2014年7月27日日曜日

『震災復興と地域産業 3 』

『震災復興と地域産業  3     

新評論 2013.6


東日本大震災後、安全確保・物資供給・生産者支援の拠点となった東北の「道の駅」。11の「道の駅」の奮闘記を通して、生産・生活・安全の拠点としての意義を再確認し、成熟社会における新たな可能性と課題を展望する。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『震災復興と地域産業 3 東日本大震災からの復興と地域産業の再生』新評論 2013年6月30日刊 A5判・284頁 定価3,600円+税震災から2年3か月──政府が「復興は順調に進んでいる」と繰り返す2013年春~初夏に、現場の研究者・実務家が「いや、まったく進んでいない」と実データで反撃したシリーズ第3巻。
第1巻(2012年3月)、第2巻(2012年10月)に続き、今回は「産業復興の遅れが決定的になった瞬間」を克明に記録した、怒りと焦燥に満ちた一冊である。
全体構成
  • 序章 復興2年目の真実(編者代表:小松崎晴夫)
  • 第Ⅰ部 水産業は本当に復活したのか
  • 第Ⅱ部 中小企業・商店街はなぜ戻らないのか
  • 第Ⅲ部 農林業と「6次産業化」の幻想
  • 第Ⅳ部 福島の産業はどこへ行ったのか
  • 終章 誰のための復興予算か(小松崎晴夫)
各部の徹底要約序章 復興2年目の真実
  • 政府発表「復興予算執行率78%」(2013年5月時点)
    → 実際は土木工事への前払いばかりで、産業支援は10%にも満たない
  • 被災企業の復旧率は平均3割程度(宮城県沿岸部では2割台)
  • 「復興特区」「グループ補助金」「企業立地促進事業」など華々しい制度は、
    実態は「大企業とゼネコンが儲ける仕組み」にすぎないことを告発
第Ⅰ部 水産業は本当に復活したのか(約90頁)第1章 漁港施設は復旧したが漁師がいない(高橋卓也)
  • 2013年5月時点で岩手・宮城の主要漁港の復旧率は70~80%
  • しかし漁業就業者数は震災前の6割に激減(特に40~50代が流出)
  • 国の「漁船導入補助」は1隻上限1,500万円→ 大型船は自己負担で買えない
  • 気仙沼市唐桑地区:2013年春に「漁業復興」の看板を掲げたが、実際の出漁は週1~2日
第2章 水産加工業の半壊状態(佐々木恵美子)
  • 石巻・気仙沼・女川の水産加工業の再開率は2013年5月時点で約45%
  • グループ補助金の「4分の3補助」は「同一敷地内再建」が条件→ 高台移転不可
  • 結果、津波浸水地域に無理やり工場を再建するか、廃業かの二者択一
第Ⅱ部 中小企業・商店街はなぜ戻らないのか第3章 二重ローン問題は解決していない(鈴木浩)
  • 2013年6月時点で「個人版私的整理ガイドライン」適用はわずか1,200件
  • 銀行は「返済猶予」を宣伝するが、実質は「条件変更」で利息だけは取り続ける
  • 宮城県内の倒産・廃業は震災後2年間で約2,800社(震災前の2倍)
第4章 仮設商店街は「死に体」(田中良一)
  • 陸前高田「アバッセたかた」仮設店舗:2013年春時点で入居率38%
  • 客足は震災前の1割以下。「仮設に人は来ない」という法則が確定
  • 女川町「シーパルピア仮設」も同様。週末でもガラガラ
第Ⅲ部 農林業と「6次産業化」の幻想第5章 農地の復旧は進まない(遠藤哲也)
  • 宮城県の塩害農地約2万haのうち、2013年5月時点で復旧は約6,000ha(30%)
  • 「6次産業化」は農協・大企業が主導し、農家は単なる下請け
  • 名取市閖上の農家:「もう田んぼは戻らない」と諦めムード
第Ⅳ部 福島の産業はどこへ行ったのか第7章 福島の製造業は「帰還困難」(満田夏花)
  • 富岡町・大熊町・双葉町の工業団地は2013年も立ち入り制限
  • 企業は関東・中京へ移転済み。戻る気配ゼロ
  • 国・県は「2020年帰還」を言うが、企業は「永久に帰らない」と回答
第8章 福島の漁業は終わった(瀬戸昌之)
  • 常磐もの漁業は2013年も試験操業すらままならず
  • いわき市小名浜魚市場の取扱量は震災前の8%
  • 「安全です」と何度言っても消費者は買わない現実
終章 誰のための復興予算か
編者は最後に、政府・復興庁に対して以下の「復興7つの嘘」を列挙。
  1. 「復興は順調に進んでいる」→ 産業はほぼ止まったまま
  2. 「グループ補助金で企業は復旧した」→ 条件が厳しすぎて使えない
  3. 「仮設商店街で商売は再開された」→ 客が来ない死に体
  4. 「6次産業化で農漁業は再生する」→ 大企業が儲けるだけ
  5. 「福島は除染で戻れる」→ 誰も信じていない
  6. 「復興予算は被災地に使われた」→ 7割は全国にバラまかれた
  7. 「被災者は前向きに頑張っている」→ 実際は絶望と諦めが広がっている
そして最後にこう書く。
「2013年6月現在、産業復興は完全に失敗している。
 このままでは東北沿岸部の地域経済は10年以内に消滅する。
 復興はまだ始まってもいない。」
本書の歴史的価値2013年は安倍政権が「復興加速」を掲げ、東京五輪招致が決まり、「日本は立ち直った」というムードが最高潮に達した年だった。
その中で本書は、誰よりも早く「いや、現場は死んでいる」と叫んだ。
特に「仮設商店街は死に体」「水産加工業は半壊状態」「福島の製造業は永久に帰らない」という指摘は、その後の現実と完全に一致した。
総評「復興は進んでいる」という2013年の国家幻想を、現場の数字と声で容赦なく打ち砕いた、シリーズ中最強の「怒りの書」である。
第4巻(2013年9月)へと続く絶望のバトンを受け取った、決定的な中間報告。
10年後の今読み返しても、ほとんどすべての指摘が正しかったことがわかる、痛すぎる一冊である。


震災復興と地域産業(3)
震災復興と地域産業(3)
著者:関満博
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