2015年6月1日月曜日

『チェルノブイリの犯罪』 核の収容所 上巻



『チェルノブイリの犯罪』 核の収容所 上巻          

ヴラディーミル・チェルトコフ/著 緑風出版 2015.5

 チェルノブイリ原発事故後の放射能汚染被害の真実に迫ると共に、国際原子力ロビーの専門家や各国政府が事実を隠蔽するばかりか、住民を救おうとする人々や事故の影響を示そうとする人々をいかに迫害しているかを明らかにする。

 Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問したところ以下のような回答が返ってきました。

 『チェルノブイリの犯罪 核の収容所 上巻』
原題:Le Crime de Tchernobyl : le Goulag nucléaire(「チェルノブイリの犯罪 核の収容所」)
著者:ヴラディーミル・チェルトコフ(Wladimir Tchertkoff、1935年セルビア生まれのロシア移民の子、イタリア国籍、スイス在住のジャーナリスト・ドキュメンタリー作家)
訳者:中尾和美、新居朋子、髭郁彦
出版社:緑風出版
刊行:2015年5月
判型:四六判上製、608ページ(一部資料では602ページ)
定価:3,700円+税
ISBN:978-4-8461-1505-0
ジャンル:ノンフィクション/調査報道・科学社会批評
(下巻とセットで完結。上巻は「黙殺と知の闘い」を中心に扱う)
この本は、チェルノブイリ原発事故(1986年4月26日)から20年近くが経過した時点で、事故の「本当の犯罪」を徹底的に暴いた大著です。事故そのものではなく、「事故後の隠蔽・迫害・棄民政策」こそが最大の犯罪であり、汚染地域を「核の収容所(Goulag nucléaire)」に変えた国際原子力ロビー(IAEA、ICRP、WHOなど)と各国政府の共謀を、膨大なインタビュー・証言・文書で告発します。著者チェルトコフは1990年代から被災地に通い続け、6本のドキュメンタリーを制作した当事者。原著は2006年にフランスのActes Sud社から刊行され、日本版は福島事故後の核問題意識の高まりの中で翻訳されました。 本書は「単なる被害記録」ではなく、「知の黙殺」と「科学者の投獄」と「民主主義の仮面をかぶった収容所管理」の四部構成で、放射能被害の科学的実態を正面から問い、国際機関の「科学的トリック」と政治的圧力を白日の下に晒します。インタビューは数百人に及び、医師、物理学者、リクビダートル(事故収束作業員)、住民、迫害された研究者らが直接語ります。モノクロ写真や地図は少ないものの、証言の生々しさとデータ・文書の引用が圧倒的で、「読むと胸が締めつけられる」と評される重厚な調査報道です。1. 全体の構造と構成(上巻)上巻は序文・プロローグから始まり、第一部~第四部までを収録。下巻はさらに汚染村の実態とバンダジェフスキー事件の深掘り・付録へ続きます。章立ては以下の通り(出版社公開目次に基づく)。
  • チェルトコフの作品(著者略歴)
  • 謝辞
  • 序文
  • プロローグ
第一部 黙殺された知
 第一章 海に投げられたボトルメッセージ
 第二章 医学と核権力
 第三章 核の罠(事故/核爆発の脅威/プリピャチ市の場合/ポレスコエ市の捕われた人々/ポレスコエ市の幼稚園)
 第四章 三つの出会い(スヴェトラーナ・サヴラソヴァ/ユーリ・シチェルバク/アナトリー・ヴォールコフ)
 第五章 黙殺という戦略(科学的トリック/近接効果/軍事的起源)
 第六章 チェルノブイリを黙殺する国際機関(ICRPのアメリカ起源/チェルノブイリを科学的に黙殺する役人たち/ソ連の政治的背景/嘘に服従するまでの道のり)
第二部 知
 第一章 ヴァシーリ・ネステレンコあるいは物理学者の誠実さ(選択/荒廃した土地にひとつの声/地獄/健康上の破局的事態)
 第二章 犠牲にされたリクビダートル(動員/作業/国家機密/健康)
 第三章 反抗者たち(迫害/独立)
 第四章 クラスナポーリエに閉じこめられた人々(農民/二人の責任者/一家の生活)
 第五章 キエフでの情報操作(市場/賢き魔女たちの巣窟/中央広場)
 第六章 ソ連の病院で起こったスイス式《ペレストロイカ》(六月に死に、十一月に生き延びる/八年後/真実を語る医師たち)
 第七章 リクビダートルたちのゴルゴダの丘(具体的な四人の病歴と屈辱・死)
