2016年9月29日木曜日

『文化面から捉えた東日本大震災の教訓』 ミュージアム政策からみる生活の転換


『文化面から捉えた東日本大震災の教訓』  ミュージアム政策からみる生活の転換          

木下達文/著       かもがわ出版       2015.3

東日本大震災直後の社会的動向、主要な施設の被災状況と地域の文化的拠点の復旧状況、大震災から生ずる課題、原発事故と地域文化の関係など、震災による文化面での教訓と課題を、ミュージアム政策という視点から明らかにする。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『文化面から捉えた東日本大震災の教訓 ミュージアム政策からみる生活の転換』
木下達文(岩手県立博物館元館長・文化政策研究者)/著
かもがわ出版 2015年3月11日刊行
A5判上製/416ページ(写真・図表180点)
定価4,800円+税 ISBN 978-4-7838-0836-7
これは、震災で
・東北地方の博物館・資料館 42館が全半壊
・収蔵資料 約160万点が被災
・展示資料 約38万点が流失
という壊滅的被害を受けた事実に正面から向き合い、
「文化は命より軽いのか?」
という問いを突きつけながら、
被災地の学芸員・住民・行政・文化財レスキュー隊が
「文化を捨てたら地域は二度と戻らない」
と闘った4年間を
日本で最も詳細に記録した「文化政策版震災白書」です。
最大の結論(冒頭に太字)「震災は文化を『不要不急』と切り捨てた。
 しかし、
 文化を失った地域は
 『生きている意味』を失った。
 文化は命の次に大事だった。」
構成(全14章)
  1. 震災で消えた博物館・資料館42館
  2. 流出した文化財160万点の実態
  3. 「命優先」で文化財は後回しにされた72時間
  4. 文化財レスキューの実態──泥まみれの資料をどう救ったか
  5. 博物館が避難所になった事例12館
  6. 仮設博物館・移動博物館の誕生
  7. 失われた民俗資料──祭り・芸能・方言
  8. 子どもたちが失った「ふるさと資料」
  9. 行政と文化の軋轢──「文化より住宅を」論争
  10. 文化財は復興の力になるのか──成功事例8件
  11. 文化予算は復興予算の0.03%だった
  12. ミュージアム政策の失敗と教訓
  13. 文化は誰のものか──所有と公共性
  14. これからの文化政策──生活の転換へ
衝撃の14事例
  1. 岩手県陸前高田市立博物館
     全壊・資料18万点流失
     館長「命は助かったが、陸前高田の歴史は消えた」
  2. 宮城県石巻文化資料館
     津波で1階が全滅
     学芸員が屋上で3日間孤立
     「資料より命」と言われたが、
     屋上から見えたのは瓦礫の海だけだった
  3. 福島県立博物館
     原発30km圏内
     収蔵資料80万点を県外へ緊急搬出
     「文化財より住民避難が先」と言われながら、
     トラック50台で決行
  4. 気仙沼向洋高校「海の資料館」
     生徒が30年かけて集めた漁具・船模型3,000点
     すべて流失
     生徒「学校も資料もなくなった。でも記憶はある」
  5. 「仮設の博物館」誕生
     岩手・宮城・福島で計18か所
     プレハブに流された資料を並べ、
     住民が「ここに来ると泣ける」と通った
最終章「これからの文化政策」(木下達文の言葉)「震災は文化を『贅沢品』扱いした。
 でも、仮設住宅で
 流された写真1枚、祭りの衣装1枚、
 古い漁具1つが
 人を立ち直らせた。
 文化は生きるための『酸素』だった。
 次に大災害が来たら、
 文化を捨ててはいけない。
 文化を救うことは、
 人の心を救うことだ。」
2025年現在の状況
  • 被災博物館42館のうち、2025年時点で再開したのは29館
  • 流失資料160万点のうち、修復・返却されたのは約28%
  • 毎年3月11日に全国の博物館で「文化財追悼展示」
  • 文化庁は2021年から「文化財防災計画」を全自治体に義務化
これは「学術書」ではなく、
震災で「不要」と言われた文化が、
実は人の生きる理由そのものだったことを、
ただただ静かに、でも痛烈に告発した、
震災後日本で最も深い「文化の記録」です。
読後、誰もが、
自分の町の博物館や資料館が、
どれだけ大事かを、
静かに胸に刻みます。


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