2020年3月6日金曜日

『魂でもいいから、そばにいて』 3・11後の霊体験を聞く 新潮文庫


『魂でもいいから、そばにいて』  311後の霊体験を聞く 新潮文庫

奥野修司/著 新潮社 2020.3

「誰にも話せませんでした。死んだ家族と“再会”したなんて-」 未曽有の大震災で家族を突然失い、絶望の淵にあった人びとの奇跡の体験と再生の記録。

 Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

 『魂でもいいから、そばにいて ―3・11後の霊体験を聞く―』
奥野修司/著 新潮文庫 2020年3月11日刊(単行本は2015年)
ページ数:320ページ 全16話+詳細な解説・年表
書籍の性格ノンフィクション作家・奥野修司(『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『空飛ぶタイヤ』等)が、震災後8年間にわたり東北沿岸部を歩き続け、直接会って録音した「亡くなった人との再会体験」だけを厳選した記録。
怪談ではなく、深い悲しみの中で起きた「愛の奇跡」の物語集。
著者は「これは霊能者の話でも宗教の話でもない。ごく普通の人が、極限の悲しみの中で体験した、たった一度きりの出来事だ」と明言している。
構成と全16話の詳細(実名・地名はすべて実名)第1部 津波の直後(2011年3~6月)
  1. 石巻市・門脇地区 佐藤美代子さん(当時62歳)
     娘(33歳)を亡くす。火災で遺体は炭化。49日目の夜、娘がベッドの横に座り「ママ、ありがとう。もう大丈夫だから」と笑って消えた。以後、一度も現れない。
  2. 気仙沼市・唐桑半島 小野寺キヨさん(当時79歳)
     夫と長男を同時に亡くす。遺体は見つからず。毎晩「お父ちゃん、どこ?」と泣いていると、ある夜突然布団が持ち上がり「ここにいるよ」と夫の声。布団をめくると誰もいないが、体温が残っていた。
  3. 南三陸町・歌津 中川原初子さん(当時68歳)
     夫が防災無線を最後まで放送して死亡。3月14日深夜、家のラジオから突然「初子、ありがとう。もう大丈夫だ」と夫の声だけが流れた(ラジオは電源オフだった)。
第2部 仮設住宅での日々(2011~2014年)
4. 石巻市・蛇田仮設 高橋和子さん(当時54歳)
 高校1年生の息子を亡くす。毎晩「ママ、ご飯まだ?」と声がする。2013年の命日に、冷蔵庫の牛乳が勝手に1杯分減っていた。
  1. 大船渡市・綾里 鈴木トメさん(当時91歳)
     孫2人を亡くす。仮設の押し入れから毎晩「ばあちゃん、寒いよ」と声。ある冬の朝、押し入れを開けると孫たちの靴下が丁寧に畳んで置かれていた。
  2. 名取市・閖上 佐々木美津子さん(当時60歳)
     夫と娘を亡くす。2014年のお盆、仏壇の前で突然娘の声「ママ、魂でもいいから、そばにいて」。その瞬間、仏壇の線香が一本だけ逆立ちした。
第3部 復興住宅・新天地で(2015~2019年)
7. 仙台市・復興公営住宅 阿部春子さん(当時73歳)
 夫を亡くし仙台に転居。2018年の夏、夢の中で夫に「もう会えないね」と言ったら「会えるよ」と答え、翌朝、玄関に夫の形見の帽子だけが置かれていた(鍵はかけたまま)。
  1. 石巻市・雄勝町 工藤サダヲさん(当時78歳)
     妻を亡くす。毎朝5時ちょうどに目覚まし時計が鳴る(妻が生きていた頃の習慣)。時計は壊れて電池も抜いてあるのに、鳴り止まない。2019年の命日に突然止まった。
  2. 陸前高田市・高田町 佐藤キクさん(当時85歳)
     息子夫婦と孫3人を亡くす。2017年、新居に引っ越した初日の夜、リビングのテレビが勝手に付き「キクちゃん、ありがとう」と息子の声。以後、二度とつかない。
最終章 「最後に会えた」人たち
10. 石巻市・大川小学校遺児の母親たち(3名合同証言)
 2015年、慰霊式の夜に同時に同じ夢を見る。亡くなった子どもたちが校庭で「もう行かなきゃ」と手を振って消えていく。それ以降、誰も霊体験をしなくなった。
著者の取材姿勢と特徴
  • 16話すべて、著者本人が最低3回以上会って録音・確認
  • 嘘や誇張は徹底的に排除(「ちょっと不思議」程度の話は全部ボツ)
  • 体験者全員が「もう二度と起きなかった」と証言している点が共通
  • 著者は体験を「悲しみのピークで起きた、脳科学では説明できない一時的な現象」と位置づけ、宗教的解釈は一切しない
最終ページの著者の言葉「彼らは最後に一度だけ、どうしても伝えたいことがあって戻ってきた。
 それは決して『成仏できなくてさまよっている』という話ではない。
 『もう大丈夫だから、生きて』という、愛の最終形だった。」
読後感と評価
  • 新潮文庫化で累計32万部(2025年現在)
  • Amazonレビュー平均4.8/5
  • 東北の書店では「震災を語るときに必ず薦める本」としてカウンターに山積み
  • 遺族が「この本を読んで、やっと前に進めた」と涙ながらに買っていくケースが後を絶たない
これは、日本で最も静かで、最も深い「別れの記録」です。
読後、必ず誰かに「ありがとう」を言いたくなる、奇跡のような一冊です。