『呼び覚まされる霊性の震災学 』 3.11生と死のはざまで

『呼び覚まされる霊性の震災学 』 3.11生と死のはざまで     

東北学院大学震災の記録プロジェクト金菱清(ゼミナール)／編　新曜社2016.1

被災地の幽霊現象、慰霊、墓地、遺構保存にみる霊性と死生観。タブー視される「死者」に対して、東日本大震災の当時者たちはどのように向き合わなければならなかったのかを、綿密なフィールドワークを通して明らかにする。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『呼び覚まされる　霊性の震災学 ―3.11 生と死のはざまで―』東北学院大学震災の記録プロジェクト　金菱清（ゼミナール）／編
新曜社　2016年1月刊（震災からちょうど5年目）本書の正体金菱清教授（『震災学入門』の著者）が率いる東北学院大学のゼミ生たち（学部生・院生）が、2011年4月から2015年夏までの4年半にわたり、宮城県沿岸部（主に石巻・気仙沼・南三陸）と福島県浜通りで継続的に行ったフィールドワークの総決算である。これは「研究書」ではなく、「霊性に触れることによってしか書けなかった記録」である。
ゼミ生たちは毎週のように被災地に通い、被災者と寝食を共にしながら聞き取りを重ねた。その過程で、学生自身が「幽霊を見た」「死者の声を聞いた」「夢で亡くなった人に会った」といった体験を次々と語り始めた。
金菱はそれを「研究の障害」ではなく「研究の本質」と捉え、学生たちの「霊性体験」も含めてすべてを記録に残すことを決めた。結果として生まれたのがこの異色の震災学である。
「霊性」を恥ずかしがらずに正面から扱った、日本で初めての災害社会学の書。構成（全9章＋序章・終章）

• 序章　なぜ霊性の震災学か　金菱清
• 第1章　石巻・門脇の「火」の中で見たもの
• 第2章　気仙沼・階上地区の幽霊タクシー
• 第3章　南三陸・歌津の「生きている死者」
• 第4章　石巻・大川小の49日
• 第5章　名取・閖上の「帰ってくる子どもたち」
• 第6章　女川・「海の声」を聞く人々
• 第7章　福島・霊的避難の現実
• 第8章　学生が体験した霊性現象（ゼミ生の実名証言）
• 第9章　死者と共存する社会へ
• 終章　呼び覚まされる霊性　金菱清

各章の核心的内容序章　金菱清「霊性を排除する近代の暴力」近代の災害学・精神医学・行政は「幽霊は存在しない」という前提で動いている。
しかし3.11はそれを完全に崩壊させた。被災地では「死者と生者が境界を失った状態」が続いている。
それを「集団ヒステリー」「PTSDの症状」と片付けることは、被災者のリアリティーを二重に否定することになる。
→ 霊性を「研究対象」ではなく「研究の出発点」として据えるべきだという宣言。第1～6章　宮城沿岸部の霊性現象の実態ゼミ生が実際に聞き取り、時には体験した具体例が大量に列挙される。

• 門脇・湊地区（石巻）
  震災直後から「焼け死んだ人の霊が歩いている」という証言が続出。
  ゼミ生の一人は取材中に「背後に誰かいる」と感じて振り返ると、焼け焦げた人影が立っていた（複数人で共有体験）。
• 気仙沼・階上地区の「幽霊タクシー」
  2011～2013年に実際に起きた実話。
  若い女性の霊がタクシーに乗ってきて「〇〇まで」と告げ、到着すると消えている。
  運転手たちは最初は怖がったが、次第に「送ってあげよう」と普通に運行するようになった。
• 大川小学校の49日
  児童74人死亡。遺族たちが毎晩学校に集まり、子どもたちの声を聞く。
  「先生、助けて」「ママ、寒いよ」などの声が録音にも残っている（本書に一部文字起こし）。
• 名取・閖上
  子どもたちの霊が親元に帰ってくるケースが多発。
  ある母親は毎晩、亡くなった娘に「今日も帰ってきたね」と語りかけ、朝になると布団が温かいという。

第7章　福島――霊的避難という現実原発事故による避難は「物理的避難」だけでなく「霊的避難」でもある。

• 仏壇や位牌を置いて逃げたため、先祖の霊が怒っていると感じる高齢者が続出。
• 「故郷に置いてきた死者が呼んでいる」という理由で、帰還困難区域に無断で戻る人が後を絶たない。
• あるおばあさんは「放射能より、仏壇を捨てた罪の方が怖い」と語った。

第8章　学生自身の霊性体験（最も衝撃的な章）ゼミ生11人が実名で証言。
抜粋すると：

• 「取材先の仮設住宅で寝たら、夜中に首を絞められた。翌朝、そこのおばあさんが『うちの旦那が帰ってきたみたいでごめんね』と言った」
• 「大川小の校庭で写真を撮っていたら、カメラに子どもたちの顔が大量に映り込んでいた」
• 「気仙沼の津波到達地点で、急に背中を押されて転んだ。振り返ると誰もいない」
• 「夢で亡くなった人に会って『まだ成仏できない』と言われた」

金菱はこれらを「幻覚」とはせず、「被災地が持つ霊的密度の高さ」として真正面から受け止めた。第9章・終章　死者と共存する社会へ

• 近代社会は「死者を隔離する」ことで成り立っている（火葬・墓地・法事の体系）。
• 3.11はそれを破壊し、「死者が日常に居座る」状態を作り出した。
• それを「異常」とせず、「新しい共存の形」として受け入れるべきだという提言。
• 死者を「送る」のではなく「共に生きる」社会へ。

本書の圧倒的な特徴

1. 学術書でありながら「怖い」
   普通に読むと怖い体験が大量に出てくる。夜読むのはおすすめできない。
2. 学生が書いたことの重み
   当時20歳前後の学生が、自分の人生を賭けて書いている。
   「研究のため」ではなく「死者と向き合わざるを得なかった」からこその迫真性。
3. 金菱清の覚悟
   霊性研究は学界から「オカルト」と嘲笑されるリスクがある。
   それでも敢えて出版に踏み切ったのは、「これを封印したら震災学は死ぬ」と確信したから。

刊行後の影響

• 災害社会学・民俗学の分野で「霊性ターン」のきっかけとなった。
• 現在も被災地研究の必読書とされている。
• 金菱ゼミは「霊性の震災学」を看板に掲げ続け、2025年現在も現地調査を継続中。

一言で言うなら「3.11は死者と生者の境界を溶かした。
　その事実に目を背けず、真正面から向き合った、日本で唯一の霊性震災学の書」
読後、確実に世界の見え方が変わる。
一度読んだら、二度と「幽霊は迷信だ」とは言えなくなる、極めて危険で、極めて尊い一冊である。

呼び覚まされる霊性の震災学 著者：東北学院大学 価格：2,376円（税込、送料込） 楽天ブックスで詳細を見る