『脱原発の比較政治学 』
本田宏/編著 法政大学出版局2014.5
チェルノブイリや福島の事故をうけて、世界各国はどのような選択をしているのか? 日本をはじめ、ドイツ、スウェーデン、イタリア、フランス、インドなどを取り上げ、デモクラシーの観点から原発について考える。
Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問したところ以下のような回答が返ってきました。
『脱原発の比較政治学』(本田宏・堀江孝司編著、法政大学出版局、2014年4月22日刊、A5判並製、282ページ、ISBN978-4-588-62526-8)は、福島第一原発事故(2011年)を契機に、原子力政策を「民主主義への挑戦」として位置づけ、政治学の視点から徹底的に分析した比較政治学の論集です。 編著者の本田宏(北海学園大学教授、当時。政治過程論・社会運動論専門、ドイツ・日本反原発運動の第一人者)と堀江孝司(首都大学東京准教授、当時。政治学・福祉国家論)が中心となり、専門家11名が執筆。チェルノブイリ事故や福島事故後の世界各国の選択を比較し、特に日本が「地方議会で多数の脱原発意見書が可決される一方、政府は再稼働・輸出を進める」という矛盾を、政治構造・世論・国際体制などの多角的レンズで解明します。最終的に「私たちが今すべきこと」を問いかけます。 本書は単なる政策提言ではなく、比較政治学の方法論を駆使した実証的研究です。序章で枠組みを示し、第Ⅰ部で日本を多角的に「見る視点」を提示、第Ⅱ部で諸外国の具体的事例を並べ、民主主義のあり方(代表制・熟議・参加)とエネルギー政策の連動を明らかにします。ページ数は約275-282ページ(版により微差)とコンパクトながら、内容は極めて密度が高く、福島事故直後の2014年というタイミングで刊行された意義は大きいです。 全体構造と目次(詳細)
- 序章 比較政治学の視角(本田 宏)
本書の方法論的基盤。福島事故を民主主義の危機として捉え、比較政治学の視点(制度・行為者・過程・国際要因など)から脱原発の可能性を問う枠組みを提示。 - 第Ⅰ部 日本の事例を見る視点(日本国内の脱原発阻害要因を多角的に分析)
- 第1章 リスク社会(小川 有美)
ウルリヒ・ベックの「リスク社会」論を援用し、原子力リスクが日本社会でどのように認知・管理(または無視)されているかを検討。専門家依存や不確実性の政治的扱いを批判的に論じる。 - 第2章 国際体制(鈴木 真奈美)
原子力の「平和利用」を推進する国際体制(米国の核不拡散政策、日米原子力協定の歴史的形成過程)を詳述。米国が濃縮ウラン輸入国に転じた現在も、日本が体制に組み込まれている構造を明らかに。必読章の一つで、原子力政策の「外圧・国際的制約」を具体的に描く。 - 第3章 核燃料サイクル(秋元 健治)
日本の再処理政策(六ヶ所村など)の経済・政治的背景を批判的に分析。電力業界によるウラン民有化要請が1968年の日米原子力協定改定につながった経緯など、国内利益誘導のメカニズムを明らかに。核燃料サイクルが「技術的・経済的に破綻」している実態を指摘する重要章。 - 第4章 政治の構造(本田 宏)
日本特有の政治構造(自民党・官僚・電力業界の鉄の三角形、利益誘導政治など)が脱原発を阻む理由を、編者本田の専門(政治過程論)から実証的に解明。 - 第5章 世論(堀江 孝司)
福島事故後の世論調査データを基に、脱原発支持の高まりと政策への反映の乖離を分析。世論が政治過程に与える限界を明らかに。 - 第6章 熟議民主主義(尾内 隆之)
代表制民主主義の限界を超える「熟議民主主義」(議論を通じた合意形成)の可能性を、日本の実情に照らして検討。科学技術政策決定への市民参加のあり方を問う。
- 第1章 リスク社会(小川 有美)
- 第Ⅱ部 世界の動き(諸外国の脱原発/原子力政策の政治過程を事例研究)
- 第7章 対立と対話──ドイツ(本田 宏)
ドイツの反原発運動史と「対立から対話」への移行を、編者の専門知見で描く。福島後の一斉脱原発決定の政治的背景。 - 第8章 連立と競争──ドイツ(小野 一)
赤緑連立政権など政党間の連立・競争ダイナミクスが脱原発政策をどう形作ったかを分析(小野のドイツ政党政治研究に基づく)。 - 第9章 政党主導──スウェーデン(渡辺 博明)
福祉国家スウェーデンで政党が主導した原子力政策の変遷。 - 第10章 国民投票──イタリア(高橋 進)
イタリアの国民投票による原発凍結・廃止の事例を、西洋政治史の視点から詳述。 - 第11章 翼賛体制──フランス(畑山 敏夫)
フランスの強固な原子力推進体制を「翼賛体制」(国家・企業・政党の総動員的合意構造)と批判的に分析。中央集権的コンセンサスの強さを明らかに。 - 第12章 開発と抵抗──インド(竹内 幸史)
開発優先のインドで、米印原子力協定を契機とした原発拡大と現地抵抗運動を考察。世界各国が「雪崩現象」を起こしてインドに追随する動き(日本を含む)を指摘し、本書で特に必読と評価される章。開発途上国における原子力の「政治経済的役割」を浮き彫りに。
- 第7章 対立と対話──ドイツ(本田 宏)
- あとがき
全体を総括し、日本が他国の教訓から何を学べるかを示唆。