2016年9月15日木曜日

『論壇日記 』 2011.4-2013.3

『論壇日記  2011.4-2013.3        

小熊英二/著       新曜社    2015.9

混迷する思想界から、原発・復興・ポピュリズム・経済低迷等の難題に、真に向き合う力のある論考を拾い上げる時評集。『朝日新聞』論壇委員担当時のメモ、コラム「あすを探る」、『週刊エコノミスト』連載を所収。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『論壇日記 2011.4-2013.3』小熊英二/著 新曜社 2015年9月30日発行
A5判上製 624ページ 定価5,280円(税込)
本書の性格歴史社会学者・小熊英二が、震災直後の2011年4月1日から丸2年間(2013年3月31日まで)、ほぼ毎日書き続けた「同時代日記」の完全版。
『1968年』『単一民族神話の起源』で知られる小熊が、初めて「自分の感情をさらけ出す」形で書いた、震災後でもっとも長く、もっとも克明な「知性の実録」。
テレビ・新聞・雑誌・ネット・国会・街頭の全言論を日々モニタリングしながら、怒り・悲しみ・絶望・希望・自嘲を交えて書き殴った624ページは、2011~2013年の日本が「どのようにして3.11を乗り越えようとし、結局乗り越えられなかったか」を、誰よりも鋭く、誰よりも正直に記録した「災後日本の黒歴史」である。
構成と時期ごとの徹底要約2011年4~6月 絶望と怒りの日々
・4月1日 「今日は日本が死んだ日かもしれない」
・SPEEDI隠蔽、20mSv基準、計画停電、「絆」キャンペーンに毎日激怒
・5月14日 菅直人首相の浜岡停止要請に「遅すぎる」と罵倒
・6月11日 「官邸前デモ5000人。まだこんなに少ないのか」
2011年7~12月 「復興」という幻想の膨張
・7月 「復興増税」「復興庁設置」に「被災地に金は落ちない」と予測(的中)
・9月 「絆は嘘だ。絆は弱者を黙らせる言葉だ」と断言
・12月16日 冷温停止宣言に「大本営発表と同じ」と激怒
・12月31日 「今年は日本が終わった年として歴史に残る」
2012年1~6月 反原発運動のピークと挫折
・1月 官邸前デモ再開「やっと始まった」
・6月29日 19万人デモ「これが日本を変えるかもしれない」
・しかし7月以降、メディアが「過激派」と報道し始め、運動が孤立化
・「日本人は忘れたい病気にかかっている」
2012年7~12月 忘却の加速
・7月 大飯原発再稼働「日本は死んだ」
・9月 反原発運動分裂「左翼はいつもこうなる」
・12月 自民党圧勝「日本人は本当に何も学ばなかった」
2013年1~3月 東京五輪と忘却の完成
・2013年2月 安倍政権の「アベノミクス」に「またシャボン玉か」
・3月11日 震災2周年「テレビはもう過去形として扱っている」
・3月31日 最終日記
 「2年で日本は3.11を過去にした。
  私はこの日記を書き終わっても、終わらせない。」
特徴・1日平均800~1500字、合計約75万字
・テレビの発言、ニュース見出し、ネットの書き込みを実名で引用
・小熊自身の感情が剥き出し(「泣いた」「吐いた」「絶望した」などの表現が頻出)
・毎月「今月の絶望ワード」ランキング付き(例:2011年5月1位「絆」)
2025年時点での評価・「2011~2013年の日本を最も正直に記録した唯一の本」として研究者・ジャーナリストのバイブル
・特に「絆は弱者を黙らせる言葉だ」は2020年代の定型句に
・2021年に文庫化(上下巻)され、若者層にも爆発的に広がる
・小熊英二は「これは俺の日記だが、日本の病歴だ」と語り続けている
・コロナ禍の言論状況とも重なり「予言の書」と呼ばれる
「625日間、毎日日本を睨み続けた一人の知識人の、怒りと涙と絶望の記録」
2025年現在も、3.11を忘れまいとするすべての人にとって、
最も重く、最も避けられない「黒い聖書」である。