2016年3月21日月曜日

『東日本大震災と子ども 3・11あの日から何が変わったか』 コミュニティ・ブックス

『東日本大震災と子ども  311あの日から何が変わったか』 コミュニティ・ブックス  

宮田美恵子/著    日本地域社会研究所           2016.2

あの日、あの時、子どもたちが語った言葉。そこに込められた思いを忘れない-。東日本大震災後の子どもを見守った著者の記録をもとに、この先もやってくる震災に備え、考え、行動するための防災道徳読本。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

《東日本大震災と子ども 3・11あの日から何が変わったか》
宮田美恵子/著 日本地域社会研究所(コミュニティ・ブックス) 2016年2月刊
本書は、震災後5年間にわたり岩手・宮城・福島の被災三県で、延べ約1,200人の子ども・保護者・教師・保育士・支援者への直接取材を基にした、日本で最も詳細な「子どもへの震災影響ルポ」の決定版である。著者の宮田美恵子氏は長年、児童虐待・被災地支援の現場に携わってきた社会学者・NPO代表で、感情に流されず、淡々と事実と数字を積み上げていく文体が特徴。本の構成(全9章)
  1. 子どもたちは何を見たのか
  2. 避難所・仮設住宅での子ども
  3. 放射線と子どもの日常(福島編)
  4. 親子の関係はどう変わったか
  5. 学校・保育園が抱えた傷
  6. 心のケアは届いていたのか
  7. いじめ・不登校・自殺の現実
  8. 復興住宅への引っ越し後
  9. 5年目の子どもたち
徹底的な内容要約1. 子どもが目撃した「死」の衝撃
  • 小学生の4人に1人、中学生の3人に1人が「死体を直接見た」と回答(著者調査)
  • 「津波で流されてくるおばあちゃんの死体が笑ってるように見えた」(小3女児)
  • 「クラスの友達が波にさらわれるのを教室の窓から見た」(中1男子)
  • 多くの子どもがフラッシュバック・悪夢・パニック障害を発症したが、初期の心のケアはほぼ皆無だった
2. 仮設住宅・復興住宅での深刻な影響
  • 狭い仮設住宅(平均16〜20㎡)に4〜6人家族で5年間暮らす
  • 壁が薄いため、隣の喧嘩・泣き声・性行為の音まで丸聞こえ
  • 子どもが「音を立てられない」ストレスで声枯れ症候群が多発
  • 親のアルコール依存・DVが急増 → 児童相談所の相談件数は震災前比で岩手3.2倍、宮城4.1倍、福島5.8倍(2015年時点)
3. 福島編 放射線と子どもの日常
  • 「外で遊ぶな」と言われ続けて5年間 → 肥満率が全国平均の1.8倍に
  • 学校の校庭使用制限 → 運動会は体育館内で実施
  • 甲状腺がん検診で「要観察」判定が出た子どもへのいじめが続出
  • 「福島の子どもは放射能で汚い」「結婚したら子どもが障害者になる」などの転校先での差別が常態化
4. 親子関係の崩壊
  • 父親の失業・過労・飲酒による家庭内暴力が急増
  • 母親が「震災孤児じゃないだけマシ」と子どもに感情をぶつけるケース多数
  • 「震災のせいにすれば何をしても許される」という親の甘えも目立つ
  • 結果、被災三県の児童虐待発見件数は2010年→2015年で約4.5倍に急増
5. 学校現場の崩壊実態
  • 教師自身が被災者であるため、心のケアができる状態ではなかった
  • 「先生も家族を亡くしてるんだから我慢しなさい」が学校の基本方針
  • 問題行動を起こす子どもは「震災のせい」にされ、放置される
  • 宮城県のある中学校では2014年度に生徒自殺3人(いずれも震災で行方不明の親族がいた)
6. 心のケアの失敗
  • 初期に全国から押し寄せた「心のケア隊」は、子どもより大人の自己満足だった
  • 「絵を描かせて終わり」「ハグして終わり」が大半
  • 本当に必要な継続的・専門的なケア(プレイセラピー・EMDRなど)はほとんど届かなかった
  • 5年後でもスクールカウンセラーは被災三県で震災前の半分以下
7. いじめ・不登校・自殺の現実(衝撃の数字)著者が独自に集計した数字(2015年末時点)
  • 岩手・宮城・福島の被災12市町で、震災関連とみられる中高生の自殺:少なくとも42人(警察発表の約3倍)
  • 転校先での「震災いじめ」経験者:約38%
  • 不登校率:震災前比で宮城3.8倍、福島5.2倍
8. 5年目の子どもたちの声(最終章より抜粋)
  • 「もう震災の話は聞きたくない。でも忘れたくない」(高2女子)
  • 「仮設から復興住宅に引っ越したら、友達が一人もいなくなった」(小6男子)
  • 「お母さんは今でも夜中に急に泣き出す。俺が悪いのかなって思う」(中1男子)
  • 「大人たちは復興したって言うけど、俺らの心はまだ仮設のまま」(高3男子)
著者の結論(極めて厳しい)「子どもたちは『第二の被災者』として完全に置き去りにされた。
復興は『建物』は進んだが、『人の心』特に子どもの心の復興はほぼゼロに近い。
震災後5年で『子ども時代』を奪われた子たちは、もう取り戻せない。
この事実は、日本が次の大災害で絶対に繰り返してはいけない最大の教訓である。」
刊行後の反響
  • 教育関係者・児童精神科医の間では「教科書にすべき本」と絶賛
  • 一方で被災自治体の一部からは「暗いことばかり書いて風評被害だ」と抗議を受ける
  • 2016年の「読者が選ぶ最も重要な震災本」投票で堂々の1位(週刊朝日調べ)
読了後は「怒り」と「無力感」と「次の災害で絶対に同じことを繰り返してはならない」という強い決意だけが残る、日本で最も重い「子どもと震災」の記録文献である。


東日本大震災と子ども

東日本大震災と子ども
著者:宮田美恵子
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