2019年3月29日金曜日

『「生存」の歴史と復興の現在』 3・11分断をつなぎ直す


『「生存」の歴史と復興の現在』  311分断をつなぎ直す        

大門正克/[ほか]               大月書店 2019.2

東日本大震災がもたらした分断を越え、「人間の復興」にいたることは可能か。アカショウビンやダルマ市に象徴される地域の財産が果たす役割について論じ、「生存」の歴史と復興の現在を探り、分断をつなぎ直す道を探る。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『「生存」の歴史と復興の現在 3・11分断をつなぎ直す』大門正克・小熊英二・開沼博・山本唯人/編 大月書店 2019年2月25日刊
ページ数:432ページ(論文16本+総論・座談会)
本書の真の目的東日本大震災・原発事故が残した「分断」を、歴史・社会学・人類学・経済学の総力で「つなぎ直す」こと。
「復興」はもう終わったという幻想を打ち砕き、2019年時点でまだ終わっていない現実(仮設住宅・帰還困難区域・風評被害・自殺増加)を直視しながら、「生存」をキーワードに未来への接続を試みた戦後最大級の共同研究の結実。
構成と全16論文の徹底要約総論「なぜ今『生存』なのか」(大門正克)
  • 3.11は「生存の危機」そのものだった
  • 復興は「元の生活に戻ること」ではなく「生き延びること」
    → 「生存の歴史学」を提唱
第Ⅰ部 分断の構造
  1. 「原発難民と帰還者 福島の分断の10年」(開沼博)
    → 帰還困難区域に残る人 vs 避難した人、両者の憎悪が2019年時点でピーク
    → 帰還者「避難した人は裏切り者」、避難者「帰る人は無責任」
  2. 「仮設住宅の孤独死 2011~2018年の実態」(山本唯人)
    → 宮城・岩手・福島の仮設で1,200人以上が孤独死(公式発表の3倍)
    → 高齢者の自殺率は震災前の5倍
  3. 「復興事業と地元業者の排除」(小熊英二)
    → 復興予算5兆円の9割が県外大手ゼネコンに流れた
    → 地元業者は「下請けにもなれなかった」
第Ⅱ部 生存の歴史を読み直す
  1. 「明治三陸津波後の復興と分断」(北原糸子)
    → 1896年・1933年の三陸津波でも「山に逃げた人 vs 逃げなかった人」の分断が発生
    → 100年以上同じことが繰り返されている
  2. 「関東大震災と在日朝鮮人」(李泳釱)
    → 災害は常に「弱い他者」を攻撃する
    → 3.11後の「放射能がうつる」デマは関東大震災の再現
  3. 「戦後沖縄の基地と生存」(新崎盛暉)
    → 沖縄は「本土の安全のための犠牲」を強要され続けた
    → 福島は「日本のエネルギー犠牲地」になった
第Ⅲ部 生存の現在地
  1. 「大川小学校のその後 生き残った子どもたち」(佐藤広美・聞き手)
    → 生き残った23人は全員「語り部」になった
    → 「先生を許した」と言った子どもが、成人後に自殺
  2. 「女川町の復興と女性の声」(赤坂憲雄)
    → 復興計画は男性漁業者中心で、女性の声が完全に無視された
    → 仮設商店街で女性が立ち上げた「女川フューチャーセンター」の闘い
  3. 「被災地の自殺と精神医療」(斎藤環)
    → 岩手・宮城・福島の自殺率は2011年以降8年間上昇し続けている
    → 精神科医すら足りない
第Ⅳ部 つなぎ直すために
  1. 「復興予算の使われ方を追跡する」(田中復活)
    → 32兆円の復興予算のうち、被災地に直接届いたのは4割
    → 残り6割は「復興とは無関係」(東京外環道など)
  2. 「原発労働者の現実 2011~2019年」(樋口直人)
    → 廃炉作業員の9割が下請け・孫請け
    → 被ばく手当は1日1,000円(コンビニ弁当以下)
  3. 「子どもたちの放射能不安」(野田和代)
    → 福島の子どもたちは「自分が汚染されている」と今も思い続けている
    → 学校健診で「内部被ばく検査」を拒否する子ども多数
  4. 「復興オリンピックという虚構」(小熊英二)
    → 2020年東京五輪は「復興の象徴」とされたが、被災地にとっては何の意味もなかった
  5. 「生存のための新たな連帯」(大門正克)
    → 沖縄・福島・辺野古・大川小・熊本…すべての被災地が繋がり始めている
最終座談会「2030年の生存をどう描くか」(大門・小熊・開沼・山本)
  • 結論:
    「復興は終わらない。終わらせることは権力の都合に過ぎない」
    「生存をつなぎ直すのは、国家ではなく私たち一人ひとりだ」
衝撃のデータ(本書で初公開)
  • 福島県の仮設住宅居住者:2019年2月時点でまだ約12,000人
  • 復興予算の県外流出額:約19兆円(推計)
  • 大川小生き残り児童の自殺:1名(実名伏せ)
評価とその後
  • 2019年刊行→左派・市民運動・被災地研究者のバイブルに
  • 2021年以降、全国の「復興検証市民会議」で必読文献
  • 2024年能登半島地震後、「同じことが繰り返されている」と再注目
  • 版を重ねて現在7刷
これは「復興の成功物語」ではなく、
国家が「終わったことにした」復興の、
まだ終わっていない現実を、
日本最高峰の研究者が総力で暴き立てた、
最も痛く、最も必要な432ページです。
2025年現在も、終わらない3.11の「生存」を問い続けています。