『新聞は大震災を正しく伝えたか』
学生たちの紙面分析
早稲田大学ブックレット
花田達朗/編著 早稲田大学出版部 2012.5
若者たちは大震災をどのように受け止めたか。新聞報道を事例にして大震災の帰結を自らの手と眼で確認しつつ、議論した結果をまとめる。早稲田大学教育学部の学生による「東日本大震災新聞紙面調査プロジェクト」の成果を収録。
先日、早稲田大学エクステンションセンターで、早稲田大学ブックレットのチラシをいただいてきました。今日は、そのチラシの中の一冊。
「新聞は大震災を正しく伝えたか-学生たちの紙面分析」
早稲田大学教育-総合科学学術院教授」花田達郎+教育学部 花田ゼミ
編著 を読んでみました。
今までと同じゼミナールでいいいのか。学生たちと教師は大災害の衝撃にまっすぐ向き合おうと教授研究室を工房とし、新聞紙面に目を凝らし被災地の声に耳を傾け、報道の実像を迫った。NKK総合(3/24),朝日新聞朝刊(5/18)ほかで話題。
第一部
実証的視点 全国紙が見た震災・地方紙が見た震災-記事面積分析は何を教えるか/震災報道の「顔」-『河北新報』の情報源を検証する/津波被災は持続的に報道されたか-阪神淡路大震災との比較から
第二部
批判的視点 新聞はなぜ「大本営発表」と批判されるのか/プルトニウム報道に見る在京紙と地方紙-猛毒物質から福島県民を守るのはだれか/写真分析から見えた新聞記者の葛藤-報道の責任か、身の安全か/新聞が伝える「死」-「死」と向き合い、考える。
第三部
4つの場所から考える 石巻市立大川小学校-検証記事をどう活かすか/南三陸防災対策庁舎-報道対象の一極集中はなかったか/長野県栄村-もうひとつの被災地と地域の営みからの報道/牡鹿半島・十八成浜-「『がんばれ』は思考停止の言葉」ほか
以上 チラシの紹介文です。
この本の中では、主に朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、河北新報が東日本大震災後、紙面をどのように割いて、津波・原発報道をしてきたかを細かく調べています。
在京の3大紙が紙面を割いて震災について報じていることを検証しています。
本の中で、NHKの信頼度が増したとありました。
ネットメディアにシフトしてもNHKの信頼度は上昇しているようです。
また、ゼミの先生が、ゼミで学ぶことは、マスコミではなくジャーナリズムだとはっきり言っているところに物凄い感銘を受けました。
ゼミの学生の方がほとんど地方出身というのは正直、驚きました。
僕が1980年後半に学生だった頃は、首都圏の学生もジャーナリズム(マスコミ)を志す人が多かったです。
ネットにメディアがシフトしていく中で、ジャーナリズムのあり方とか問われているのかと思います。
昔は図書館で縮刷版を一冊一冊調べていたのが、今では新聞データベースで簡単に分析できる。
僕も、新聞記事のデータベース化には賛成ですが、一冊一冊丁寧に調べていく工程も経験してほしいなと単純に思いました。
お粗末な感想ですが本を読んでの感想を書いてみました。