2014年4月13日日曜日

「被災地の本当の話をしよう」



「被災地の本当の話をしよう」
 陸前高田市長が綴るあの日とこれから ワニブックス<PLUS>新書 060

戸羽太/著 ワニブックス  2011.8

東日本大震災による津波で、市街地が壊滅した岩手県陸前高田市。自らも津波で妻を亡くした絶望的な状況の中、ゆるぎない信念をもって陣頭指揮にあたった市長が、震災当日の様子から復興へのシナリオまで、被災地の全容を綴る。




ブクレコという本のレビューサイトで、この本に関する貴重なレビューがありました。

以下、引用です。引用元のURLも載せます。


3.11東日本大震災で小学校のお子さんを2人を残して、津波にご自宅と一緒に奥さんが犠牲になった陸前高田市長の自著です。

地震の数分前に奥さんと電話で話した会話、地震後早く家族のもとに飛んでいきたい気持ちをこらえて市長としての役目を第一優先した姿、奥さんとの変わり果 てた姿での再会、そしてお葬式での奥さんの遺影を見て悟った小さい子供たちの号泣・・・・どれも読んでいて胸が苦しくなるお話しです。

それでもそんな家族の事情を隠して、市民のために懸命に陣頭指揮をとる姿はホントウにすばらしいです!

私たち東京モンはすぐに復興とか言うけれども、「そんなに急かすな」が被災者の方々の偽らざる本心なのでしょう。

「私はすべての市民が復興に向けて前向きになれるまで、本格的な復興のスタートラインを切るのを待ちます。
見切り発車をすることで、いまだ行方不明者を捜している人たちが復興の置き去りになってしますのを避けたいし、そんな人が出てしまう時点で、真の復興とは考えられないからです。

もちろん、その分、完全復興の日は遅れてしまいます。
3か月?半年?1年?
それぐらい遅れてもいいと私は思います。
(中略)
一緒に待ちましょう、と言いたい。
どうせ長い道のりになるんです。
妙に焦って、市民の気持ちを無視するような形で強引に復興を進めていっても、町自体はものすごくきれいになっても、そこで暮らしている人たちに最高の笑顔が戻ってくるのか?と言われたら、私は決して、そんなことはないと思うんです。

きっと市民の皆さんもわかってくれると信じています。
なぜなら、誰もが被災者だから。
すべての市民の気持ちがひとつになった時が、陸前高田市が一丸となって復興を目指すスタートライン。
震災の前よりも少しでも住みやすい町を目指して、私たちの挑戦が始まります。」

私たちになにができるのだろう?そんな私たちに市長は教えてくれます。

「ひょっとしたら着々と復興が進んでいるから、もうニュースにならなくなったと思っていらっしゃるかもしれません。
しかし、現実は違うのです。
いまだに大量の瓦礫の山が、処理される順番を待ってあちこちにうずたかく積まれ、いずれは大量の瓦礫になるであろう大きな建物の数々が、吹きさらしで放置されたまま。
駅が消滅し、線路もバラバラになってしまったので鉄道は不通状態。道路もまだ応急対応のみで、災害の爪あとは依然として残ったままです。
ひとりでも多くの人に、このような被災地の現状を知っていただきたい。
そんな切なる思いから本書の出版を決意したのです。
(中略)
これまで長くて辛い日々をどうにか耐えてこれたのは、日本全国、そして海外からの励ましの声があったからです。
もちろんお金も大事ですが、これからはそういった精神的なケアがとても大事になってきます。」

東京モンの私たちが果たして何ができるのだろう?なかなか答えは見つからないけど、ほんの小さいことでも、1年2年ではなくずっと続けていくことが大切に思います。
被災地の本当の話をしよう
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