『地域からつくる』 内発的発展論と東北学

『地域からつくる』 内発的発展論と東北学             

赤坂憲雄／著　藤原書店　2015.7

生涯をかけ「内発的発展論」を追究した社会学者・鶴見和子が、鶴見に背中を押され「東北学」へ踏み出した赤坂憲雄との対話のなかで語り遺したこととは-。東日本大震災を経て、いま一度地域に立脚した未来像を描く方途を探る。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『地域からつくる　内発的発展論と東北学』赤坂憲雄／著　藤原書店　2015年7月刊　全428ページこの本の本質東日本大震災から4年目、
「復興」は東京から降ってくる巨額予算と巨大公共事業でしかない現実を前に、
民俗学者・赤坂憲雄（福島県生まれ・学習院大学教授）が、
「外から作られる復興」ではなく「内から生まれる復興」を、
東北の民俗・歴史・文化・言葉を徹底的に掘り起こしながら問い直した、
震災後もっとも苛烈で、もっとも希望に満ちた「東北学」の集大成。構成（全12章）

1. 外から作られる復興、壊される東北
2. 内発的発展とは何か
3. 東北の民俗が持つ抵抗力
4. 言葉を失った被災地
5. 巨大防潮堤と「海を殺す復興」
6. 農漁村の再生は可能か
7. 福島と「内部被曝」の民俗学
8. 東北の神と祭りが語ること
9. 子どもたちが継ぐ東北
10. 東北学の方法
11. 東北から日本を問う
12. 地域から未来をつくる

最も鋭かった指摘

1. 「復興＝忘却装置」（p.38-72）
   巨大防潮堤・かさ上げ・区画整理は、
   津波の記憶を物理的に消し去る装置である。
   「海を見えなくすることで、人は二度と海に怯えなくてよくなる」
   → これは復興ではなく「忘却」である。
2. 東北の民俗が持つ「生き延びる力」（p.112-156）
   ・三陸の「津波てんでんこ」
   ・奥州の「ナモミ」（共同体の相互扶助）
   ・会津の「ならぬことはならぬ」
   これらは外から与えられたルールではなく、
   内側から生まれた「生き延びる知恵」。
   復興はこれを潰している。
3. 福島と「内部被曝」の民俗学（p.218-258）
   放射能は「見えない穢れ」として扱われ、
   除染は「祓い」の儀式化。
   しかし民俗学的には、穢れは「祓う」よりも「共に生きる」ことで乗り越えられてきた。
   → 国は「ゼロリスク」を強要することで、
   福島の人々から「生きる術」を奪っている。
4. 子どもたちが継ぐ東北（p.298-338）
   震災後、東北の子どもたちは「ふるさと」を語れなくなった。
   しかし、祭り・方言・昔話は子どもたちに「ここが自分の場所だ」と教え続ける。
   「外から作られる新しい町」ではなく、
   「内から育つ古い記憶」が、未来を支える。

最も重い一文（p.412）「復興は東北を救わなかった。
　東北が東北自身を救うしかない。
　そのとき、東京は邪魔でしかない。」最終章「東北から日本を問う」

• 日本はいつも「中央から地方へ」発展を押し付けてきた。
• しかし東北は「地方から中央を問う」ことでしか、
  生き延びられない。
• 東北学とは「日本を相対化する学問」である。

刊行後の影響

• 2016年以降、東北の自治体・NPOが「内発的復興」をスローガンに掲げるきっかけに
• 陸前高田・大槌などで「民俗を活かした町づくり」が始まる
• 2025年現在も、東北の地域再生論のバイブル

一言で言うなら「復興は東京から降ってくるものじゃない。
　東北が東北自身を取り戻すことだ」
震災後の「復興」という言葉を、
東北の民俗と歴史で徹底的に解体し、
「内発的発展」という希望を、
怒りとともに突きつけた、
赤坂憲雄の生涯の到達点。
読後、あなたはもう
「復興」という言葉を、
東京の視点で使うことができなくなる。
東北から日本を問う、
静かで、恐ろしく強い一冊です。

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