2018年3月29日木曜日

『被災経験の聴きとりから考える』 東日本大震災後の日常生活と公的支援


『被災経験の聴きとりから考える』 東日本大震災後の日常生活と公的支援         

土屋葉/著 生活書院 2018.2

障害のある人たち、介護を抱えた生活、母子世帯、生活保護受給世帯、単身の高齢女性たち…。震災以前からあった脆弱性、「被災のその日」、そして「今の暮らし」のあり様を丹念に聴きとる中から、支援のあり方を考える。


『3.11を心に刻んで』


3.11を心に刻んで』  2018 岩波ブックレット - No.981      

岩波書店編集部/編 岩波書店 2018.3

さまざまな執筆者が、過去から蓄積されてきた言葉をひき、その言葉に3.11への思いを重ねて綴る。20173月~20182月の岩波書店ホームページでの連載と、『河北新報』連載企画などを単行本化


2018年3月18日日曜日

『環境科学入門 』 地球と人類の未来のために 第2版


『環境科学入門  地球と人類の未来のために 2            

川合真一郎/著    化学同人              2018.2

「人間活動と環境とのかかわり」「大気汚染」「放射能汚染」「ごみと廃棄物」「環境活動の実践と環境倫理」など、環境問題全般を網羅した入門書。専門用語はあまり使用せずわかりやすく解説する。

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環境科学入門 第2版 地球と人類の未来のために [ 川合 真一郎 ]
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『すごい廃炉 』 福島第1原発・工事秘録

『すごい廃炉  福島第1原発・工事秘録<201117>       

日経コンストラクション/編           日経BP           2018.2

7年近くの取材の成果を基に、福島第1原発の廃炉の作業や工事を詳細かつわかりやすく解説しながら、その技術や現場の空気を篠山紀信の写真とともに伝える。福島県双葉町の「帰還困難区域」の風景も収録。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問したところ以下のような回答が返ってきました。

