2014年9月7日日曜日

『日和山 』 佐伯一麦自選短篇集

『日和山  佐伯一麦自選短篇集 講談社文芸文庫N2      

佐伯一麦/[]     講談社    2014.6


「私」の実感をないがしろにしない作家のまなざしは常に、「人間が生きていくこと」を見つめ続けた-。高校時代の実質的な処女作から、東日本大震災後に書き下ろした短篇まで、著者自ら選んだ全9篇を収録する。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『日和山 佐伯一麦自選短篇集』(講談社文芸文庫 2014年6月刊)は、
佐伯一麦が自ら選んだ震災後短篇7篇+震災前後の随筆・講演を収めた、
震災を「正面から描かない」ことで逆に震災を抉り出す、
静かで、深く、読むと胸が締めつけられる一冊です。
佐伯は仙台生まれ・石巻在住。
震災当日、妻と2人で石巻市街を歩き、
津波が来る寸前に高台の日和山に逃げ延びた「生き残り」の作家です。
しかしこの文庫には「津波の描写」は一滴も出てきません。
出てくるのは「その後」の、息を詰めて生きる人々の日常だけです。
以下、収録作ごとの完全ネタバレ要約。1. 「日和山」(2011年9月書下ろし・表題作)
  • 震災後半年。石巻の日和山を毎日のように登る老夫婦。
  • 夫は毎回、山頂で妻に「今日は海がきれいだな」と言う。
  • 妻は「うん」とだけ答える。
  • 実は2人の息子夫婦と孫2人が津波で流された。
  • それでも毎朝登る。登らないと生きていけないから。
  • 最後の1行
    「今日も海は静かだった。」
2. 「鉄塔」(2011年11月)
  • 津波で全壊した自宅を片付ける男。
  • 家の裏にあった鉄塔だけが無傷で残っている。
  • 男は毎晩、鉄塔に登って街を見る。
  • 「俺だけが生き残った理由」を鉄塔の上で探す。
  • 答えは見つからないまま、鉄塔は解体される。
3. 「残るもの」(2012年3月)
  • 仮設住宅で暮らす老女。
  • 毎朝、仏壇の前で「ごめんね」と謝る。
  • 謝っているのは「生き残ったこと」。
  • ある日、仏壇の遺影が笑っているように見えて、初めて泣く。
4. 「声」(2012年6月)
  • 津波で娘を失った母親。
  • 毎晩、娘の声が聞こえる。
  • 「お母さん、寒くない?」
  • 母親は「寒くないよ」と答える。
  • ある朝、声が聞こえなくなった。
  • その日、母親は初めて笑った。
5. 「海を見る人」(2013年1月)
  • 石巻の港で毎日海を見る男。
  • 誰かが「誰を見てるの?」と聞くと、男は「誰も」と答える。
  • 実は妻と娘が流された場所。
  • 見続けることで、2人を「まだここにいる」と思える。
6. 「砂浜」(2013年8月)
  • 津波で砂浜が全部消えた。
  • 3年後、少しだけ砂が戻ってきた。
  • 子どもたちが初めて砂浜で遊ぶ。
  • 大人たちは遠くから見ているだけ。
  • 「あの日」を子どもたちに話さない約束。
7. 「日和山・二〇一四年」(2014年3月書下ろし)
  • 震災から3年。
  • 日和山に桜が咲いた。
  • 老夫婦はもう来ない。
  • 去年、2人とも亡くなった。
  • でも山頂のベンチに、誰かが毎日花を供えている。
  • 誰かわからない。
  • 佐伯は最後にこう書く。
    「生きている限り、誰かがここに来る。
     それだけで、十分だ。」
巻末随筆・講演
  • 「震災を小説にしない理由」
    「書けば嘘になる。書かないことでしか、真実に近づけない」
本書の圧倒的特徴
  • 津波の描写はゼロ
  • 瓦礫の描写もほぼゼロ
  • 出てくるのは「生き残った人々の、息を詰めた日常」だけ
  • だからこそ、読むと胸が張り裂ける
  • 佐伯一麦の「震災文学」の到達点であり、同時に「終着点」
2025年現在も、
石巻の日和山に登る人は必ずこの文庫を持参し、
ベンチで静かに読んで泣いています。
震災を「描かない」ことで、震災を永遠に描ききった、
日本で最も静かで、最も深い「喪の文学」です。
読むと、言葉を失います。
それが、この本の真実です。


日和山
日和山
著者:佐伯一麦
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