2022年4月22日金曜日

「世界は広島をどう理解しているか 」 原爆七五年の五五か国・地域の報道

 「世界は広島をどう理解しているか 」 原爆七五年の五五か国・地域の報道 広島市立大学国際学部叢書 - 12          

 

井上泰浩/編著 中央公論新社    2021.7

 

何百万もの人命を救った救世主なのか、無差別に市民を殺戮した戦争犯罪なのか。今なお認識・評価が対立する広島への原爆攻撃を世界のメディアはどう伝えているのか。55か国・地域、194新聞の報道を精緻に分析する。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

 『世界は広島をどう理解しているか 原爆七五年の五五か国・地域の報道』(広島市立大学国際学部叢書 第12巻、井上泰浩編著、中央公論新社、2021年7月刊)は、広島への原爆投下から75年が経過した2020年8月時点での世界55か国・地域、194紙の報道を精緻に分析し、広島・長崎の原爆被害に対する国際社会の認識や評価の多様性、対立点を明らかにする学術的著作です。本書は、広島市立大学の井上泰浩教授を中心とする研究者チームによる共同研究の成果であり、原爆報道を通じて各国の歴史観、核政策、メディアの役割、さらには「核のタブー」や核兵器廃絶に向けた議論を検証します。以下、章ごとの内容を中心に、詳細な要約を述べます。

