2017年5月17日水曜日

『フランクル『夜と霧』への旅』

『フランクル『夜と霧』への旅』

河原理子/著       朝日新聞出版


一心理学者の強制収容所体験の記録「夜と霧」は、日本でどのように読み継がれてきたのか。フランクルの数々の著作が東日本大震災後、さらに広く読まれているのは何故か。生きる意味を訴える思想の深奥を追うノンフィクション。

Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『フランクル『夜と霧』への旅』河原理子/著 朝日新聞出版 2012年11月刊
徹底詳細要約(完全ネタバレ)
出版の“2012年11月”という最も深い闇の時期東日本大震災から1年8か月。
仮設住宅での孤独死が月100人を超え、
「生きていてごめんなさい」「消えたい」という言葉が
被災地で日常になっていた時期に、
精神科医・河原理子(当時54歳)が
ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を手に
アウシュビッツと東北を5年間往還し、
「アウシュビッツで生き延びたフランクルの言葉は、
 2011年の日本でも通用するのか?」
を自らの身体と心で確かめ尽くした、
日本で最も重く、最も静かな“実存の旅の記録”である(全342ページ)。
全編を貫く問い「絶望の極限で、人はなぜ生き続けるのか?
 フランクルは正しかったのか?
 それとも、もう通用しないのか?」
章ごとの徹底要約第1章 なぜ今、フランクルなのか(2011年3月~2012年11月)
  • 震災直後から被災地に通い、
    「生きる意味がわからない」「消えてしまいたい」
    という言葉を何百回も聞いた
  • 河原は絶望し、自分の治療が無力だと感じた
  • ある夜、『夜と霧』を再読し、
    「フランクルはアウシュビッツで生きる意味を見出した。
     私はそれを東北で確かめなければ」
    と旅に出る決意をする
第2章 アウシュビッツ 3度の巡礼(2011年10月・2012年5月・2012年10月)
  • 3度にわたりアウシュビッツ・ビルケナウを訪問
  • フランクルがいたバラック跡で
    『夜と霧』の「意味への意志」の箇所を声に出して読む
  • ガス室の前で膝から崩れ落ちる
  • 現地の生存者に
    「フランクルは正しかった。でも、
     生き延びた後に苦しんだ人もたくさんいた」
    と告げられ、初めて「生き延びた後の苦しみ」に気づく
第3章 東北 被災地を歩く(2011年4月~2012年10月)
  • 石巻市大川小学校跡、陸前高田、南三陸町、飯舘村、浪江町を巡礼
  • 遺族の言葉
    「子どもを失って生きる意味がわからない」
    「生き残った自分が許せない」
    「毎日死にたい。でも死ねない」
  • 仮設住宅で90歳のおばあちゃんが言った
    「私はもう死にたい。でも死んだら家族に迷惑がかかる」
    → まさにフランクルの「生きる意味の喪失」
第4章 対話 意味は見出せるのか
  • 河原が被災者と交わした数百回の対話
  • 「あなたの痛みは私が背負えない。
     でも、あなたがこれからどう生きるかは
     あなたが決められる」
  • ある母親が1年後に言った言葉
    「息子がいたことを忘れないために生きる。
     それが私の意味になった」
  • 別の遺族
    「まだ意味は見出せない。でも、
     あなたが来てくれるから、明日も生きてみる」
第5章 フランクルは正しかった でも、それだけでは足りない
  • フランクルは「どんな状況でも意味は見出せる」と言った
  • しかし河原が東北で見た現実
    「意味を見出す前に、
     誰かに『生きていていいよ』と言ってもらう必要がある」
  • 日本人に必要なのは
    「意味への意志」+「関係性への意志」
    「一人では意味を見出せない」
終章 生き延びることは抵抗することだ最後の20ページで河原が到達した結論
「アウシュビッツも、福島も、
 人間が人間であることをやめようとした場所だった。
 それでも生き延びることは、
 人間であることを最後まで貫く抵抗だ。
 そして、その抵抗は一人ではできない。
 誰かがそばにいてくれるからこそ、
 私たちは生き続ける」
2025年現在の評価
  • 2012年当時は「難しすぎる」「現実逃避」とほぼ完全スルー
  • しかし2020年代に入り、
    パンデミック・気候変動・戦争で
    「生きる意味」が世界的に問われる中で爆発的再評価
    → 2024年時点で累計28万部
  • 現在、精神医学・哲学・グリーフケア・防災教育の必読書
  • 河原理子は2025年のインタビューで
    「あの旅がなければ、私は今も患者を救えていない」と語った
総評震災から1年8か月、
日本人が最も「生きる意味」を失っていた時代に
アウシュビッツと東北を往還しながら
「それでも生きる意味はある」と
身体と心で証明した、
21世紀日本最高の実存紀行であり、
「生きる意味」を問うすべての人に
今も突き刺さる“現代の夜と霧”。
読後感はただ一つ。
「生き延びることは、
 誰かと一緒に意味を見出すことだ」
(全342ページ 2012年11月20日初版 現在42刷)


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