『原発をどうするか、みんなで決める 』 国民投票へ向けて
岩波ブックレット - No.821
飯田哲也/著 岩波書店
原発の未来は、1人1人の国民が考え、決めるしかない。国民投票の意義と可能性について徹底討論する。2011年8月に東京で行われたシンポジウム「「原発」国民投票、やるべし、やれるよ、やりましょう!」をもとに書籍化。
先日、Twitterで「みんなで決めよう原発国民投票」というアカウントにフォローされました。
原発の是非について国民投票をしようというアカウントのようです。
僕も原発の是非についての国民投票には関心があるので、文京区立図書館で、「原発をどうするかみんなで決める」という本を借りて読んでみました。
本では、福島原発事故以来安全神話が崩れている原発について、国民投票をして原発の是非について考えようという内容でした。
本ではスウェーデンとイタリアでの原発国民投票について書かれていました。
スウェーデンでは、1979年のアメリカのスリーマイル島で起きた原発事故直後より、原発の是非についての議論が沸騰し、国会で1980年1月18日に「原子力発電国民投票法」を制定した後に、三つの案を国民に示してどれを支持するかを主権者に問う国民投票を1980年3月23日に実施したと書いてありました。
投票権は18歳以上のスウェーデン国民(約610万人)のほか、居住している外国人(約21万人)が得たようです。
国民投票は法的拘束力のない「諮問型」として実施されたそうですが、政党間ではその結果を「最大限尊重する」という事前の申し合わせがあり、主権者の意思として国のエネルギー政策に強い影響を及ぼすことになったようです。
三つの案とは、第一案 原発容認・現状維持案、第二案 条件付き原発容認案 第三案 原発反対・廃止案でした。
結果は 第一案18.9%、第二案39.1%、第三案38.7%だったようです。
イタリアではソ連でのチェルノブイリ原発事故後に「原発」の是非を問う国民投票の実施を求める法定署名運動が加速し、請求に必要な50万人を超える署名が集まりました。
憲法裁判所で審理された結果、原発の是非を国民投票に付することに合意する判断が示されました。
1987年11月、国民投票が行われたました。
原発に関する項目は、
①地方自治体の承認がなくてもイタリア政府はどこの地域にも原発を建設できることを定めた法律を廃止すべきか?
②同様に、原発受け入れに合意した地方自治体にイタリア政府が補助金を交付するという現行法は廃止すべきか?
③イタリアが、国外での原発建設に参加することを禁止すべきか?
でした。
投票の結果、賛成票が①80.6% ②79.7% ③71.9%と多数になり、主権者が示した「脱原発」の意思により、政府はエネルギー政策を転換したようです。
イタリアでは2011年にも原発に関する国民投票が行われ、脱原発支持が94.53%を占めました。
日本では政党政治による選挙で「原発」の問題が争点にならないので、「原発」の問題について国民投票をしようと言っています。
僕も2011年の福島第一原発事故以来、原発の問題には大きな関心を持っているので、一度、国民投票をしてみるのも良いと思いました。
国民投票を実現させるためには、法律の制定が必要になるようです。
国民投票を実現するために国民投票を求める署名を集めることが必要になるようです。
日本国民の中で大きな問題になっている「原発」の問題について国民投票を実施して、国民の意思を確認してみることも良いと僕は思いました。
先日、「原発をどうするかみんなで決める」という本を借りて読んでみたので、本を読んでの感想を書いてみました。
早稲田大学探検部関係者には、是非ご一読していただきたい本です。
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