『脱原発ドイツと日本 学ぶドイツ・懲りない日本 』
伊関武夫/著 批評社 2013.01
福島原発事故から3日後に原発方針大転換を表明した、ドイツ・メルケル首相。一方、日本は今また原発容認へ…。幾度となくドイツに紀行・見聞してきた著者が、原発を巡るドイツと日本の違いを解き明かし、脱原発の思想を示す。
先日、文京区立図書館で、「脱原発ドイツと日本」という本を借りて読んでみました。
本は、2011年の東日本大震災とそれに伴う、福島第一原発事故以後のドイツの「脱原発」政策について書かれています。
実際にドイツに行っている方が書かれている本なので、ドイツの「脱原発」のことも分かり易く書かれています。
ドイツのメルケル首相が、「脱原発」に舵を切り、2022年、「原発ゼロ」の政策を掲げたとあります。
日本のことについては、過度に電気を使い過ぎていたのではないかと、疑問符を打っています。
「点灯したままの無人の部屋、部屋の大きさに不釣り合いな大型テレビ、・・・無数に近い自動販売機、終日営業のコンビニエンスストア、etc」
と電気の使い過ぎのこと例を挙げています。
ドイツではコンビニや自動販売機の類も町かどでみかけることはなく、テレビも終夜放送ではないと書いてあります。
日本のなかでも、特に、大量に電気を消費している東京や大阪などの大都市でのライフスタイルに大きな疑問を持っているようです。
東京や大阪のような大都市で大量に電気を消費するのにも関わらずに、東京湾沿いや大阪湾沿いに「原発」を作らずに、東京電力は福島県や新潟県、関西電力は福井県に「原発」を作り、大都市に電気を供給しているとあり、もともと「原発」が危険なものだと分かっていて、「原発」を作っていることが分かります。
日本がテレビなどに親しんでいる国で、ドイツは本に親しんでいる国で、読書が好きな国民性を持っていて、日本人はテレビを見る時間が多く、じっくりと物事を考える力が低下していると書いていて、日本とドイツの国民性を比較しています。
「脱原発」に舵を切ったドイツと、いまだに「原発」を再稼働させている日本を比べてみると、日本とドイツの国民性の違いもあるのだと思いました。
日本人がドイツの国民のように、本を読んで、じっくりと物事を考えるような国民になれば、日本も「脱原発」に舵を切るかもしれないと思いました。
先日、図書館で「脱原発ドイツと日本」という本を借りて読んでみたので本を読んでの感想を書いてみました。
早稲田大学探検部関係者には是非、ご一読していただきたい本です。
ドイツは2023年4月15日に脱原発を完了しました。