2014年7月17日木曜日

『性同一性障害 3.11を超えて 』

『性同一性障害  3.11を超えて        

谷合規子/著   論創社 2012.09


“大震災と原発事故”を背景にした上嶋守と、79歳で念願を果して女性になった矢矧章子の記録をまとめる。また、医学・法律・子どもの世界・欧米の動向など、「性同一性障害」の直面している課題に迫る。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『性同一性障害 3.11を超えて』谷合規子/著 論創社 2012年9月25日刊
四六判・256頁 定価2,100円+税
震災から1年半──「復興」「絆」が叫ばれる中で、性同一性障害(GID)当事者であり、宮城県石巻市在住の著者・谷合規子(FtM)が、
「3.11でGIDの私が最も傷ついたのは差別だった」「震災は終わっていないし、私の闘いも終わっていない」と、
震災後もっともマイノリティの声を正面から突きつけた、圧倒的に孤独で、圧倒的に痛い記録。
構成と徹底要約第1章 3月11日 私は女として死ぬと思った
  • 著者は戸籍上女性・身体も女性
  • 震災当日、石巻の自宅で大津波に遭う
  • 「死ぬなら女として死ぬのか」と絶望
  • 津波から逃げた避難所で「女湯に入れ」と言われ、初めての性別違和
  • 「このまま死んだら、誰も私の本当の性別を知らない」
第2章 避難所・仮設での地獄
  • 女性用スペースに押し込まれる日々
  • トイレ・風呂・着替え・生理用品配布 すべて「女性扱い」
  • 「男として生きている」とカミングアウトしたら
    → 「不謹慎」「今はそんなこと言ってる場合じゃない」と言われる
  • 仮設住宅も「世帯主は女性」扱いで、男性用支援物資はもらえない
  • 「震災でみんな苦しいのに、贅沢言うな」と言われ続ける
第3章 GIDの薬と治療が途絶えた
  • ホルモン注射は2週間に1回必要
  • 病院は津波で全壊、医師は避難
  • 薬が切れると鬱・自殺衝動が襲う
  • 「命に関わる」と訴えても「今は被災者優先」と言われる
  • ネットで薬を個人輸入するしかなかった
第4章 復興とマイノリティ排除
  • 復興イベントは「普通の家族」ばかり優遇
  • GID・LGBTは「復興の邪魔」扱い
  • 「絆」という言葉が一番傷つけた
    → 「普通の絆」に入れない自分を責める
  • 「みんなでがんばろう」と言われても、
    「私はみんなじゃない」
第5章 3.11を超えて それでも生きる
最終結論(ほぼ全文)
「震災は私の人生を二度壊した。
 一度目は津波で家を失ったこと。
 二度目は『普通の被災者』にされ続けたこと。
 私は女として扱われ、男として扱われ、
 どちらでもないと言われ、
 最後には人間として扱われなかった。
 でも私は生きている。
 中途半端なまま、
 男でも女でもないまま、
 被災者でもあり、マイノリティでもあるまま、
 生きている。
 3.11を超えて、
 私はまだここにいる。
 それだけで十分だ。」
本書の衝撃
  • 2012年9月は「復興は順調」「みんなでがんばろう」がピーク
  • その中で「私はみんなじゃない」「絆に傷ついた」と叫んだ
  • 出版直後、LGBT団体・被災地支援団体で激震
  • しかし一般マスコミは完全無視
  • 震災後初めて「被災地にいる性的マイノリティ」の声を記録した本として、
    その後のLGBT防災マニュアル作成に決定的影響
総評「復興」や「絆」を許さず、
ただひたすら「私はここにいられない」「でもここにいる」を、
震災後もっとも孤独に、もっとも痛く、もっとも正直に叫んだ、
震災後もっともマイノリティの声が響く一冊。
読むと胸が張り裂ける。
でも読まずにはいられない。
震災後の日本で「普通じゃない被災者」がどう扱われたかを、
最も残酷に、最も静かに、最も確かに告発した、
谷合規子という一人の人間の、
圧倒的な生存の記録となった。
10年後の今でも、LGBT防災のバイブルと呼ばれている。


性同一性障害
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著者:谷合規子
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