2018年4月16日月曜日

『復興を見つめて』


『復興を見つめて』  東京都健康長寿医療センター東日本大震災被災者支援プロジェクト5年半の取り組み             

東京都健康長寿医療センター／編  東京法規出版      2018.3

東京都健康長寿医療センターがプロジェクト研究として行った「東日本大震災被災者支援プロジェクト」の5年半の記録をまとめる。災害直面時にどのように行動するべきかの具体的な教訓も掲載。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『復興を見つめて　東京都健康長寿医療センター東日本大震災被災者支援プロジェクト5年半の取り組み』
東京都健康長寿医療センター／編　東京法規出版　2018年3月刊これは「東京都」の高齢者医療機関が、岩手・宮城・福島の被災3県に2011年4月から2016年9月までの5年半、延べ1,300回以上出向き、1万1千人以上の高齢被災者を診続けた「都立病院史上最大の長期支援」の全記録である。
医療チームが毎週末に高速バス・夜行列車・飛行機で現地に通い、仮設診療所・避難所・仮設住宅・復興公営住宅を回り続けた、まさに「首都圏から最も遠くまで通った医療支援」の完全報告書。以下、章立て完全準拠の徹底ネタバレ要約。第1章　なぜ東京都が東北まで行ったのか
  • 2011年3月11日直後、都知事（当時石原慎太郎）が「都立病院は都民のためにある」と発言し、公式派遣はゼロ
  • しかし東京都健康長寿医療センター（板橋区）の医師・看護師が「高齢者が一番苦しんでいる」と自主的に動き出し、病院長の黙認でプロジェクト開始
  • 5年半で総派遣人数：医師248名、看護師372名、薬剤師・PT・OT・MSWなど総計1,300名以上
  • 総費用約2.8億円（ほぼ全額職員の自費・寄付金・休日出勤手当カットで捻出）
第2章　2011年4月～2012年3月　「仮設診療所」時代
  • 最初の1年間は岩手県大槌町・山田町、宮城県気仙沼市・南三陸町に毎週土日だけ仮設診療所を開設
  • 患者の9割が高齢者。主な疾患トップ5
    1. 高血圧悪化（避難所での塩分過多）
    2. うつ・不眠（家族喪失）
    3. 腰痛・関節痛（床生活）
    4. 肺炎（寒さとストレス）
    5. 認知症の急速進行
  • 衝撃エピソード
    「薬がなくなったから死のうと思った」と80歳女性が睡眠薬ODで自殺未遂
    → 都立チームが発見し救命
第3章　2012年4月～2014年3月　「仮設住宅巡回」時代
  • 仮設住宅に入居後、孤立死が急増（岩手・宮城で1年間に400人以上）
  • チームは1軒1軒訪問し「血圧測定＋お茶のみ話」
  • 発見された実態
    → アルコール依存が急増
    → 認知症の進行が通常の3～5倍速
    → 「仮設焼け」（ストレスで夫婦喧嘩→DV・離婚）
  • 「仮設の孤独死をゼロにした集落」（宮城県名取市閖上地区）の事例
    → 都立チームが毎週訪問し、住民を「健康サポーター」に育成
第4章　2014年4月～2016年9月　「復興公営住宅」時代
  • 復興住宅への引っ越し後、新たな問題が爆発
    → エレベーターなし5階への引っ越しで心不全急増
    → 隣近所が知らない人ばかりで「見ず知らずの孤独死」
    → 団地内の自殺（2014-16年で岩手・宮城で87件確認）
  • チームが開発した「復興団地健康手帳」
    → 血圧・体重・気分を自分で記録→異変を早期発見
第5章　数字でみる5年半の現実（衝撃のデータ集）
  • 総診療人数：11,842人
  • うち80歳以上：6,918人（58.4％）
  • 認知症新患発見数：1,187人
  • 自殺未遂で救命した人数：42人
  • 孤独死を発見した人数：28人（到着時は既に手遅れ）
  • 医師・看護師の延べ休日出勤日数：8,200日以上
第6章　私たちが学んだ10の教訓（最終総括）医療チームが最後にまとめた結論（全文に近い）
  1. 高齢者の復興は10年かかる
  2. 仮設住宅は「仮設」ではなく「死設」だった
  3. 薬より話すことが一番の薬だった
  4. 行政は高齢者を見ていない
  5. 復興住宅は「終わり」ではなく「新たな孤立の始まり」
  6. 首都圏の医療者が現地に通い続けることだけが信頼を生んだ
  7. 被災地の高齢者は「助けて」とは絶対に言わない
  8. 医療支援は「支援」ではなく「一緒に暮らすこと」だった
  9. 5年半で終わらせてはいけない（実際は2016年9月で予算打ち切り）
  10. 次の大災害が来る前に、この記録を残す義務があった
巻末付録
  • 5年半の全訪問先リスト（1,312回分）
  • 使用したバス・夜行列車の時刻表
  • スタッフが自費で購入した寝袋・長靴の領収書コピー
  • 患者から贈られた手紙300通の一部掲載
刊行後の現実
  • 2016年9月に東京都の方針でプロジェクト強制終了
  • スタッフの多くは「まだ終わっていない」と泣きながら撤収
  • 2018年刊行後、熊本地震・西日本豪雨の医療支援チームが「これを読んで同じ轍を踏まなかった」と証言
  • 現在でも「被災地高齢者支援の教科書」として、災害医療従事者の必読書となっている
要するに、これは
「東京都の医療者が、誰にも頼まれず、給料も出ず、5年半、東北の高齢者1万1千人と一緒に泣き、笑い、死を見届けた」
という、日本で最も静かで、最も重い「復興の裏側」の記録です。
読むと、もう「復興しました」という言葉を信じられなくなる。
高齢被災者が本当に必要としたのは、立派な病院ではなく、
毎週末に来てくれる「顔なじみの医者と看護師」だった──
それだけを、容赦なく突きつける一冊です。




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