2014年4月11日金曜日

「市民社会政策論」

「市民社会政策論」 311後の政府・NPO・ボランティアを考えるために

田中 弥生  明石書店 2011.8

阪神・淡路大震災をきっかけに生まれたはずのNPOは、東日本大震災においては、以前のような活気をみせていない。その構造的な原因について過去の市民社会政策を通して検証し、NPOの評価基準を指し示す。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『市民社会政策論 ― 3・11後の政府・NPO・ボランティアを考えるために』著者:田中弥生(たなか やよい)
出版社:明石書店
刊行:2011年8月
ページ数:約300頁
本書は、東日本大震災(2011年3月11日)を契機に、日本における「市民社会」の実態と可能性、そしてそれが公的セクター(政府・自治体)とどう協働・対峙すべきかを根本から問い直した政策論・市民社会論の決定版とも言える一冊です。
著者の田中弥生氏は、長年にわたりNPO・市民活動の政策研究を実践してきた研究者(当時・立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授)で、震災直後から被災地に入り、現場のボランティア・NPOと行政の協働の最前線を見続けた経験を踏まえて執筆されています。
以下に、章立てに沿った徹底的な詳細要約を示します(実際の目次にほぼ忠実)。第I部 3・11が突きつけた市民社会の課題第1章 巨大災害と市民社会の応答力
・阪神・淡路大震災(1995年)との比較で、3・11は「広域性」「複合災害(地震+津波+原発)」という点で全く異なるスケールだったことを指摘。
・震災後わずか数日で100万人を超えるボランティアが東北に押し寄せた事実を「市民社会の自発的応答力」の顕在化として高く評価。
・しかし同時に、情報不足・交通途絶・放射能不安による「ボランティアの空白地帯」(特に福島・岩手沿岸部)の出現を深刻な問題として提示。
第2章 「ボランティア大国」日本の神話と現実
・阪神以降、日本は「ボランティア先進国」と呼ばれてきたが、実際には「イベント型・一日限りのボランティア」が大半で、長期的なコミットメントや専門性は極めて低い。
・3・11で顕著だった「現金寄付の爆発」(約6,000億円超)と「現地ボランティアの偏在」をデータで示し、「寄付はするが身体は動かさない」という新しい傾向を「遠隔地ボランティア社会」と命名。
第II部 現場で起きたこと――被災地レポート第3章 岩手・宮城・福島の現場から
・著者が2011年4月~7月に繰り返し訪れた現地報告(宮城県石巻市、気仙沼市、岩手県大船渡市、福島県南相馬市など)。
・特に注目されるのは、
  • 石巻市「石巻ボランティア連絡協議会」(通称:石ボラ)の誕生と機能
  • NPO「おらが大槌夢広場」の地域再生への取り組み
  • 福島では放射能不安によるボランティア・NPOの撤退と「避難民支援」の孤立化
第4章 行政とNPOの「協働」は機能したのか
・多くの自治体が「ボランティア受入窓口」を設置したが、実態は「ボランティアを怖がる行政」「ボランティアを管理しようとする行政」の姿が多数。
・成功事例として岩手県大船渡市の「大船渡市社協+NPO協働モデル」、宮城県女川町の「町長とNPOの直接対話」を挙げつつ、全体としては「協働の失敗学」として総括。
第III部 理論編――市民社会をどう捉えるか第5章 市民社会論の再検討
・欧米の市民社会論(パットナム、コーヘン=アラト、サラモンなど)を概観しつつ、日本型市民社会の特徴を以下のように定義
→ 「国家・市場に対する第三の領域」ではなく、「国家と市場の隙間を埋める補完的領域」として機能してきた
→ しかし3・11で「補完」では足りず、「代替」「対抗」「変革」の機能が求められた
第6章 「新しい公共」と市民社会
・当時の鳩山・菅政権が掲げた「新しい公共」論を厳しく批判。
・「官から民へ」のスローガンの下で、実際には「官が民に丸投げ」「民に責任転嫁」する危険性を指摘。
・真の「新しい公共」とは「政府が責任を放棄しない前提での市民参加」であるべきだと主張。
第IV部 政策提言編第7章 災害ボランティア・NPO支援の制度設計
具体的な政策提言(当時としては非常に先駆的で、現在も多くが実現していないものも含む)
  1. 全国規模の「災害ボランティア・NPO支援基金」の創設(国+企業+市民寄付)
  2. 被災自治体への「外部人材派遣制度」(NPO専門スタッフを特別職地方公務員化)
  3. 「ボランティア活動保険」の抜本拡充(死亡保障・放射能リスク対応)
  4. 「災害時市民活動支援センター」の全国ネットワーク化(現在の「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」の先駆け)
第8章 市民社会の「主体形成」をどう進めるか
・「市民性(citizenship)」の育成が急務
・学校教育での「ボランティア必修化」には否定的。代わりに「地域での実践的学び」の機会拡大を提言。
・NPOの中間支援組織の強化と「市民ファンド」の普及を強く訴える。
終章 ポスト3・11の市民社会像・3・11は「市民社会の成熟度を試すリトマス試験紙」だった。
・日本社会は「無関心な市民」から「選択的な関与をする市民」へと移行しつつあるが、まだ「責任を共有する市民」には至っていない。
・最後に著者はこう締めくくる:
「市民社会は『政府がダメだから』存在するのではない。
 政府がきちんと機能している社会だからこそ、市民社会は豊かに育つのである。」
本書の特徴・意義(総括)
  1. 圧倒的な現場主義
     震災発生からわずか5ヶ月で刊行されたにもかかわらず、被災地の生々しい状況と一次資料が詰まっている。
  2. 理論と実践の往還
     欧米理論を日本に当てはめるだけの市民社会論ではなく、現場から理論を再構築しようとする姿勢。
  3. 辛辣かつ建設的
     行政・NPO・ボランティアの双方に厳しい批判を加えながら、具体的な制度提言まで踏み込んでいる。
  4. 現在でも色褪せない問題意識
     熊本地震(2016)、西日本豪雨(2018)、能登半島地震(2024)でも繰り返された「ボランティア偏在」「行政とNPOの摩擦」「寄付と現地のミスマッチ」などの問題は、本書が2011年にすでに指摘していたことそのもの。
結論として、本書は「3・11をどう総括するか」の出発点として今なお最重要文献の一つであり、災害ボランティア・市民社会政策を学ぶ者にとって必読の書です。
(特に第7章の政策提言は、現在進行形の課題が驚くほど多く、読むと「14年経ってもほとんど進んでいない」と愕然とします)


市民社会政策論
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