2023年8月10日木曜日

『南海トラフ巨大地震でも原発は大丈夫と言う人々』

 『南海トラフ巨大地震でも原発は大丈夫と言う人々』                

 

樋口英明/著        旬報社    2023.7

 

大飯原発運転差止めの判決を言い渡した裁判長が、地震観測結果や科学的知見から明らかな原発の危険性をもとに、南海トラフ巨大地震でも伊方原発は安全だという四国電力の主張を認めた広島高裁判決の問題点を語る。

Xの人工知能(AI)Grok3βにこの本の内容の要約を書いてくださいと質問しました。

回答は以下です。

 『南海トラフ巨大地震でも原発は大丈夫と言う人々』(樋口英明著、旬報社、2023年7月)は、元裁判官である著者が、南海トラフ巨大地震がもたらす原発へのリスクを厳しく批判しつつ、その危険性を無視する政府、電力会社、司法の姿勢を糾弾する書籍です。樋口英明氏は、2014年に大飯原発の運転差し止め判決、2015年に高浜原発の再稼働差し止め仮処分を決定した人物で、「樋口理論」として知られる原発の安全性に関する論理を展開しています。以下に内容の要約を示します。
 主なテーマと背景
 本書は、2023年3月に広島高裁が愛媛県の伊方原発運転差し止め仮処分請求を棄却した決定を軸に展開されます。南海トラフ巨大地震の発生確率が30年以内に70~80%とされる中、伊方原発が立地する地域は特にリスクが高いとされます。著者は、地震大国日本で原発を稼働させ続けることの危険性を訴え、司法や行政がこの現実から目を背けていると批判します。
「樋口理論」の核心
 著者の論理は以下の5ステップで構成されます:
  1. 原発事故の甚大さ: 福島第一原発事故のように、事故が起きれば被害は計り知れない。
  2. 求められる高度な安全性: 原発には極めて高い安全性が求められる。
  3. 地震大国日本: 日本では高度な安全性とは高度な耐震性を意味する。
  4. 耐震性の低さ: 日本の原発の耐震性は、想定される最大級の地震に耐えられない。
  5. 運転の禁止: よって、原発の稼働は許されない。
 この理論を基に、著者は広島高裁の決定が事実を直視せず、「空理空論」に終始していると断じます。
 広島高裁決定への批判
 広島高裁は、伊方原発の耐震性や津波対策が十分だと判断し、住民の訴えを退けました。しかし、著者はこれを「現実を見ない判断」と批判。具体的には:
  • 南海トラフ地震による震度7や大津波(10m超)のリスクを過小評価。
  • 原発の耐震基準が過去の想定(震度5~6程度)に依拠しており、最新の科学的知見を反映していない。
  • 福島事故の教訓が活かされず、過酷事故リスクへの対策が不十分。
著者は、裁判官が電力会社や国の主張を鵜呑みにし、事実と論理に誠実に向き合っていないと指摘します。
 原発推進側の姿勢への異議
 本書では、政府や電力会社が「原発は安全」と主張する根拠の薄弱さを暴露します。例えば、耐震設計が想定外の地震に耐えられないこと、避難計画の実効性が乏しいこと、事故時の責任が曖昧であることなどが挙げられます。特に、南海トラフ地震のような超広域災害では、救助や復旧が極めて困難になり、原発事故が重なれば国家的危機に直結すると警告します。
 提言と結論
 著者は、原発を止め、自然エネルギーにシフトするべきだと主張。司法が国民の安全を守る最後の砦であるべきなのに、現状では「政界・財界・司法界」が一体となって原発を擁護していると嘆きます。読者には、事実に基づく判断と行動を求め、日本が抱える原発リスクに目を向けるよう呼びかけます。
 総括
 本書は、専門的な法律論や地震学を平易に解説しつつ、著者の裁判官としての経験と倫理観を背景に、南海トラフ巨大地震下での原発の危険性を訴える告発の書です。原発推進派への痛烈な批判と、国民の命を守るための覚悟が込められた一冊です。