『atプラス 思想と活動 09(2011.8) 特集震災・原発と新たな社会運動』
太田出版
『atプラス 09(2011年8月)特集:震災・原発と新たな社会運動』
編:岸政彦・北田暁大
太田出版 2011年8月10日発行 定価1,050円 184ページ本書の性格震災からちょうど5か月後に出された、異例のスピード特集号。
思想誌『atプラス』(当時最も尖っていた批評誌)が、3.11以降に急激に立ち上がった「反原発・脱原発」の新たな社会運動を、ほぼリアルタイムで記録・分析した記念碑的号。
執筆陣は社会学・哲学・政治学・文化研究の若手~中堅の最前線が総結集し、「これは単なる災害ではなく、戦後日本という体制そのものを終わらせる契機だ」という熱量が全ページに漲っている。
現在(2025年)から見ると、2011年夏の「運動の胎動期」を最も鮮度高く切り取った、歴史的価値が極めて高い一冊となっている。構成と全内容の詳細要約【巻頭グラビア】・6月11日「さようなら原発5万人集会」(明治公園)
・7月16日「代々木公園10万人集会」
・新宿・渋谷・原宿での脱原発デモの連続写真
(すべて白黒で、雨の中のデモ参加者の真剣な顔が圧倒的)【特集導入対談】岸政彦×北田暁大「3.11は社会運動の主体を根本的に変えた」
・従来の「組織された労働者・市民運動」は死んだ
・代わりに「つながりの薄い個人が、SNSで瞬時に集まる」新しい主体が出現
・これは1960年代の安保・全共闘以来の「歴史的転換点」【論文・エッセイ・インタビュー 主要内容】
・「さようなら原発1000万人アクション」賛同人リスト(この時点で約350人)2025年時点での歴史的評価
まさに「2011年夏の思想的結晶」である。
編:岸政彦・北田暁大
太田出版 2011年8月10日発行 定価1,050円 184ページ本書の性格震災からちょうど5か月後に出された、異例のスピード特集号。
思想誌『atプラス』(当時最も尖っていた批評誌)が、3.11以降に急激に立ち上がった「反原発・脱原発」の新たな社会運動を、ほぼリアルタイムで記録・分析した記念碑的号。
執筆陣は社会学・哲学・政治学・文化研究の若手~中堅の最前線が総結集し、「これは単なる災害ではなく、戦後日本という体制そのものを終わらせる契機だ」という熱量が全ページに漲っている。
現在(2025年)から見ると、2011年夏の「運動の胎動期」を最も鮮度高く切り取った、歴史的価値が極めて高い一冊となっている。構成と全内容の詳細要約【巻頭グラビア】・6月11日「さようなら原発5万人集会」(明治公園)
・7月16日「代々木公園10万人集会」
・新宿・渋谷・原宿での脱原発デモの連続写真
(すべて白黒で、雨の中のデモ参加者の真剣な顔が圧倒的)【特集導入対談】岸政彦×北田暁大「3.11は社会運動の主体を根本的に変えた」
・従来の「組織された労働者・市民運動」は死んだ
・代わりに「つながりの薄い個人が、SNSで瞬時に集まる」新しい主体が出現
・これは1960年代の安保・全共闘以来の「歴史的転換点」【論文・エッセイ・インタビュー 主要内容】
- 小熊英二「3.11以後の社会運動の三つの位相」
・第1位相:3~4月の「ボランティア革命」
・第2位相:5~6月の「反原発デモの爆発」
・第3位相:これから来る「生活・政治の再編期」
→ 日本社会運動史における明確な「前/後」を分ける出来事だと断言 - 内田樹「原発は国家というフィクションを終わらせた」
・原発事故で「国家は国民を守れない」という事実が露呈
・「国民国家」という物語は完全に破綻
・これから「地域共同体」「生活共同体の時代」になる - 斎藤環「脱原発は精神分析的に見て必然だった」
・日本人は「依存と服従」の構造に閉じ込められていた
・原発はまさにその象徴
・反原発運動は「大人になるための離乳プロセス」 - 山本哲士「福島はチェルノブイリではなく、ヒロシマ・ナガサキである」
・これは「核による国家犯罪」
・日本は再び核被害国になった
・脱原発は「戦後補償」の延長戦 - 宇野邦一「デモは祝祭だ」
・2011年夏のデモは「怒り」ではなく「喜び」で満ちていた
・「原発いらない」と叫ぶことで初めて「生きている」と実感できた
・これは「ポリティカルなカーニバル」 - 現地ルポ
・飯舘村(帰村困難区域)の全村避難の記録
・福島市内の保養キャンプに集まる母親たち
・南相馬市20km圏内で暮らす「帰還者」の独白 - インタビュー
・山口二郎(政治学者)「民主党政権は完全に終わった」
・鎌田慧(ルポライター)「これから10年は闘い続ける」
・高橋哲哉(哲学者)「国家による棄民政策が始まった」 - 座談会「これからの社会運動をどうするか」
出演:大杉雅栄・開沼博・鈴木耕・朴沙羅・指昭博
・「組織を作らない運動」が可能か
・SNSの限界と可能性
・「脱原発」は最終目標ではなく通過点
・最終的に目指すのは「脱資本主義」「脱国家」
・「さようなら原発1000万人アクション」賛同人リスト(この時点で約350人)2025年時点での歴史的評価
- 2011年夏の「運動の高揚感」を、歪みなく記録した唯一の同時代資料
- 後に「反原発運動は2012年夏の大江戸集会をピークに急速に衰退した」と言われるが、その前の「希望に満ちていた瞬間」を真空パックした号
- 執筆陣の多くがその後「運動から距離を置く」か「理論的に後退」しただけに、逆にこの号の「熱さ」が際立つ
- 現在では「2011年夏の日本にあった、もう戻らない空気」を味わえるタイムカプセルとして、研究者・活動家が必ず手に取る伝説的一冊となっている
まさに「2011年夏の思想的結晶」である。
atプラス(09(2011.8)) |