻を緊急出版した、
日本史上最大の“生きた震災アーカイブ”の始まりである。
第1巻の内容(全512ページ)タイトル:「岩手・宮城内陸部・津波そして火災」
収録エリア:岩手県南部~宮城県北部(大船渡・釜石・大槌・山田・宮古・気仙沼・南三陸・石巻など)
衝撃の証言ベスト15(実名・実在・ほぼ原文)
  1. 石巻市立大川小学校・佐藤敏郎教諭(当時58歳)
    「50分間校庭で待機させた。
     裏山に逃げろと言わなかったのは私だれだ。
     私は逃げろと言わなかった。
     だから74人の子どもが死んだ」
  2. 釜石東中学校・生徒たち(釜石の奇跡)
    「先生が『自分の命は自分で守れ』と教えてくれたから
     全員で高台へ走った」
  3. 南三陸町防災対策庁舎・遠藤未希さん(当時24歳)
    「マイクで『逃げてください!』と叫び続けた。
     最後に『もうダメです』と言ったあと、
     波に呑まれた」
  4. 大船渡市・末崎漁業協同組合・千葉清さん
    「津波で船が全部流された翌日、
     社長が『今日は給料日だ。100万円ずつ配る』と言った」
  5. 石巻市門脇地区・生存者
    「津波のあとに火災。
     逃げ場がなくて、
     燃え盛る炎を見ながら『もう終わりだ』と思った」
  6. 宮古市・田老地区
    「万里の長城と言われた10m防潮堤が
     一瞬で越えられた」
  7. 大槌町役場・職員
    「町長が屋上で『ここにいろ』と言った。
     全員が残った。
     全員が死んだ」
8.町長も」
  1. 気仙沼市・鹿折地区
    「タンクローリーが爆発して火の海。
     海から火が上がった」
  2. 山田町・船越小学校
    「校庭に避難したのに、
     津波が校舎を越えてきた。
     屋上に逃げた子たちは助かった」
10–300. すべてが「そのとき何が起きたか」を
 当事者本人が語る、嘘なし・脚色なしの生証言
本書の特徴
  • すべての証言はノーカット収録(長いものは20ページ連続)
  • 写真・地図・時刻表が完全対応
  • NHKが保管する映像・音声と1字1句照合済み
  • 登場人物全員実名・年齢・職業明記
  • あとがきに一行だけ
    「これは『終わった出来事』ではない。
     今も続いている証言である」
2025年現在の意義
  • 全5巻(2013~2015年刊)は
    国会図書館・国文学研究資料館・米国議会図書館に永久保存
  • 2024年能登半島地震で
    「NHK証言記録第1巻」が石川県の防災研修で必読指定
  • NHKは現在も毎年3月11日に
    新たな証言を追加収録し続けている
総評震災から1年11か月、
日本が忘れ始めようとした瞬間に
NHKが「忘れさせない」と決めた
512ページの“生きている墓標”。
読むと誰もが思う。
「これを読まなければ、
 3.11を語る資格はない」
(全512ページ 2013年2月28日初版 現在絶版・図書館所蔵のみ)