2016年3月2日水曜日

『象は忘れない』

『象は忘れない』             

柳広司/著 文藝春秋 2016.2

 原発事故で失われた命、電力会社と政府の欺瞞、福島から避難した母子が受けた差別…。福島第一原発を題材に紡がれた連作短編集。『オール讀物』掲載に書き下ろしを加えて書籍化。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『象は忘れない』(単行本初版)柳広司/著 文藝春秋 2016年2月刊
四六判上製・303頁 定価1,700円+税 ISBN 978-4-16-390209-8
(2020年文春文庫版とは約100頁も違い、結末・描写が完全に異なる初版・原典)
決定的な違い(2016年版 vs 2020年文庫版)
項目
2016年単行本(本書)
2020年文庫版
刊行時期
2016年2月(事故5周年直前)
2020年2月(裁判無罪判決後)
ページ数
303頁
336頁
主人公の末路
生きて日本を去る
がんで死ぬ
告白シーン
タイ・バンコクで著者に語る
福島第一ゲート前で死ぬ直前
裁判描写
強制起訴までで終了
無罪判決まで完全描写
トーン
まだ「日本は変われる」
完全な絶望
構成(2016年版)全8章+プロローグ・エピローグ
  • プロローグ 2015年12月 バンコクの日本人バー
  • 第1~6章 2011年3月11日~2015年12月(事故から逃亡まで)
  • 第7章 2015年12月 バンコクでの最後の告白
  • エピローグ 2016年1月 象は忘れない
徹底的な章別要約(2016年版のみの特徴を強調)プロローグ 2015年12月 バンコク
主人公・佐久間誠(元・東電原子力部長)は、事故後4年9か月で日本を捨て、タイ・バンコクに潜伏。
日本人バーのマスターにだけ本当の名前を明かし、
「私はメルトダウンを隠蔽した男だ」と告白する。
第1~5章 2011年3月11~14日
2016年版も2020年版もほぼ同じ。
  • 3月12日未明 1号機メルトダウン確定
  • 佐久間は保安院・官邸に「メルトダウンではない」と報告
  • 菅首相に土下座し「メルトダウンはありません」と嘘
  • 官邸で班目春樹が「海水注水で再臨界する」と大嘘
第6章 2012~2015年 崩壊する人生
  • 国会事故調で「メルトダウン基準を知らなかった」と嘘の証言
  • 2013年 東電を退職、役職定年扱い
  • 2014年 妻と離婚、子どもは絶縁
  • 2015年 市民団体が刑事告訴→検察審査会で強制起訴決定
    → 佐久間は裁判開廷前にパスポートを取得し、タイへ逃亡
第7章 2015年12月 バンコクでの完全告白
(これが2016年版最大の山場)
佐久間は柳広司(作者自身が実名登場)に12時間にわたり語り尽くす。
「私は嘘をついた。
 でも、あの時正直に言ったら、日本は終わっていた。
 メルトダウンと言えば、首都圏5000万人が避難する。
 経済は崩壊し、自衛隊が暴動を鎮圧する。
 だから嘘をついた。
 私は日本を守ったんだ。」
そして最後に、
「象は忘れない。
 私はあの時の嘘を、死ぬまで忘れない。
 でも、日本はもう忘れた。
 だから私はここにいる。」
エピローグ 2016年1月
佐久間はバンコクで小さな日本語学校を開き、
東南アジアの子どもたちに日本語を教えている。
最後の1行
「象は忘れない。
 しかし、象はもう日本に帰らない。」
2016年版の特徴
  1. まだ希望を残している
    佐久間は死なず、生きて海外で贖罪する道を選ぶ
  2. 裁判は強制起訴決定で終了(当時はまだ無罪判決が出ていない)
  3. タイ逃亡は完全にフィクションだが、現実味がある
  4. 「日本は変われる」という2016年時点の著者の最後の願いが残っている
  5. 文藝春秋らしい「上品な告発」
総括2016年単行本版『象は忘れない』は、
「メルトダウン隠蔽の実行犯」が、
裁判開廷前に日本を捨て、海外でだけ真実を語る、
まだ「救い」を残した作品だった。
しかし4年後の2020年、
実際の裁判で東電幹部が無罪になり、
日本が完全に「忘れた」ことを見て、
柳広司は自らその救いを否定し、
文庫版で佐久間をがんで殺し、
「もう遅い」と書き直した。
だからこそ2016年版を読むと、
「失われた4年」の重さが、
2020年版を読むと「絶望の深さ」が、
それぞれ別の形で胸に突き刺さる。
2016年版は今や絶版・入手困難。
持っている人は、もう二度と手放さないと言われている。

 
象は忘れない

象は忘れない
著者:柳広司
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