『原発の闇を暴く』 集英社新書 – 0602
広瀬隆/著 集英社 2011.07
噓と詭弁と癒着の歴史が「最悪の人災」を招いた! 原発震災の危機をかねてから予測し、警鐘を鳴らし続けてきた作家とルポライターが、事故を招いた構造とその責任の所在を徹底的に白日の下にさらす。
昨日、作家、広瀬隆さんとルポライター、明石昇二郎さんの対談のような本、「原発の闇を暴く」という本を文京区立図書館で借りて読みました。
広瀬隆さんとは早稲田大学理工学部応用化学科出身の東京都杉並区在住の作家の方です。
僕が広瀬隆さんの著作を読むきっかけになったのは昔、一緒に本作りの仕事をしたことのある早稲田大学政経学部経済学科出身のジャーナリストでノンフィクションライターの藤尾潔から携帯電話に電話があったからです。
本を読んでみると、2011年3月に起きた東日本大震災とそれに伴う福島原発事故に関して、対談されている本でした。
この本を読んでみると、本が出版された2011年7月の段階で、現在の東電刑事裁判で起訴されている、福島第一原発の南西約4キロにある双葉病院(福島県大熊町)の患者と近くの介護老人保健施設の入所者、45人が避難中や避難後に死亡したことを、毎日新聞の2011年4月26日の記事を持ち出して、書いています。
広瀬隆さんの怒りはすさまじく、本の中では、「殺人罪」という言葉も出てきます。
広瀬隆さんは、実名を挙げて、福島原発事故の責任者を追及しようとしていて、僕も聞いたことがないような人の実名が本の中で多く出てきました。
現在の東電刑事裁判では、東電の旧経営陣が起訴されているようですが、広瀬隆さんは、原子力マフィアという言葉を使って、原子力産業に関わってきた人間の実名を挙げて福島原発事故の責任を問おうとしています。
原子力産業に関わってきた人間の福島原発事故に関する責任も追及されるべきものだと僕も本を読んで感じました。
本の最後にはルポライターの明石昇二郎さんが、東電の刑事責任を告発する際の罪状は刑法211条の「業務上過失致死傷罪」あたりが妥当かつ順当な線ではないかと思っていると書かれています。
現在の東電刑事裁判で、東電が業務上過失致死傷罪で訴えられていることを考えると、すでに2011年7月の段階で、この本が書かれたことは先見の明があると思いました。
昨日は、作家の広瀬隆さんとルポライター明石昇二郎さんの対談のような本、「原発の闇を暴く」という本を読んだので本を読んでの感想を書いておきます。
早稲田大学探検部関係者には是非、ご一読していただきたい本です。