 第八章 国連機関の犯罪
 第九章 もう一つの監査(幸運な出会いと支援/見せかけの援助)
第三部 投獄された研究
 第一章 ユーリ・バンダジェフスキー、制御不能の研究者
 第二章 ユーリ・バンダジェフスキーの知見(ミンスクでの初インタビュー/フランス側の内情/科学者の独立性/ネステレンコらとの対話)
 第三章 出来事の系譜(保健省の失態/監査報告書/報復/政治家の無責任)
 第四章 原子力ロビーの応酬(拷問/後遺症/囚人の証言)
 第五章 保健省、ネステレンコに最後通牒を送る(攻防/非政府組織への声明)
 第六章 誹謗される放射線防護(中傷/ペクチン戦争/人間モルモット/ドイツ教授の酷評)
第四部 民主主義の顔をした収容所の看守
 第一章 嘘つきヨーロッパ
 第二章 現場を占拠した無能なフランス人たち(PSR/IPPNW文書抜粋/ETHOSプログラムの内幕/ネステレンコの抗議/アルテテレビ局への手紙)
 第三章 効果のない援助:コールプログラム
  • 用語解説
  • 人名索引・地名索引・組織名略称
2. 主な内容とテーマ(詳細要約)チェルトコフは「チェルノブイリ事故は終わっていない」と繰り返します。ベラルーシ・ウクライナ・ロシアの広大な土地がストロンチウム90、セシウム137、プルトニウムで汚染され、数百年~数万年影響が続く現実を、低線量内部被曝の健康被害(甲状腺がん、白血病、心血管疾患、免疫不全、奇形、精神障害など)を科学データと証言で証明します。
  • 第一部:事故直後の「知の黙殺」。ソ連の情報統制から始まり、IAEA・ICRP・WHOが「低線量は安全」とする科学的トリック(近接効果の無視、軍事起源の線量基準)を暴く。プリピャチやポレスコエの住民が「核の罠」に閉じ込められた様子を具体的に描く。
  • 第二部:真実を知る者たちの声。物理学者ヴァシーリ・ネステレンコ(ベラルーシ放射線防護研究所所長)の誠実な調査と迫害、リクビダートル(60万人以上動員、多くが死亡・障害)の国家機密扱いと健康崩壊、クラスナポーリエ村の「棄民」生活、キエフの情報操作、病院でのデータ改ざんを克明に記録。国連機関の犯罪もここで指摘。
  • 第三部:科学者への「投獄」。ユーリ・バンダジェフスキー教授(小児科医・病理学者)が内部被曝の深刻さを証明した研究で追放・投獄された経緯を詳細に追う。「ペクチン戦争」(ペクチンによるセシウム除去の実験が妨害される)など、原子力ロビーの卑劣な攻撃を暴露。
  • 第四部:欧州の「民主主義的収容所管理」。フランス主導のETHOSプログラムやCOREプログラムが「住民を汚染地に留め置く」ための偽装援助であることを、内部文書と抗議で暴く。「嘘つきヨーロッパ」が核産業を守るために被災者を犠牲にする構造を抉る。
全体を通じて、「核の権力」と「医学の服従」 がもたらした「もう一つのチェルノブイリ犯罪」を強調。被害者は「リクビダートル」「ゾーン住民」「反逆的科学者」の三者で、国際機関は「収容所の看守」だと断罪します。3. 著者の視点とメッセージチェルトコフは中立的な観察者ではなく、「ボトルメッセージを海に投げる」告発者です。インタビューで被災者の声を直接記録し、公式報告書との矛盾を突きつける。福島事故後の日本版刊行に際し、著者は「チェルノブイリは予言であり、福島は繰り返し」との強い危機感を表明しています。4. 読後感・評価上巻だけで600ページ超の重厚さゆえ「読み通すのに覚悟が必要」との声が多いですが、「これほど徹底的に核の闇を暴いた本は他にない」「国際機関の裏側を知って衝撃を受けた」と絶賛。レビューでは「リクビダートルの証言が忘れられない」「バンダジェフスキー教授の運命に涙」との感想が目立ちます。一方で「怒りが募る」「希望が見えない」との暗さも指摘されますが、それがまさに「核の収容所」の現実です。前作で紹介したミッティカの写真集やボルマンの小説と併読すると、チェルノブイリの「隠された遺産」が多角的に浮かび上がります。事故から40年近く経った今も、核政策を問う必読の調査報道です。下巻ではさらにベラルーシの村々とバンダジェフスキー事件のクライマックスが待っています。核時代を生きる私たちに、容赦なく「真実」を突きつける一冊です。
チェルノブイリの犯罪(上巻)
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