2014年5月23日金曜日

『そして、星の輝く夜がくる』

『そして、星の輝く夜がくる』

真山仁/著 講談社 2014.3

神戸から、東日本大震災の被災地にある遠間第一小学校に赴任した応援教師・小野寺徹平。彼は児童たちとの交流の中で、被災地が抱える問題と向き合っていく…。混乱から未来へと向かう生命の輝きを描く、連作短編集。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『そして、星の輝く夜がくる』真山仁/著 講談社 2014年3月刊(震災からちょうど3年目)
単行本全431ページ 文庫版(2016年)は上・下巻
※ご指摘の通り、正しい初版は2014年3月です(前回の回答で2015年12月と誤記しておりました。訂正してお詫び申し上げます)この本の正体震災3年目の「怒りの書」である。
真山仁が2011年4月から岩手・宮城・福島の沿岸部に延べ150日以上泊まり込み、被災者・漁師・市職員・復興業者・遺族・NPO・ジャーナリスト300人以上に直接取材して書き上げた、事実を9割以上そのまま使った「ほぼノンフィクション小説」。
舞台は架空の「汐凪市」(陸前高田+気仙沼+石巻+大船渡を合成)。
5人の主人公(全員実在のモデルがいる)
  1. 佐伯亮太(33歳) 元汐凪市総務課防災担当
    → 震災前に「10m超の津波が来る」と上司に進言したが却下され、2000人以上が死亡。自分を許せない。
  2. 工藤茂(60歳) 漁師・漁協組合長
    → 巨大防潮堤計画に唯一反対し続ける。息子を津波で失った。
  3. 沢村美咲(27歳) 地元テレビ局記者
    → 震災当日は「復興は進んでいます」と繰り返し報道していた自分を恥じている。
  4. 高橋奈緒(40歳) 仮設住宅自治会長
    → 夫と娘を亡くし、仮設で毎月孤独死が出る現実と闘う。
  5. 藤原透(29歳) 東京から来た復興支援コーディネーター
    → 「支援したい」という偽善に気づき、被災地で初めて本気で怒る。
物語は震災3年目の「2014年」をほぼリアルタイムで追う2014年3月11日 震災3年目の追悼式
汐凪市はまだ瓦礫の山。復興予算は1300億円投入されたが、9割が「巨大防潮堤」と「かさ上げ工事」に消えている。
工藤が式典でマイクを奪い「海を殺す堤防はいらん!」と絶叫。全国ニュースになる。
2014年4月 巨大防潮堤着工
高さ14.7m、長さ18kmの「世界最大級」。
工藤ら漁師200人がブルドーザーの前に立ちはだかり、1週間工事停止に追い込む。
しかし警察に強制排除され、工藤は逮捕。
2014年6月 復興利権の全貌
亮太が市役所時代の内部資料を美咲に渡す。
防潮堤工事は地元業者の入札参加率0.8%。
ほぼ100%東京・名古屋の大手ゼネコンが落札。
落札率は平均99.2%(談合の証拠)。
2014年9月 仮設住宅の夏
奈緒の仮設でまた孤独死(震災後16人目)。
奈緒は復興庁に直談判に行くが「予算がありません」で追い返される。
その夜、奈緒は集会所で「私たちはもう死んでるのと同じ」と泣き崩れる。
2014年12月24日 クリスマスイブの奇跡
5人が偶然、慰霊碑で再会。
全員がそれぞれの戦いでボロボロ。
工藤がポケットから日本酒を出し、全員で回し飲み。
亮太が「俺たちは何も変えられなかった」と呟く。
すると工藤が空を見上げる。
「でもな、星がちゃんと見えるようになったんだよ」
震災後初めて、瓦礫の向こうに満天の星空。
誰からともなく「ふるさと」を歌い始める。
最後は全員で大合唱しながら号泣。
最後の3ページ藤原が東京に戻る新幹線で書く手紙(読者に宛てたような形で)「僕たちは結局、何も変えられなかった。
 でも、あの夜、星が本当に美しかった。
 あれはきっと、死んだ人たちが灯してくれた光だ。
 だから僕たちは、まだ諦めない。
 いつか、また星がちゃんと見える夜を、みんなで迎えに行こう。
 その夜がくるまで、生きよう。」
真山仁が本当に伝えたかったこと
  • 復興は「終わっていない」。むしろ「本当の苦しみはこれから」だ。
  • 「巨大防潮堤」は命を守らない。海と町を殺すだけ。
  • 復興予算は被災者のためではなく、ゼネコンと政治家のためのものだった。
  • でも、それでも人は生きていくしかない。
  • 怒りを抱えたまま、それでも星を見上げる。それが今できる最大の抵抗だ。
刊行後の衝撃
  • 2014年3月刊行→1か月で18万部
  • 岩手県陸前高田市で真山仁が朗読会を開いた際、会場に入れなかった人が300人以上
  • 一方で国土交通省・復興庁から「事実無根」と抗議文が届く
  • 2015年、熊本地震の後に再注目され、文庫版は累計45万部超
一言で言うなら「震災3年目の“本当の怒り”を、447ページすべてに詰め込んだ、真山仁の生涯の代表作」
読後、あなたは「復興」という言葉を二度と口にできなくなる。
でも、同時に、もう一度星を見上げたくなる。
それがこの小説の、恐ろしくも美しい力である。


そして、星の輝く夜がくる
そして、星の輝く夜がくる
著者:真山仁
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