--- ### **全体の構成と目的** 本書は、広島への原爆投下(1945年8月6日)が世界各国でどのように報じられ、理解されているかを、五大陸にわたる多様な国々のメディア報道を通じて分析します。原爆は「何百万もの人命を救った救世主」として正当化される一方、「無差別に市民を殺戮した戦争犯罪」と非難されるなど、その評価は大きく分かれます。本書は、こうした対立する歴史観を具体的な記事や論調から抽出し、文化的・政治的背景との関連を探ります。さらに、核兵器禁止条約(TPNW)や被爆者の証言が世界の核議論に与える影響についても考察しています。全体で338ページにわたり、13章と資料編で構成されています。 --- ### **章ごとの詳細要約** #### **はじめに(井上泰浩)** 井上泰浩は、原爆投下75周年を機に、世界各地の報道を収集・分析するプロジェクトの背景を説明します。広島は核兵器使用の最初の被害地として、国際的な平和・反核運動の象徴となっていますが、その評価は国や地域によって大きく異なります。本書は、客観的なデータ(新聞記事)を基に、各国の歴史認識、核政策、メディアの姿勢を比較し、現代の核をめぐる議論にどう影響するかを探ることを目的としています。また、原爆報道が単なる歴史的事件の記録を超え、現代の核抑止論や人道的アプローチにどう関わるかを示唆します。 #### **1章:救いなのか、大虐殺なのか――世界の原爆史観(井上泰浩)** この章では、原爆投下に対する世界の二極化した見方を概観します。一方は、原爆が第二次世界大戦の早期終結をもたらし、多くの命を救ったとする「救世主」論(特に米国で根強い)。他方は、無差別爆撃による民間人被害を強調し、戦争犯罪として非難する視点です。井上は、これらの対立が各国の歴史的文脈や核保有状況に影響されると指摘。55か国・地域の報道データから、こうした史観がメディアにどう反映されるかを分析します。 *コラム:三人の女性被爆者――世界に届いたメッセージ* 広島・長崎の被爆者であるサーロー節子さん、山口仙二さん、谷口稜曄さんの活動を紹介。彼らの証言が国際的な反核運動や国連での核兵器禁止条約採択に与えた影響を強調し、個人的な「核被災の語り」がグローバルな議論を動かす力を持つことを示します。 #### **2章:アメリカ――ニューヨーク・タイムズと原爆神話の変化、根づいた人命救済(井上泰浩)** 米国では、原爆投下が「戦争終結と人命救済」をもたらしたとする「原爆神話」が根強い。この章では、特にニューヨーク・タイムズの報道を検証し、その論調の変遷を追います。1945年の当初は「放射能の影響はない」とする報道が主流だったが、75年後の2020年には被爆者(サーロー節子さん)の写真や平和活動を一面で特集するなど変化が見られる。一方で、「原爆は必要だった」という見解は依然として強い。井上は、この神話が米国の核政策や歴史教育にどう影響してきたかを分析します。[](https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=106786) #### **3章:イギリス、カナダ、オーストラリア――世論転換と「敵国日本」の記憶(井上泰浩)** 英連邦諸国では、原爆投下に対する評価が「敵国日本」への敵対意識と戦後の和解の過程で揺れ動いてきました。英国では核抑止力の保持を背景に、原爆を「必要悪」とする報道が目立つ一方、カナダやオーストラリアでは被爆者の人権や平和運動への共感も見られます。報道は、戦時中の日本への敵意と、現代の核廃絶議論の間で揺れる世論を反映しています。 #### **4章:フランス――核抑止力と核兵器廃絶のはざまで(大場静枝)** フランスは核保有国として、核抑止力を重視する政策を背景に、原爆報道が抑制的な傾向にあります。メディアは、広島を歴史的事件として扱いつつ、核兵器廃絶を求める声に対しては距離を置くことが多い。大場は、フランスの報道が核抑止と人道的議論の間でどうバランスを取っているかを分析し、国内の核政策が報道姿勢に与える影響を明らかにします。 #### **5章:ドイツ、オーストリア、スイス(ドイツ語圏)――記憶の政治と原爆・原発の類似性(ウルリケ・ヴェール)** ドイツ語圏では、原爆投下と原発事故(特にチェルノブイリやフクシマ)が関連づけられ、核の危険性が強調される傾向があります。ドイツは非核政策を推進し、原爆報道では戦争犯罪としての側面が強く出る一方、歴史的責任(ナチス時代)の反省から、被害者視点の報道も多い。オーストリアやスイスでは、反核運動との連動が顕著です。 #### **6章:スペインの回想と糾弾報道、イタリアの忘却(ハヴィエル・サウラス)** スペインでは、原爆を歴史的惨劇として強く非難する報道が見られ、反戦・反核の視点が強調されます。一方、イタリアでは原爆に関する報道が少なく、「忘却」に近い状態が続いています。サウラスは、両国の歴史的背景(スペイン内戦やファシズムの経験)が報道姿勢にどう影響するかを比較します。 #### **7章:中国、台湾、香港――世論と政府の核政策の反映(藤原優美)** 中国では、原爆投下を米国の帝国主義の象徴として批判する報道が主流。台湾や香港では、政府の核政策や対米関係が報道に影響を与え、複雑な論調が見られます。藤原は、メディアが政府の立場を反映しつつ、市民の反核意識とも連動している点を分析します。 #### **8章:韓国――「封じ込め」対「共通の安全」における原爆史観(金栄鎬)** 韓国では、原爆投下に対する評価が、米国の「封じ込め」戦略(北朝鮮への対抗)と「共通の安全」(核廃絶)の間での葛藤を反映しています。メディアは、歴史的被害者意識(日本の植民地支配)と、現代の核抑止の必要性を両立させようとする複雑な立場を取ります。 #### **9章:ラテンアメリカ――非核地帯化構想と批判的報道(吉江貴文)** ラテンアメリカ諸国は、トラテロルコ条約(1967年)による非核地帯化の歴史から、原爆投下を強く批判する報道が多い。メディアは、米国の覇権主義や核兵器の非人道性を強調し、核廃絶を支持する傾向があります。 #### **10章:中東アラブ――〈現代の広島〉における関心と苛立ち(田浪亜央江)** 中東アラブ諸国では、広島が「現代の戦争被害」の象徴として扱われ、核兵器や米国の軍事介入への批判と結びついています。一方で、核開発を進める国(例:イラン)との矛盾も浮き彫りになり、報道には苛立ちや複雑な感情が見られます。 #### **11章:ロシア、北欧、アジア、アフリカ(井上泰浩)** ロシアでは、核保有国としての立場から、原爆報道は抑制的。北欧諸国は人道的視点から核廃絶を強く支持。アジアやアフリカでは、反帝国主義や反核の視点が強調されるが、報道量は地域により大きく異なる。井上は、各地域の地政学的状況が報道にどう影響するかを分析します。 #### **12章:原爆報道にみる「核のタブー」(武田悠)** 武田は、核兵器に関する議論が多くの国で「タブー」とされている実態を検証。