2022年4月21日木曜日

「NO NUKES <ポスト3・11>映画の力・アートの力」

 NO NUKES  <ポスト311>映画の力・アートの力」    

 

ミツヨ・ワダ・マルシアーノ/著 名古屋大学出版会 2021.2

 

大震災/原発事故後、なすべきことを問いかけ、時代のメディア環境の中で自生した映画やアート。映画研究者である著者が、「小さき声」の響く作品と向き合い、それらを制作した作家たちの揺れ動く言葉を聴く。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『NO NUKES 〈ポスト3・11〉映画の力・アートの力』ミツヨ・ワダ・マルシアーノ/著 名古屋大学出版会 2021年2月刊行
定価7,800円(税別) 全472ページ・図版多数
本書の位置づけカナダ在住の日系映画研究者ミツヨ・ワダ・マルシアーノが、2011年以降に生まれた反原発ドキュメンタリー映画・映像作品・現代アート約180本をほぼ網羅的に分析した、世界でも類を見ない「ポスト福島ビジュアル・カルチャー論」。
著者は「3.11は単なる災害ではなく、グローバルな反原発アート運動の決定的転換点だった」と位置づけ、映画やアートがどのように「NO NUKES」という叫びを世界中に拡散し、同時に日本国内ではなぜ無力化されていったかを、作品ごとの詳細な読み解きと制作者インタビューで跡づける。
構成と章ごとの詳細要約第1章 3.11以後の映像地殻変動
  • 2011年3月~5月にYouTubeにアップされた市民撮影映像(爆発、津波、避難所)の総再生回数は10億回を超える。
  • 従来の反原発ドキュメンタリーは「専門家が語る」形式だったが、3.11以降は「被害者自身が撮る」形式が主流に。
  • キーワード:「当事者映像」「アマチュア・ドキュメンタリー」「トラウマの視覚化」
第2章 2011~2012年 怒りの爆発主要作品の徹底分析:
  • 『相馬看花 第一部』(浜野安宏、2011)
    • 相馬市で撮影された唯一の「3月11日当日の映像記録」。著者は「日本版9.11映像」と呼ぶ。
  • 『核の傷:楢葉町の井戸川前町長』(中村真夕、2012)
    • 井戸川克隆町長の激白。「町ごと人質に取られた」という言葉が世界中で引用される。
  • 『ミツバチの羽音と地球の回転』(鎌仲ひとみ、2011)
    • 震災前に完成していた作品が、震災後に再上映されると観客が泣き崩れる現象が全国で発生。
  • 海外初の衝撃作:『フクシマ2011』(ヤン・ファン・デン・ベルク、オランダ、2011年10月公開)
第3章 2012~2014年 世界への拡散と日本での検閲圧力
  • 海外での反原発映画祭が急増(ベルリン、ニューヨーク、パリ、ソウルなど)。
  • 日本国内では逆に上映拒否が多発:
    • 2013年、山形ドキュメンタリー映画祭で『女川原発を考える会』の作品が「政治的すぎる」と出品取り下げ勧告。
    • 2014年、横浜美術館がチラシ・リレー『内部被ばくを生きて』のポスター掲示を拒否。
  • 海外で賞を取った作品:
    • 『祭の馬』(松林要樹、2013)→ ベルリン映画祭最優秀ドキュメンタリー賞
    • 『おしん』(舩橋淳、2013)→ 釜山国際映画祭最高賞
第4章 アートの抵抗現代アート側の反原発作品を詳細に論じる:
  • チラシ・リレー(2011~継続中)
    • 「1000人の放射能測定器」プロジェクト、森美術館前でのパフォーマンス。
  • 会田誠『放射能漏れ女』(2012)
    • 炎上→展示中止→海外で大絶賛という典型例。
  • やなぎみわ『ゼロ・アワー ― 東京大空襲』(2011)
    • 震災直後に発表された「戦争と原発の重ね合わせ」インスタレーション。
  • ドミニク・チェン+山川冬樹『福島スピークス』(2012~)
    • 福島の声を24時間インターネット配信し続けるプロジェクト。
第5章 2015年以降 沈黙と変質
  • 2015年以降、日本国内での新作反原発ドキュメンタリーが激減(2014年の1/10以下)。
  • 理由:
    1. 安倍政権下の放送法解釈変更(2015~2016年)
    2. 制作者の疲弊・資金枯渇
    3. 「反原発=左翼」というレッテルによる萎縮
  • 代わりに海外からの作品が急増:
    • 『福島、その後』(ドリアン・スッケ、フランス、2015)
    • 『アトミック・マム』(ニーナ・シュヴァルツ+ローレン・プール、2017)
第6章 映像の力はどこへ行ったのか(総括)著者の結論:
  1. 3.11は世界史上最大の「映像による反原発運動」を生んだが、日本国内では最も早く沈黙した。
  2. 日本の映像制作者は「被害者」であると同時に「加害者(原発輸出国)」という二重性を背負わされ、表現を封じられた。
  3. しかし海外では「福島」は今も反原発の最強のシンボルとして生き続けている(2020年時点で、欧州での反原発デモでは必ず「Fukushima」のプラカードが出る)。
  4. 日本は「映像の記憶」を最も早く失った国である。
付録(極めて充実)
  • 2011~2020年 反原発関連映像作品年表(182作品)
  • 上映拒否・検閲事例一覧(47件)
  • 制作者インタビュー全文(鎌仲ひとみ、舩橋淳、土井敏邦、井上淳一ほか)
著者の言葉(「日本語版への序文」より)「この本を日本で出版することは、私にとって最も恐ろしい挑戦でした。
なぜなら、日本ほど『見たくないものは見ない』社会はないからです。
しかし、忘却は次の事故を招く。
だからこそ、映像は残さなければなりません。」
刊行後の評価(2021~2025年)
  • 映画研究者の間では「ポスト3.11ビジュアル・カルチャー研究の決定版」と評価。
  • 一方で反原発運動関係者からは「海外で評価されても日本では無視されたまま」と複雑な声。
  • 2023年には英語版(University of Michigan Press)刊行、欧米の大学で教科書採用。
「NO NUKES」という叫びは、世界ではまだ響いている。
日本だけが耳を塞いでいる。
その残酷な事実を、470ページにわたって容赦なく突きつける一冊である。