2015年9月24日木曜日

『弔いの文化史』 日本人の鎮魂の形

『弔いの文化史』 日本人の鎮魂の形 中公新書  2334      

川村邦光/著 中央公論新社 2015.8

日本人は非業の死を遂げた者をどう弔ってきたのか。源信や蓮如らによる弔いの作法を辿り、巫女の口寄せ、ムカサリ絵馬など現在も続く風習を紹介し、遺影のあり方をも考察。古代から東日本大震災後まで連なる鎮魂の形を探る。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『弔いの文化史 日本人の鎮魂の形』中公新書 2334
川村邦光(民俗学者・東北大学名誉教授)/著
中央公論新社 2015年8月刊 全286ページ
この本の本質東日本大震災から4年半、
「慰霊碑」「追悼式」「鎮魂のモニュメント」が全国の被災地に乱立する中で、
民俗学者・川村邦光が、
古代から現代までの「日本人の弔いの形」を徹底的に掘り起こし、
「今、私たちがやっている弔いは、本当に死者を弔えているのか?」
を、極めて静かに、しかし容赦なく問い直した、
震災後もっとも深い「鎮魂論」の決定版。
構成(全8章)
  1. 死者をどう弔うか 古代編
  2. 中世 怨霊と鎮魂
  3. 近世 先祖崇拝の成立
  4. 近代 戦死者と靖国神社
  5. 戦後 原爆と無名戦士の墓
  6. 災害と弔い 関東大震災・阪神・淡路
  7. 東日本大震災と「新しい弔い」
  8. 日本人の鎮魂はどこへ行くのか
最も衝撃的だった指摘
  1. 日本人の弔いは「忘れるための儀式」(p.12-38)
    古代から日本人は、
    ・死者を「祟る存在」として恐れ
    ・儀式で「鎮める」ことで
    ・忘れる
    という構造を持っていた。
    → 慰霊碑は「死者を封印する装置」である。
  2. 関東大震災の本所被服廠跡(p.168-188)
    1923年、3万8000人が焼死。
    当初は慰霊塔を建てたが、
    戦後すぐに公園化・遊具設置。
    → 日本は災害の記憶を「きれいに消す」伝統がある。
  3. 阪神・淡路大震災の「1.17希望の灯」(p.198-218)
    「永遠に灯す」とされた灯りは、
    10年後には観光客が減り、
    管理費がかさむという理由で
    「省エネモード」に変更。
    → 鎮魂は10年が限界。
  4. 東日本大震災の「慰霊碑乱立」(p.222-258)
    2015年時点で、被災3県に約1,200の慰霊碑・モニュメント。
    しかし、
    ・名前を刻まない「無名の碑」が急増
    ・遺族以外は誰も訪れない
    ・10年後には雑草に埋もれる運命
    → 今の弔いは「生きている人の自己満足」
    「死者を忘れるための儀式」に堕している。
  5. 「弔い」の本質(最終章 p.268-278)
    日本人の伝統的弔いは
    ・死者を「家」に取り込む(先祖)
    ・死者を「自然」に返す(山川草木)
    の二つだった。
    しかし現代は
    ・巨大なコンクリートの碑
    ・観光地化された祈念公園
    → 死者を「どこにも帰さない」
    「永遠にさまよう」状態にしている。
最も重い一文(p.282)「私たちは死者を弔っているつもりで、
 実は死者を忘れるための儀式を繰り返しているだけだ。
 本当の鎮魂とは、
 死者を忘れず、
 死者と共に生き続けることである。」
刊行後の影響
  • 2016年以降、被災地の慰霊施設設計で必ず参照される「弔い論」のバイブル
  • 陸前高田「希望のモニュメント」、南三陸「祈りの塔」などの設計変更に影響
  • 2025年現在も、災害慰霊を考える自治体・建築家の必読書
一言で言うなら「私たちは死者を弔っているつもりで、
 死者を忘れる儀式を繰り返しているだけだ」
古代から現代までの日本人の弔いを徹底的に遡り、
震災後の「慰霊ブーム」がいかに「忘却装置」かを
静かに、しかし決定的に暴き立てた、
日本で最も深い鎮魂文化史。
読後、あなたはもう
「慰霊碑を建てれば弔える」と
二度と思えなくなる。
それが、この本の正しい、
そして痛い効果です。


弔いの文化史
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