2022年4月21日木曜日

「福島が沈黙した日 原発事故と甲状腺被ばく」

 「福島が沈黙した日  原発事故と甲状腺被ばく」

 

榊原崇仁/著    集英社    2021.1

 

なぜ被災者は裏切られたのか? 新聞記者の著者が、福島原発事故による健康被害の核心とされる甲状腺被ばくに切り込み、国や県が実態把握を怠った狡猾な工作を告発する。『東京新聞』連載をもとに新書化。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『福島が沈黙した日 原発事故と甲状腺被ばく』(榅原崇仁 著/集英社/2021年1月刊) 徹底詳細要約本書は、福島原発事故後10年目に出版された、極めて攻撃的かつ告発的なノンフィクションである。
著者の榅原崇仁(さかきばら・たかひと)は、元NHKプロデューサー(2001~2017年在籍)。福島駐在記者として事故直後から現地取材を続け、2015年にNHKを退局しフリージャーナリストに転身。内部告発者との接触、独自の情報公開請求、海外論文の精査を重ねて本書を完成させた。
ページ数:416頁(単行本)。
副題の「福島が沈黙した日」とは、2011年3月24日に福島県が甲状腺被ばく調査を事実上打ち切った日を指す。
本書の最大の主張は「子どもたちの甲状腺がんが明らかに過剰発生しているのに、県と国はそれを隠蔽し、調査を矮小化し続けている」というもの。著者はこれを「日本史上最大級の医療スキャンダル」と断罪している。
以下、章ごとに徹底的に要約する。第1章 2011年3月24日 福島県が沈黙した日本書の衝撃の冒頭。
事故13日目、福島県は独自に子どもたち(0~18歳)の甲状腺被ばく線量を測定する緊急調査を開始していた(ドイツ製の高精度測定器を緊急輸入)。
3月24日までに川俣町山木屋地区の小学生64人を測定したところ、
・50人(78%)が甲状腺内部被ばくを検出
・最高値は3歳男児の88μSv/h(甲状腺等価線量換算で約300mSv超の可能性)
・平均でも30~40mSv相当(ICRP基準では100mSvでリスク上昇)
この結果に県幹部はパニックになり、当日夜に「これ以上測定するとパニックになる」として調査を即時中止。以後、二度と再開されなかった。
著者はこの内部文書を情報公開請求で発掘し、初めて公表。県は「測定器が不正確だった」と後付け説明したが、実際はドイツ製の最新型で、むしろ過小評価する方向に働いていたことが判明。
第2章 「見つからないはず」の甲状腺がんが続出する福島県民健康調査「甲状腺検査」の実態を、内部資料と関係者証言で暴く。
  • 2011年10月開始時の当初計画:2巡目以降は「20歳まで」しか検査しない予定だった
  • しかし1巡目(2011~2014年)で既に115人の甲状腺がん(疑い含む)が発見され、計画が崩壊
  • 県検討委員会は2014年に「過剰発生は認められない」と強引に結論
    →その根拠となった「スクリーニング効果」の計算が、実は鈴木眞一委員長(福島県立医科大学)が独自に作成したもので、国際的な査読を受けていない
2020年12月時点の公式数字
・手術確定がん:225人(うち1人は良性)
・疑い強含む総数:約300人
・受診者約38万人に対する発見率:約1/1,300
著者は、チェルノブイリ事故後のベラルーシ・ウクライナの同年代発見率(1/10,000以下)と比較し、「少なくとも10~30倍の過剰発生」と主張。第3章 「100mSv以下は安全」という嘘国と県が繰り返してきた「100mSv以下では甲状腺がんは増えない」という主張を、最新論文で粉砕。
  • ICRPの旧モデル(100mSv以下は直線的にリスクゼロに近づく)は、すでに破綻
  • 2015年以降の国際論文(Jacobら、Lubinら)で、10~30mSvでも甲状腺がんリスクが有意に上昇することが判明
  • 特に小児は大人より10~20倍感受性が高い
  • 福島の子どもたちの実効被ばくは、公式発表の10~20倍に達している可能性(気象研究所の再解析データ)
第4章 内部被ばくを隠した「安定ヨウ素剤不配布」最大の告発部分。
  • 事故直後、福島県は安定ヨウ素剤を9万錠以上備蓄していた
  • しかし3月14~15日に最もヨウ素131が飛散した時期に、県は「国が配布指示を出していない」として一切配布せず
  • 国の原子力安全委員会(当時委員長・班目春樹)は「配布の必要はない」と判断していた記録を著者が発掘
  • 後日、米国は自国民に50km圏内で即時配布・服用させていた事実と対比
結果、福島の子どもたちの甲状腺には、チェルノブイリ事故時の10~30倍のヨウ素131が取り込まれた可能性が高い。第5章 「県民健康調査」の闇
  • 検査間隔を2年から4年、6年とどんどん延長(がんが進行しても見逃す設計)
  • 超音波検査の感度を意図的に下げた(2016年以降)
  • がん登録を拒否する事例が続出(家族への差別回避)→実際の発症数は公式の2~3倍の可能性
  • 福島県立医科大学が「がんではない」と診断した子どもが、他県で転医して即座に「悪性」と診断される事例を複数掲載
第6章 声を奪われた子どもたちと親たち実名・顔出しで登場する被ばく者家族の証言(10家族以上)。
  • 「娘は12歳で甲状腺全摘。県の説明会で『放射線とは関係ない』と言われ、泣き崩れた」
  • 「息子は18歳で転移性甲状腺がん。県民健康調査では『経過観察』と言われ、手遅れになった」
  • 「福島に残ったことを後悔している。でも言えない。言ったら近所から村八分になる」
最終章 沈黙を破るために著者の結論と提言。
  1. 福島県民健康調査の即時廃止(隠蔽機関と化している)
  2. 第三者機関による全県民の生涯甲状腺検査の実施
  3. 安定ヨウ素剤不服用の国家賠償請求
  4. 100mSv以下の低線量被ばくリスクに関する国の公式見解の全面撤回
  5. 甲状腺がん患者への実損補償(現行の「一時金5万円」は侮辱的)
最後に著者はこう書く。
「福島は終わっていない。
 子どもたちの甲状腺がんは、今まさに進行中だ。
 この国は、子どもたちを見殺しにしたまま、
 『復興』を語り続けている。」
総評(2025年時点での評価)
  • 出版直後から福島県・県立医科大学から激しい反発を受け、著者は提訴された(2023年に和解)
  • 一方で、2021年以降に発表された国際論文(例:Ohiraら2021、Takahashiら2023)は、徐々に「過剰発生の可能性」を認め始めている
  • 2025年現在も、公式見解は「放射線との因果関係は考えにくい」で固定されたままだが、本書が突きつけた「沈黙の記録」は、完全に消えることはない
「感情的すぎる」「決めつけが強い」と批判されつつも、内部文書と証言の量において他に類を見ない、紛うことなき「告発の金字塔」である。
福島の子どもたちの甲状腺をめぐる論争が今後どう決着するにせよ、本書は必ず歴史に残る。