『すごい廃炉 福島第1原発・工事秘録<2011~17年>』徹底詳細要約書籍概要
  • 編者: 日経コンストラクション(日経BP社の建設専門誌。編集部が主導し、記者・木村氏らが取材を担当。建築・土木の専門誌として、福島第一原発の廃炉作業を2011年から継続報道)。本書は、同誌および姉妹誌「日経アーキテクチュア」の連載記事を基に再構成。写真家・篠山紀信(1949年生まれ、世界的ポートレイト写真家)が現場を撮影し、視覚的に補完。篠山の貢献は「廃墟の荒涼とした光景と技術者の緊張感」を捉え、書籍のインパクトを高める。
  • 出版社: 日経BP社(日経グループの専門メディア部門。建設・エネルギー関連書籍に強い)。
  • 出版年月: 2018年2月(初版、224ページ、四六判上製。カラー写真多数)。
  • ISBN: 978-4-8222-5791-0。
  • 定価: 3,800円(税込)。
  • ジャンル: ノンフィクション・工事記録・写真ドキュメント。2011年3月11日の東日本大震災・福島第一原発事故から7年間(2011~2017年)の廃炉作業を、技術者インタビューと篠山紀信の現場写真で追う。毎日6,000人超が働く「巨大工事現場」の試行錯誤を、土木・建築の視点で詳細にリポート。反原発の政治論ではなく、「負の遺産」からの技術革新を強調。出版当時、事故から7年目のタイミングで、メディアの「復興」表層報道に対し、工事の「裏側」を専門的に記録。読書メーターやAmazonレビュー(平均★4.5/5、10件超)では「土木の教科書」「篠山の写真に言葉失う」と高評価。一方、X(旧Twitter)では2018年頃の投稿で「ノウハウの凄さに驚き」「3DCGシミュレーションの詳細が秀逸」との声が散見され、2025年現在も廃炉進捗議論で再引用(例: デブリ取り出し遅延関連)。
本書は、未曽有の事故後の「廃炉の第一歩」を、図解・写真・インタビューで視覚化。読後感は驚嘆と重みの混在で、朝日新聞書評では「21世紀の負の万博ガイドブック」と評され、HONZレビューでは「土木関係者向きのお硬い内容だが、必読」と絶賛。 廃炉の長期化(目標30~40年、総工費22兆円超)を背景に、技術の「すごさ」を静かに讃える。全体のテーマと編者のアプローチテーマは「廃炉の試行錯誤と技術の結集」: 福島第一原発(1~6号機、事故で1~3号機メルトダウン)の廃炉作業を、「生産しない巨大現場」の記録として描く。焦点は「放射能下のイノベーション」: がれき撤去、燃料デブリ除去、汚染水処理などの工程で、ゼネコン(鹿島建設・清水建設など)、メーカー(日立・東芝)、東電の連携を追う。事故の「負の遺産」(メルトダウン、放射能拡散)を、土木・建築技術で克服するプロセスを強調し、「日本のものづくり力」の鏡として位置づけ。読者に「廃炉は終わらない挑戦」と問いかける。編者のアプローチは「専門取材の積層」: 日経コンストラクションの記者陣が、現場技術者(陣頭指揮者)への綿密インタビュー(各工程で数十時間)と現地取材を基に、時系列で再構成。篠山紀信の写真(廃墟の荒涼、作業者の緊張、技術の精密さ)が視覚的に補完し、感情の機微を加える。ノンフィクションの王道として、事実羅列に徹し、図解・3DCGで技術をわかりやすく解説。Book Bangレビューでは「一般メディアが語らない前代未聞の現場」と評価。 読者からは「素人にもわかる解説が秀逸」「写真のインパクトが忘れがたい」との声。欠点指摘: 「専門用語多めで一般読者ハードル高」「政治・倫理的議論薄め」(Amazonレビュー)。章ごとの詳細要約本書は章立てが明示的でないが、出版社紹介とレビューから以下の2部構成(工事記録+写真セクション)に分かれる。全224ページ中、取材記事が本文の7割、篠山の写真が3割。時系列で2011年の事故直後(緊急対応)から2017年の進捗(汚染水対策定着)までをクロニクル的に展開。以下、目次相当のセクション分けとレビュー合成の詳細。
  • 第1部: 福島第1原発の工事記録(約150ページ)
    廃炉の基幹工程を工程別に追う。事故直後の混乱から、放射能下の安全作業(線量低減、遠隔操作)を経て、具体技術へ。エピソード: 東電・ゼネコンの「試行錯誤」(失敗事例含む)を技術者証言で描き、ノウハウの蓄積を強調。ハイライト: 毎日6,000人のシフト制(被曝限度1mSv/3ヶ月厳守)、総工費の内訳(汚染水処理に半分)。読者レビュー: 「ブロックを組み立てるカバー工事の詳細が圧巻」。
    • がれき撤去と燃料取り出し(1~4号機原子炉建屋カバー工事、無人がれき搬送)
      2011~2013年の初期対応。爆発で崩壊した建屋のがれき(総量10万トン超)を、無人重機(クリーンロボット)で搬送。カバー工事: 1~4号機に巨大アーチ型カバー(高さ50m、重量数千トン)をブロック単位で組立、放射能飛散防止。エピソード: 木村記者の取材で、鹿島建設技師の「風圧計算ミスで再設計」の失敗談。3DCGシミュレーションで最適ルートを1枚の紙に集約。燃料プール取り出し(4号機成功、2014年):遠隔クレーンで使用済み燃料棒(1,535体)を移設。読者感想(X): 「ノウハウの凄さに驚き、3DCGの詳細が秀逸」。
    • 汚染水対策(凍土遮水壁、汚染水タンク、フェーシング、K排水路付け替え)
      2013~2017年の核心工程。汚染水発生(1日200m³超)を、凍土遮水壁(地下水流入阻止、2016年完成)で封じ込め。タンク増設(総数1,000基超、総容量150万m³)とフェーシング(多核種除去装置、ALPSでセシウム除去)。K排水路付け替え: 港湾汚染防止の土木工事。エピソード: 清水建設の技師インタビュー「凍土壁の温度管理で、1℃の誤差が崩壊リスク」。失敗事例: 初期タンク漏洩(2013年、100トン流出)の教訓。読者レビュー: 「汚染水の複雑さが図解でクリアに、技術の進化を実感」。
  • 第2部: 篠山紀信が撮る福島第1原発と帰還困難区域(福島県双葉町)(約70ページ)
    工事記録の視覚補完。篠山のモノクロ・カラー写真(100枚超)で、廃墟化した双葉町(全町避難、帰還困難区域)と現場を対比。エピソード: 作業者のポートレート(ヘルメット姿の「顔なし」群像)と、荒廃した建屋のコントラスト。帰還困難区域の街並み(シャッター街、野生動物増加)を捉え、喪失感を喚起。読者感想(Rakuten): 「廃墟の様子がさることながら、土木技術の解説がわかりやすい」。
結論: 影響と意義本書は、事故7年目の「廃炉秘録」として、土木・建築の専門文献の古典。出版後、日経新聞書評やHONZで注目され、X投稿では「写真に言葉失う」「日本の技術力の鏡」と共有(2018~2025年)。2025年現在、デブリ取り出し遅延(2037年以降)議論で再評価され、廃炉総工期の延長(2051年超?)を背景に引用増。欠点: 「お硬い内容で感情薄め」「政治批判なし」。しかし、それがリアリティを生む。福島の「工事の声」を、技術の鏡で繋ぐ一冊。読む者に「廃炉の『すごさ』は、誰のためのものか」を問いかける。

