『大人になるためのリベラルアーツ』 思考演習12題

『大人になるためのリベラルアーツ』  思考演習12題            

石井洋二郎／著    東京大学出版会    2016.2

「絶対に人を殺してはいけないか」「真理は一つか」など、簡単に答えの出ない問題と格闘し、異なる専門や価値観をもつ他者との対話をとおして真の「大人」になるための思考力を鍛える書。東京大学での授業を書籍化。

　Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

《大人になるためのリベラルアーツ　思考演習12題》
石井洋二郎／著　東京大学出版会　2016年2月刊東大教養学部で実際に行われている「思考演習」（通称：思演）の授業を、ほぼそのまま一冊の本にした異色の書物。
著者の石井洋二郎氏は東大教養学部で20年以上にわたり「自分で考える力」を叩き込んできた教授で、毎年300人以上の東大生が泣きながら受けに来る伝説の授業を、一般読者向けに完全再現したものである。本書のコンセプトは極めてシンプルかつ過激： 「正解がない問いを12個用意した。
　答えは書いていない。
　考えるためのヒントと、考え続けるための痛みだけを提供する。」つまり、これは「読んで終わり」の本ではなく、読むたびに頭が痛くなる「思考の筋トレ器具」である。本の構成（12の思考演習）各章が完全に独立しており、どれから読んでもいいようになっている。
1章につき約20～30ページで、以下の流れで進む：

1. 極端に難しい問いを突きつける
2. 誰もが最初に思いつく「甘い答え」を徹底的に論破する
3. さらに深い問いを投げかける
4. 最後は答えを出さず、読者に丸投げして終わる

12の問い（すべて実在の授業で使われたもの）

1. 正義とは何か──本当に「悪」は罰せられるべきか？
   （アウシュビッツの看守は全員悪人か？　命令に従っただけの兵士はどうか？）
2. 愛とは何か──あなたは自分の子どもを確実に助けるために、見知らぬ10人の子どもを殺せるか？
3. 民主主義は正しいのか──バカが多数派だったらどうする？
4. 死刑制度は是か非か──でもあなたが誤判で死刑になる可能性が0.1％あるとしたら？
5. 人工知能に「殺す権利」を与えていいのか？
   （自動運転車が事故のとき、誰を優先して殺すべきか？）
6. 表現の自由に限界はあるのか──ホロコーストはなかったと言ってもいいのか？
7. 動物は殺していいのか──あなたは一生ベジタリアンになれるか？
8. 金で命は買えるのか──臓器売買は本当に悪か？
9. 運と努力、どっちが大事か──東大に入れたのは運か実力か？
10. 大学って何のためにあるのか──東大を出ても半分以上は凡人になるのに？
11. 幸福とは何か──あなたは「幸福になれる薬」を一生飲み続けるか？（副作用：感情がすべて消える）
12. あなたはなぜ生きているのか──死ぬ理由が見つからないから生きているだけではないか？

特徴的な論法（例：第2章「愛とは何か」より）有名な「トロッコ問題」の変形版を提示： 「津波が来て、あなたとあなたの赤ちゃん、そして見知らぬ5人の子どもが逃げ遅れている。
　あなた一人なら高台に逃げ切れる。
　赤ちゃんを抱いたら5人の子どもは助からない。
　5人の子どもを助けたら、あなたの赤ちゃんは死ぬ。
　あなたはどうする？」→ ほとんどの人は「自分の子を助ける」と答える
→ 著者は即座に追及する
「では、あなたの子ども1人と、見知らぬ100人の子どもだったら？」
「1000人だったら？」
「1万人だったら？」
「どこかで数字で子どもの命を切り捨てられるなら、最初から『愛』じゃなくて『計算』じゃないか？」このように読者の「当たり前」を容赦なく破壊していくのが全編のスタイル。読者の反応（刊行当時の実情）

• 東大生の間では「思演の教科書がついに一般公開された」と戦慄が走った
• Amazonレビューは極端に二極化
  「人生で一番頭が痛くなった本。3ページでギブアップした」
  「10回読んだ。毎回違う結論に至る。これが本物の思考だ」
• 発売1年で8刷（東大出版会としては異例の売れ行き）
• 一橋・慶應・早稲田の教授がこぞって授業の教材に採用

著者のまえがき・あとがきに書かれた衝撃の言葉「東大生ですら、この12問のうち1問でも最後まで考え抜ける学生は1％もいない。
　だからこそ、あなたが最後まで考え抜いた瞬間、それが『大人になる瞬間』なのだと私は思う。」「答えは書いていない。
　なぜなら、正解は一生見つからないからだ。
　それでも考え続けること。それがリベラルアーツの全てである。」この本は「読む」ものではなく、「闘う」ものである。
12の問いと格闘して、半分でも最後まで考え抜けたら、あなたはもう「思考する大人」として一人前だと認められる。
逆に、全部簡単に答えが出せたとしたら、それはあなたがまだ子どもだという証拠である。
2016年以降、日本の知性派が必ず一度は読んでいる、現代の「思考の試練の書」と言える一冊である。

　

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