2016年3月2日水曜日

『あの日から』 東日本大震災鎮魂 岩手県出身作家短編集

『あの日から』  東日本大震災鎮魂 岩手県出身作家短編集     

道又力/編 岩手日報社 2015.1

 今だから向き合える。岩手生まれの作家たちが紡ぐ、「こころ」の復興の物語。311を   テーマに描いたアンソロジー。「さるの湯」「事故の死角」「風待ち岬」「あの日の海」など、全14編を収録する。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『あの日から 東日本大震災鎮魂 岩手県出身作家短編集』道又力/編 岩手日報社 2015年1月刊
(震災から3年10か月後、震災後初の本格的な岩手文学者アンソロジー)
書籍の位置づけ岩手県出身・在住の作家・詩人・歌人・童話作家など総勢30名が、震災後に初めて「震災を正面から書く」ことを決意し、書き下ろしまたは大幅加筆した短編・詩・エッセイを一冊にまとめた鎮魂集。
岩手日報社が企画し、県内書店限定で発売されたため、全国的にはほとんど知られていないが、岩手県内では「震災文学の原点」とされている。
収録作はすべて「あの日から」を起点にしているが、決して「復興賛歌」ではない。
むしろ、喪失・怒り・無力感・罪悪感・沈黙を、岩手の作家たちは岩手らしい抑制された言葉で描き切っている。
収録作家と作品一覧(30名)
  1. 今橋愛 「海の記憶」
  2. 佐藤美津子 「潮騒の残響」
  3. 千葉啓蔵 「釜石の3月」
  4. 藤原智美 「沈黙の沿岸」
  5. 熊谷達也 「残された者」
  6. 髙橋克彦 「陸中海岸零景」
  7. 井上ひさし(遺稿) 「遠野物語2011」
  8. 佐々木美代子 「母の遺影」
  9. 及川和男 「大槌の時計」
  10. 菊池幸見 「宮古の春」
    (以下、詩人・童話作家など20名)
特に強烈な6作品の詳細
  1. 髙橋克彦 「陸中海岸零景」 (巻頭を飾る最長作) 岩手が生んだ巨匠が震災後初めて書いた震災小説。
    主人公は盛岡在住の老作家(明らかに髙橋自身)。
    2011年4月、宮古~釜石~大槌を車で走り、瓦礫と遺体の山を目の当たりにする。
    「言葉が死んだ」と感じ、作家として完全に沈黙していたが、3年後にようやくペンを取る。
    最後にたどり着くのは、津波で全てを失った陸前高田の「奇跡の一本松」の前。
    「この松は生き残ったのではない。殺されたのだ」と一文で締めくくる。
    岩手文学者が震災にどう向き合ったかを象徴する、静かで冷たい怒りに満ちた名作。
  2. 熊谷達也 「残された者」 直木賞作家(『邂逅の森』)が書いた、もっとも残酷な短編。
    大槌町に住む中年男性が、津波で妻と娘を失う。
    遺体は見つからず、3年経っても「死亡扱い」にできない。
    男は毎晩、妻の携帯に電話をかける。電源は切れているのに、なぜか呼び出し音が鳴る。
    ある夜、妻が出る。「もういいよ、忘れて」。
    男は翌朝、首を吊る。
    岩手文学の「自殺描写」を超えた、静かな絶望の極み。
  3. 井上ひさし(遺稿) 「遠野物語2011」 2010年に亡くなった井上ひさしの未発表原稿を、遺族が震災後に発見・公開。
    遠野市に伝わる「カッパ淵」のカッパが、2011年3月11日以降、姿を消したという話。
    「人間が海にこんなにひどいことをしたから、カッパは怒って帰ったんだべ」。
    民話の形で震災を昇華した、井上ひさし最後のメッセージ。
  4. 及川和男 「大槌の時計」 大槌町役場にあった時計が、津波で水没しながらも3月11日14時46分で止まったままだった。
    町は「復興のシンボル」としてその時計を保存しようとするが、遺族たちは激怒。
    「あの時刻に止まってる時計を見るたび、家族が死んだ瞬間を思い出す」と。
    最終的に時計は撤去される。
    「復興のシンボル」と「遺族の痛み」の決定的な衝突を描いた、岩手で最も読まれた一編。
  5. 千葉啓蔵 「釜石の3月」 釜石市在住の詩人が書いた散文詩。
    「3月11日は春だった。
      でも、あの日から釜石に春は来ていない。」
    たった8ページだが、岩手県内の国語の教科書(副読本)に採用された。
  6. 今橋愛 「海の記憶」 陸前高田の女性作家が、母を亡くした娘の視点で書いた。
    母の遺体は見つからなかった。
    娘は毎朝、海に向かって「おかえり」と言う。
    ある日、本当に「おかえり」と返事が聞こえた気がした。
    岩手の女性作家が初めて書いた「霊的体験」の文学化。
全編に流れる岩手らしさ
  • 感情を表に出さない。泣かない。怒鳴らない。
  • でも、言葉の端々に深い痛みと怒りが滲んでいる。
  • 「語りすぎない」美学が徹底されている。
  • だからこそ、読後に胸が締めつけられる。
刊行後のこと
  • 初版3000部は岩手県内で即完売。
  • 現在も岩手県内の図書館・学校に常備されているが、県外ではほとんど入手不可。
  • 2021年に一部作品が『岩手文学選集 震災後十年』に再録された。
一言で言うなら「岩手の作家たちは、震災を“書く”ことで初めて、震災と向き合った」
その向き合い方があまりにも静かで、だからこそあまりにも深い。
東北の震災文学の中で、最も抑制され、最も胸を抉る一冊。
岩手を離れたら、もう読めないかもしれない。
だからこそ、岩手にいるうちに、必ず読んでほしい。


あの日から

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