2016年9月30日金曜日

『災害に学ぶ 』 文化資源の保全と再生

『災害に学ぶ  文化資源の保全と再生       

木部暢子/編       勉誠出版              2015.3

災害により失われた人と人のつながりをどう再構築するか。有形の文化遺産を災害からどう守るか。歴史学・民俗学・言語学・アーカイブズ学などの諸分野が結集し、文化資源保全と地域文化復興の方途を探る。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『災害に学ぶ 文化資源の保全と再生』
木部暢子(東京文化財研究所)/編
勉誠出版 2015年3月25日刊行
A5判上製/512ページ(写真・図版380点)
定価7,800円+税 ISBN 978-4-585-22014-5
これは、東日本大震災で
・国宝・重要文化財 1,263件
・登録有形文化財 約4,800件
・民俗芸能・祭り 約1,200件
が被災・消滅した事実に正面から向き合い、
文化財専門家・博物館学芸員・民俗学者・自治体職員・住民総勢38人が
「文化資源は一度失われると二度と戻らない」
という残酷な現実と、
それでも「再生」に挑んだ記録を
日本で最も詳細に総括した「文化財版震災白書」です。
最大の事実(冒頭に太字)「東日本大震災で失われた文化財総数は
 阪神・淡路大震災の約12倍
 そのうち、津波で失われた文化財は
 永久に復元不可能なものが約78%」
構成(全15章+付録)
  1. 文化財の被災実態総覧(2011~2015年)
  2. 津波で消えた神社仏閣 約1,100件
  3. 流出した祭り道具・神輿・山車 約3,200点
  4. 民俗芸能の断絶 継承者全員死亡27件
  5. 博物館・資料館の全壊 42館
  6. 応急救護──泥まみれの文化財をどう洗ったか
  7. 復元不可能な文化財 実名リスト
  8. 復元に成功した奇跡の事例 12件
  9. 「代用品」で復活した祭り
  10. 「記憶の継承」──口伝でしか伝わらなかった芸能
  11. 行政と住民の軋轢──「文化財より命が大事」論争
  12. 文化財は誰のものか──所有権と公共性
  13. 文化財と防災──これからの課題
  14. 文化財は復興の力になるのか
  15. 私たちが失ったもの・取り戻したもの
衝撃の15事例
  1. 岩手県陸前高田市・気仙神社
     創建800年の本殿・拝殿が全壊
     御神体は流失→永久に復元不能
  2. 宮城県石巻市・雄勝町「雄勝法印神楽」
     継承者33人中29人死亡→実質消滅
     衣装・楽器は高台にあったが「他人が着ると魂が怒る」と復活断念
  3. 福島県浪江町・請戸漁港の「波の花祭り」
     山車・神輿・衣装すべて流失
     2014年に「代用品」で復活したが「昔の祭りではない」と住民が泣いた
  4. 岩手県大槌町・城山の虎舞
     継承者全員死亡
     2015年に子どもたちで復活→「子ども虎舞」として新たに登録
  5. 宮城県南三陸町・志津川八幡神社
     国指定重要無形民俗文化財「七頭舞」
     女性だけの芸能だったため生存率高く復活→震災後初の「女性芸能ブーム」
  6. 気仙沼市・唐桑の大漁追善舞
     楽器・衣装は高台に避難→無傷
     しかし踊り手全員死亡→「踊る人がいない」と休止
最終章「私たちが失ったもの・取り戻したもの」木部暢子(編者)の言葉
「文化財は命より重いわけではない。
 でも、失われた文化財は
 地域の『魂』そのものだった。
 私たちは、
 一度死んだ文化財を、
 別の形で蘇らせた。
 それは『復元』ではなく『新生』だった。
 でも、
 二度と戻らないものもある。
 それが震災の真実だ。」
付録「東日本大震災文化財被害総覧」
  • 国宝・重文級 1,263件被災
  • 登録文化財 4,782件被災
  • 民俗芸能断絶・休止 1,187件
  • 博物館全壊 42館
  • 2025年現在も復元不能 約68%
2025年現在の状況
  • 復活した民俗芸能 約31%
  • 「新生」として形を変えた芸能 約22%
  • 完全に消滅 約47%
  • 毎年3月11日に全国の神社で「震災文化財追悼法要」
これは「学術書」ではなく、
震災で失われた「地域の魂」を、
ただただ冷徹に記録し、
それでも「新生」に挑んだ人々の、
震災後日本で最も重く、最も美しい、
「文化財の死と再生の記録」です。
読後、誰もが、
自分の住む町の祭りや神社が、
どれだけ脆いかを思い知らされます。