「線量計と奥の細道 」
ドリアン助川/著 幻戯書房 2018.7
松尾芭蕉「奥の細道」の全行程約2000キロを旅しながら、「生きる」ということを考えた日々-。「3.11」後の日本がどうなっているのか、目と耳と足で確かめた路上の記録。写真、地図も収録。
早稲田大学文学部出身の作家、ドリアン助川さんの著作です。
3.11、東日本大震災後の日本がどうなっているのかを知るために、松尾芭蕉と河合曽良が歩いた「奥の細道」を自転車で旅したことを本にしています。
「奥の細道」は東日本大震災被災地と重なり、旅する各地で、放射線量を計る線量計を取り出し、各地の放射線量を計っています。
東日本大震災、福島第一原発事故のことを考えながら、「奥の細道」を自転車で旅しています。
原発のことについては、P203にきちんとした意見が書かれてあります。
以下のような記述がなされています。
すなわちやはり、この列島は生きている。環太平洋の火山地域は常に激しく身震いし、土地の形を変え続けている。三百余年なんて地球史的にはほんの一瞬だ。それほど揺れ動く列島の上で私たちは暮らしている。事実、震度5以上の地震の発生率は日本列島が群を抜いて世界一だ。我が国は、地震の巣なのだ。津波ひとつで大事故を起こしてしまう原子力発電所はやはり「向いていない」と言わざるを得ない。
この意見に関しては、居酒屋のご夫婦もさんざんうなずいて下さった。
「地震の国だからね。原発は向いていないね」
ドリアン助川さんの、奥の細道を旅して考えたことが書いてある本で、東日本大震災、福島第一原発事故のことを考えさせられる本です。
早稲田大学探検部関係者には、是非、ご一読していただきたい本です。