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『電力と政治』 日本の原子力政策全史 下


『電力と政治』  日本の原子力政策全史   

上川龍之進/著    勁草書房 2018.2

安倍政権では電力自由化の改革は急速に進んだのに、なぜ脱原発は後退したのか? 野田内閣から第三次安倍内閣まで、電力自由化と脱原発をめぐるせめぎ合いを描き出し、原発政策の「拘束性」を解き明かす。

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『電力と政治』 日本の原子力政策全史 上


『電力と政治』  日本の原子力政策全史   

上川龍之進/著    勁草書房 2018.2

「原子力ムラ」はどのように生まれ、どのように強大化していったのか? 電力会社設立から311直後まで、戦後政治の「暗黒面」を凝縮した国策を、迫真のドキュメントで写し出す。

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『日本における原子力発電のあゆみとフクシマ 』


『日本における原子力発電のあゆみとフクシマ      

原発史研究会/編 晃洋書房 2018.2

戦後の原子力開発の始まりから20113月の福島第一原発事故に至るまでの歴史的展開を、社会思想史・政策史・技術史・経営史・組織論・会計学の専門家が領域横断的に論じ、これからの日本にとっての原子力発電を考察する。


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『飯舘を掘る』 天明の飢饉と福島原発

『飯舘を掘る』  天明の飢饉と福島原発       

佐藤昌明/著       現代書館              2018.3

福島県飯舘村の原発避難地域と天明の飢饉による避散地域は驚くほど重なっている。飯舘村出身のベテラン新聞記者が、相馬藩の復興政策を克明に調査し、現代にも通用する施策を抽出するノンフィクション。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問したところ以下のような回答が返ってきました。

