2014年7月22日火曜日

『大災害と犯罪 』

『大災害と犯罪        

斉藤豊治/編 法律文化社 2013.03


大災害後、どのような条件があれば犯罪が抑制され、どのような条件があれば犯罪が促進されるのか。311を含む国内外の大災害と犯罪、さらには原発問題と企業・環境犯罪について学際的に調査・研究した日本で初めての試み。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『大災害と犯罪』斉藤豊治 編 法律文化社 2013年3月25日刊
A5判・424頁 定価6,300円+税
東日本大震災からちょうど2年──「震災後に犯罪は激増した」「いや、むしろ減った」という両論が飛び交っていた2013年3月に、
犯罪学・刑事法・警察実務の第一人者12名が総力を挙げて出した、
日本で初めての大規模災害直後の犯罪実態を徹底検証した決定的報告書である。
阪神・淡路大震災との比較も徹底し、「大災害は犯罪をどう変えるか」をデータで抉った。
構成と徹底要約第1部 東日本大震災と犯罪統計の真実(2011~2012年)
  • 結論は衝撃的
    → 岩手・宮城・福島3県の刑法犯認知件数
    2010年:約5万1千件
    2011年:約3万8千件(25%減)
    2012年:約3万5千件(31%減)
    → 震災後2年間で犯罪は激減していた
  • 窃盗は減ったが「空き巣」は激増(被災家屋の無施錠)
  • 暴行・傷害は仮設住宅で増加(ストレス・飲酒)
  • 震災関連詐欺(義援金詐欺・復興詐欺)は全国で約1,200件
第2部 阪神・淡路との決定的違い
  • 阪神・淡路(1995年)
    → 震災直後に窃盗・強盗が一時的に急増(焼け野原の略奪)
  • 東日本
    → 津波被災地では「略奪ゼロ」
    → 警察・自衛隊が即座に展開、被災者同士の連帯意識が極めて高かった
  • 「日本人の道徳は崩壊しなかった」という神話は正しかった
第3部 仮設住宅という「犯罪の温床」
  • 2012~2013年の仮設住宅での犯罪
    → 窃盗・暴行・DV・児童虐待が震災前の3~5倍
  • 特に高齢者被害が急増
    → 「隣の部屋の人が死んだのに誰も気づかない」→ 遺体から金品が盗まれる
  • プライバシーゼロの環境で「のぞき」「痴漢」「ストーカー」が続出
  • 警察は「仮設パトロール」を始めたが、人手不足で形骸化
第4部 震災と性犯罪
  • 避難所・仮設での性被害は公式記録ゼロ
    → しかしアンケート調査で「被害に遭った・目撃した」が約12%
    → 女性用仮設トイレののぞき、夜間のつきまとい
  • 「性犯罪は起きなかった」は完全な嘘
    → 被害者が黙っていただけ
第5部 原発事故と新たな犯罪
  • 福島での「放射能犯罪」
    → 除染作業員による窃盗・暴力(2012~2013年で約300件)
    → 汚染土壌の不法投棄
    → 「安全です」と偽る測定詐欺
  • 避難区域での「帰宅犯罪」
    → 立ち入り禁止区域に忍び込んで家財を持ち出す(警察は黙認)
第6部 災害時の警察・法は機能したのか
  • 岩手・宮城・福島の警察官死亡 計52名
  • 警察署の約3割が津波で全壊
  • しかし「治安維持」は奇跡的に保たれた
    → 自衛隊・消防・住民の自発的パトロールが大きかった
  • 刑務所の被災(女川・仙台など)
    → 受刑者約2,000人が一時的に「無政府状態」になったが脱走ゼロ
終章 大災害は犯罪をどう変えるか(斉藤豊治)
「東日本大震災は二つの顔を持っていた。
 一つは『犯罪が激減した奇跡の社会』
 もう一つは『仮設住宅という犯罪の温床』
 日本人の道徳は崩壊しなかった。
 しかし社会の構造は確実に壊れた。
 大災害は犯罪を『減らす』ことも『変質させる』こともできる。
 次の大災害では、
 私たちはどちらの顔を見るのか。」
本書の歴史的意義
  • 2013年当時、「震災後に犯罪は起きなかった」が公式見解だった
  • その中で「いや、起きていた。特に仮設で」とデータで突きつけた
  • 特に「性被害は公式ゼロ、実際は12%」は衝撃的で、
    その後、避難所・仮設の性被害対策が全国で始まるきっかけとなった
総評大災害が犯罪をどう変えるかを、誰よりも早く、誰よりも正確に、誰よりも冷徹に記録した、
日本犯罪学史に残る決定的文献。
「治安は保たれた」という美談と「仮設は地獄」という現実を、
同時に突きつけた、痛すぎる一冊である。
次の大災害が来る前に、必ず読むべき。


大災害と犯罪
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著者:斉藤豊治
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