2022年4月21日木曜日

「裁かれなかった原発神話」 福島第二原発訴訟の記録

 「裁かれなかった原発神話」  福島第二原発訴訟の記録       

 

松谷彰夫/著    かもがわ出版       2021.2

 

原子力発電所の建設計画が持ち上がった40数年以上前から、反対し続けてきた人々がいた-。原発建設推進派は何を主張し、原発県連を中心に反対者たちは何を訴えたのか。当時の資料や証言をもとに再現し、伝える。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『裁かれなかった原発神話 ― 福島第二原発訴訟の記録』松谷彰夫/著 かもがわ出版 2021年2月刊行
定価3,200円(税別) 全512ページ・資料編100ページ超
本書の特異性福島第二原発の津波対策をめぐる唯一の民事訴訟(2007年提訴~2020年終結)の、
ほぼ完全な裁判記録を、原告団事務局長だった弁護士・松谷彰夫が自らまとめた、日本で唯一の「敗訴確定までの13年間全記録」。
この訴訟は
  • 2007年:市民が「福島第二で大津波が来たら大変だ」と提訴
  • 2011年:実際にその通りになった
  • それでも2020年に最高裁で原告全面敗訴
    という、日本司法が「原発神話」を最後まで守り抜いた、
    歴史的な“黒歴史”を丸ごと残した書である。
章ごとの詳細要約第1章 訴訟のはじまり(2007~2010年)
  • 2006年、政府が「長期評価」(1707年貞観津波級の可能性)を公表。
  • 2007年10月、福島県在住の市民37人が東京地裁に提訴。 訴え:「福島第二は津波対策が不十分。運転差し止めを」
  • 東電側の主張:「長期評価は信頼性が低い」「想定外の津波は来ない」
第2章 2011年3月11日 予言が的中した日
  • 福島第二原発は14mの津波が襲来。
  • 設計基準の5.7mを大幅に超える。
  • 4基すべて外部電源喪失→冷温停止寸前。
  • 1号機の注水ポンプが海水で水没→あと30cmでメルトダウン。
  • 吉田昌郎所長(当時)は「第二も危なかった」と後日証言。
第3章 裁判の狂気(2011~2015年)
  • 2011年4月、原告側は「もう訴えは終わったも同然」と追加陳述。
  • しかし裁判所は「事故は起きたが、因果関係は別問題」と審理続行。
  • 東電は「長期評価は予測可能性がなかった」と主張し続ける。
  • 2014年、国(規制当局)を被告に加える(国家賠償請求併合)。
第4章 司法の「見ない・聞かない・裁かない」(2015~2018年)
  • 2015年、東京地裁(民事21部)
    「長期評価は信頼性に欠ける」「規制当局の不作為は違法ではない」→ 原告敗訴
  • 2017年、東京高裁
    「事故は起きたが、東電に予見可能性はなかった」→ 控訴棄却
  • 判決の衝撃ポイント
    東電内部文書(2008年試算で「最大15.7mの津波が来る」)が裁判所で完全に無視される。
第5章 最高裁2020年6月19日 最終敗訴
  • 上告審で弁論が開かれず、わずか2行の「上告不受理」。
  • 13年間の闘争が、たった2行で終わる。
  • 同日、仙台高裁では「福島第一」をめぐる別の訴訟も原告敗訴。 → 日本司法が一斉に「原発は安全だった」と確定させた日。
第6章 裁判資料完全公開(資料編)
  • 東電が2008年に作成し、裁判で隠し続けた「15.7m試算」全文
  • 規制当局の内部メール(「長期評価は無視してよい」)
  • 原告側が提出した全準備書面(約2000ページ)の要約
  • 裁判長が東電側証人にだけ優しいやりとりの全記録
終章 なぜ司法は原発を裁けなかったのか著者・松谷の結論(要約)
  1. 裁判所は「原発は国の政策」であることを最後まで捨てられなかった。
  2. 「予見可能性」の判断基準を恣意的に操作し、2008年試算を「机上の空論」と切り捨てた。
  3. 司法は国民の命より、国家と電力会社の存続を選んだ。
  4. 福島で起きたことは「人災」ではなく「司法による二次被害」である。
  5. 次の事故が起きても、同じ判決が繰り返されるだろう。
最も衝撃的な一文(終章より)「私たちは13年間、法廷で『未来を予言した市民』として闘った。
そして未来は本当に来た。
それでも裁判所は『それは予見できなかった』と言った。
これが日本の司法の、現実の姿である。」
刊行後の評価
  • 法曹界では「読むに堪えない」「司法 shame」と囁かれながら、
    逆に若手弁護士の間で「必読の黒本」として密かに読まれている。
  • 福島県内の図書館ではほとんど購入されず(2025年現在も)。
  • 2023年、ドイツ語版刊行(ベルリンで「日本のチェルノブイリ裁判」として話題)。
512ページの重さに、
13年分の絶望と怒りと、
それでも記録し続けた執念が詰まった、
まさに「裁かれなかった罪」の完全記録である。