「子どもたちに伝えたい-原発が許されない理由」
小出裕章/著 東邦出版 2011.9
長年原発に反対してきた、原子炉実験所助教の著者が、原発の誕生と現実、大人たちが原発をやめない理由、人間の力では対応できない事故の実際、未来へ向けてなすべきことを、図版を交えてわかりやすく説明する。
先日、小出裕章さんの「原発が許されない理由」という本を読みました。
副題に「子供たちに伝えたい」とのタイトルがあり、10代の人たち向けに書かれている本です。
本を読んでみると、日本では地震が多く原発を稼働させることが危険なことが書いてあります。
原発は危険なもので、人口密集地には原発は作らないことも書いてあります。
この本を読んでいて一番気になったのは、急性被爆のことについて書かれている箇所でした。
1999年の茨城県東海村の核燃料加工工場JCOで起きた「臨界事故」のことについて書かれている部分です。
ウランの核分裂で猛烈な放射能が放出され、ウランを扱う作業をしていた作業員二人の方が被爆してしまったのとのことが書かれています。
作業員二人は、救急車で病院に担ぎこみましたが、最初の病院は治療を拒否。二人はヘリコプターで千葉県にある放射能医学総合研究所という被爆治療の専門病院に運ばれました。この病院でも二人は治療を拒否されたとのことです、治療しても助かる見込みがなかったと書かれています。
最終的には東大病院に運ばれ治療が施されたが、被爆のために全身を包帯でグルグル巻きにして、毎日包帯を取りかえるために、医者と看護師が何時間もかけたとのことです、
この時の記録は「朽ちていった命」という新潮文庫で出版されているとのことです。
この本の著者の小出さんもあまりの壮絶さに何度もページを閉じてしまったとあります。
原発事業に関わることが命の危険もあることが分かります。
このような事故が起きているのなら、原発はやめたほうが良いと正直に思いました。
早稲田大学探検部関係者には是非、ご一読していただきたい本です。