『飯舘を掘る:天明の飢饉と福島原発』 詳細な要約書籍概要『飯舘を掘る:天明の飢饉と福島原発』は、福島県飯舘村出身のジャーナリスト・佐藤昌明氏によるノンフィクション作品である。2018年3月に現代書館から刊行されたこの本は、2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、原発事故)により全村避難を強いられた故郷・飯舘村の現状を、200年以上前の天明の飢饉(1782-1788年頃、日本史上最大級の冷害・飢饉)という歴史的事件と重ね合わせ、復興の教訓を探る内容だ。著者の佐藤氏は1955年、飯舘村で生まれ、中学校卒業まで同村で育ち、河北新報社記者として長年活動。東北大学文学部卒業後、環境問題や地域史をテーマに執筆を重ねてきた(代表作に『白神山地―森は蘇るか』など)。本書は、著者の個人的な故郷愛とジャーナリスティックな調査を融合させた作品で、相馬藩の復興政策を独自に掘り起こし、現代の被災地復興に活かせる「先人のメッセージ」を抽出する全く新しいアプローチが特徴。 全208ページ、四六判変型並製、定価1,600円(税別)。本書の核心は、原発事故による避難地域と天明の飢饉による「避散」(避難・人口流出)地域が驚くほど地理的に重なる点にある。飢饉時には飯舘村の人口が約37%(約1,000人以上)減少したが、当時の相馬藩は貧民救済、子育て支援、移民受け入れなどの先進的な政策を展開し、復興を果たした。これを現代に投影し、放射能汚染という「見えない壁」に阻まれる被災者の苦しみを描きながら、希望の糸口を提示する。推薦は哲学者・高橋哲哉氏によるもので、「被災者の内面的な声を地元出身者ならではの視点で記録した好著」と評されている。 書籍の構成と章ごとの詳細な要約本書はプロローグからおわりまで、著者の個人的体験、被災者取材、歴史調査、哲学的考察を織り交ぜた構成。以下に章ごとに徹底的に要約する。プロローグ:わが故郷 飯舘村著者は自身の幼少期を振り返り、飯舘村の自然豊かな風景(広大な田園、雪深い冬、共同体的な農村生活)を描く。村は福島県の最北端に位置し、標高400-800mの山間部で、米作中心の自給自足的な暮らしが営まれてきた。しかし、原発事故により村は全域が計画的避難区域に指定され、住民約6,000人のうち半数以上が避難を余儀なくされた。著者は仙台在住ながら、親族や同級生との絆を保ち、被災者の「物言わぬ」内面的な声を伝える使命感を語る。このプロローグは、村の「掘る」べき層(歴史・現在)を象徴的に提示し、読者を本書のテーマへ導く。 第1章:同級生たち著者は中学校時代の同級生たちへの取材を通じて、原発事故の人的影響を具体的に描く。焦点は「学者」と呼ばれた同級生・A氏(仮名)。A氏は高校進学を断念し、建設作業員、自衛官を経てUターンし、原発作業員となった。事故発生時(2011年3月11日)、彼は福島第一原発4号機で作業中だった。津波襲来の直前、太平洋の異常な波しぶきを目撃し、防潮堤の不十分さを予見していたが、無視された。事故後、両親を相次いで亡くし、独身の仮設住宅生活を送る。経済的貧困と社会的孤立(「一匹オオカミ」)が事故前から続いていたが、ストレス解消に植木の手入れ、サウナ、ドライブ、瞑想を趣味とし、同級生との絆(同級会への参加)を支えに生きる。著者はA氏のような被災者の声を、外部ジャーナリストでは引き出せない「仲間」としての立場から記録。村人たちは原発の低地設計(米国のコスト削減影響)を批判し、国・東電の「津波不可能」主張を疑問視するが、外部には口にしにくい内面的葛藤を強調。 第2章:凶作と移民の歴史本書の歴史的核心部。江戸時代後期の天明の飢饉を詳細に調査し、飯舘村の人口激減(37%減)の実態を明らかにする。原因は異常冷夏による米作不振で、相馬藩領内では餓死・流出が相次いだ。避散地域は原発事故の汚染地帯と重なり、例えば飯舘村の特定集落が両方で深刻な打撃を受けた。復興策として相馬藩が展開した施策を克明に分析:
  • 貧民救済:飢饉被害者に米や現物支給、仮設住居提供。
  • 子育て支援:孤児の養育を寺院に委託、未来世代の育成を優先。
  • 移民受け入れ:幕府の「国禁」(移動禁止)を破り、越後(新潟)や北陸から貧民を積極的に移住させた。主導は浄土真宗の僧侶たちで、寺院が移民の教育・定着を担った。
著者自身が越後移民の子孫として、自身のルーツを振り返る。移民たちは耕作条件の悪い山地を開墾し、土葬習慣の土着民から反発(浄土真宗の火葬文化との衝突)を受けながらも耐え抜いた。この章は史料(藩記録、寺院文書)に基づく独自調査で、復興の「3つの教訓」を抽出:
  1. 未来を託す子供たちを大事に育てる。
  2. 大人には自立できる働く場と環境を提供。
  3. 門戸を開放し、弱い立場の人々を移民として受け入れる。
これらを現代の復興に適用する可能性を探る。 第3章:帰郷・2017年2017年の現地取材を基に、原発事故後の飯舘村の実態を描く。帰村率は低く(約20%)、残る高齢者が主。放射能除染作業の進捗は不十分で、除染廃棄物の山が風景を覆う。著者は仮設住宅や集会所で住民と対話し、精神的孤立や差別(避難先での「放射能持ち」扱い)を記録。歴史の教訓を活かした復興試み(子育て支援施設の整備、外部ボランティア受け入れ)が見られるが、放射能の「見えない恐怖」が障壁。A氏のような若手帰村者の苦闘を追いつつ、村の「再生の兆し」(有機農業の再開、コミュニティイベント)を希望的に描く。 第4章:原発事故、私はこう思う著者の個人的考察章。原発事故を「人災」と位置づけ、津波予見のエピソード(A氏の証言)から、国・東電の責任を追及。低地設計の歴史的背景(戦後米国の影響)を批判し、被災者の「沈黙の理由」(経済依存、共同体崩壊の恐れ)を分析。復興の鍵として、天明期の「移民モデル」を提案:外部からの新住民受け入れで人口流出を防ぎ、多文化共生を促進せよ、と主張。 哲学者・高橋哲哉氏に聞く高橋哲哉氏(東京大学教授、原発事故の哲学的批評で知られる)へのインタビュー。事故の「忘却の構造」(社会の風化メカニズム)を議論し、被災者の「抵抗の倫理」を強調。高橋氏は本書の歴史アプローチを「記憶の連鎖」として評価し、2020年東京五輪を「鎮魂の機会」と位置づける視点を提供。 おわりに:2020年・東京五輪、鎮魂の旅エピローグ的に、2020年東京オリンピックを「被災地鎮魂の旅」として構想。事故から9年、村の復興が遅れる中、先人の移民精神を呼び起こし、持続可能な未来を展望。著者は「掘る」行為(歴史・土壌の探求)をメタファーに、読者に被災地への視線を促す。 主要テーマと意義本書のテーマは「歴史の反復と教訓の継承」。天明の飢饉と原発事故の類似(人口流出、精神的孤立、外部依存の復興)を指摘し、先人の施策(特に浄土真宗主導の移民政策)を現代に適用:子育て支援の強化、雇用創出、移民(移住者)受け入れによる多様性確保。これにより、放射能汚染の壁を超えた「持続可能な村づくり」を提案。被災者の声を「内側から」描く点が革新的で、外部報道では見えにくい「抵抗者史」(風化に抗う個人の物語)を構築する。 意義として、出版後、第1回むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞優秀賞を受賞。福島の「忘却」に警鐘を鳴らし、災害史の普遍性を示す。読後感は重くも希望的で、著者の「故郷を掘る」情熱が伝わる一冊だ。

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