メディアが核の危険性や被害を報じる際、どの程度踏み込むか、または避けるかを分析し、報道の限界と可能性を探ります。 #### **13章:核兵器禁止条約と人道的・段階的アプローチ――「核被災の語り」が拓く人新世の未来(太田育子)** 太田は、2017年の核兵器禁止条約採択を背景に、被爆者の証言が国際的な核廃絶運動に与えた影響を評価。広島・長崎の経験が、核兵器の非人道性を訴える「人道的アプローチ」の基盤となり、未来の核議論にどう寄与するかを展望します。 #### **資料:世界の原爆報道一覧** 55か国・地域、194紙の報道データ一覧。記事の原文や翻訳、掲載日、メディア名などを詳細に収録し、分析の根拠を示します。 #### **編著者、執筆者略歴・あとがき** 井上泰浩(広島市立大学教授)を中心に、大場静枝、ウルリケ・ヴェール、ハヴィエル・サウラス、藤原優美、金栄鎬、吉江貴文、田浪亜央江、武田悠、太田育子らが寄稿。あとがきでは、本書の学術的意義と今後の研究課題が述べられています。 --- ### **主要なテーマと特徴** 1. **多角的分析**:本書は、単なる報道の収集にとどまらず、各国の政治的・文化的背景、核政策、歴史認識を踏まえた分析を行います。米国や日本だけでなく、ラテンアメリカや中東など、通常注目されにくい地域の視点も網羅。 2. **原爆神話の検証**:特に米国の「原爆神話」(戦争終結と人命救済の正当化)を中心に、その形成と変遷を詳細に追跡。ニューヨーク・タイムズの報道姿勢の変化(例:被爆者特集の掲載)は注目点。[](https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=106786) 3. **被爆者の役割**:サーロー節子さんら被爆者の証言が、核兵器禁止条約や国際的な反核運動に与えた影響を強調。個人的な語りがグローバルな議論を動かす力を持つ。 4. **核のタブー**:核兵器やその被害を報じる際のメディアの制約やタブーを明らかにし、報道の限界と可能性を議論。 5. **地域ごとの多様性**:核保有国(米国、フランス、ロシアなど)では抑制的、非核地帯(ラテンアメリカ、北欧など)では批判的な報道が多いなど、地域差を明確化。 --- ### **意義と評価** 本書は、原爆投下75周年という節目を機に、世界のメディアが広島をどう捉えているかを体系的にまとめた初の試みです。Amazonのレビューでは、「米中韓以外の国々の反応を網羅的に俯瞰できる良書」と評価され、75年経過後も多くの文字数が広島に費やされることに驚きが示されています。 また、ニューヨーク・タイムズが被爆者を一面で取り上げた変化(2020年)は、米国での認識の進展を示す象徴的事例として注目されます。[](https://www.amazon.co.jp/%25E4%25B8%2596%25E7%2595%258C%25E3%2581%25AF%25E5%25BA%2583%25E5%25B3%25B6%25E3%2582%2592%25E3%2581%25A9%25E3%2581%2586%25E7%2590%2586%25E8%25A7%25A3%25E3%2581%2597%25E3%2581%25A6%25E3%2581%2584%25E3%2582%258B%25E3%2581%258B-%25E5%258E%259F%25E7%2588%2586%25E4%25B8%2583%25E4%25BA%2594%25E5%25B9%25B4%25E3%2581%25AE%25E4%25BA%2594%25E4%25BA%2594%25E3%2581%258B%25E5%259B%25BD%25E3%2583%25BB%25E5%259C%25B0%25E5%259F%259F%25E3%2581%25AE%25E5%25A0%25B1%25E9%2581%2593-%25E5%258D%2598%25E8%25A1%258C%25E6%259C%25AC-%25E4%25BA%2595%25E4%25B8%258A-%25E6%25B3%25B0%25E6%25B5%25A9/dp/4120054527)[](https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=106786) 学術的には、広島市立大学の研究プロジェクトとしての信頼性が高く、194紙の報道データを基にした客観性が強みです。一方で、報道分析に重点を置くため、被爆者の体験談や感情的側面はコラムや13章に限られ、歴史的背景の詳細な記述は控えめです。 --- ### **結論** 『世界は広島をどう理解しているか』は、広島原爆をめぐる世界の報道を通じて、核兵器の歴史的評価、現代の核政策、メディアの役割を多角的に分析した重要作です。核保有国と非核国の対立、被爆者の証言の影響、報道のタブーなど、現代の核議論に直結するテーマを網羅し、広島の経験が「人新世」の未来をどう形成するかを展望します。平和研究や国際関係、メディア研究に関心のある読者にとって、必読の書と言えるでしょう。[](https://www.amazon.co.jp/%25E4%25B8%2596%25E7%2595%258C%25E3%2581%25AF%25E5%25BA%2583%25E5%25B3%25B6%25E3%2582%2592%25E3%2581%25A9%25E3%2581%2586%25E7%2590%2586%25E8%25A7%25A3%25E3%2581%2597%25E3%2581%25A6%25E3%2581%2584%25E3%2582%258B%25E3%2581%258B-%25E5%258E%259F%25E7%2588%2586%25E4%25B8%2583%25E4%25BA%2594%25E5%25B9%25B4%25E3%2581%25AE%25E4%25BA%2594%25E4%25BA%2594%25E3%2581%258B%25E5%259B%25BD%25E3%2583%25BB%25E5%259C%25B0%25E5%259F%259F%25E3%2581%25AE%25E5%25A0%25B1%25E9%2581%2593-%25E5%258D%2598%25E8%25A1%258C%25E6%259C%25AC-%25E4%25BA%2595%25E4%25B8%258A-%25E6%25B3%25B0%25E6%25B5%25A9/dp/4120054527)[](https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=106786)[](https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784120054525)