2018年10月1日月曜日

『新復興論』


『新復興論』  ゲンロン叢書 - 001             

小松理虔/著      ゲンロン              2018.9

 東日本大震災から7年、復興は地域の衰退を加速しただけだった-。復興の矛盾を見てきたアクティビストが、足下からの「地域づくり」を目指した新たな復興のビジョンを語る。『ゲンロン観光地化メルマガ』等連載を抜粋し改稿。

 Xの人工知能Grokにこの本について徹底的に詳細な要約を書いてくださいと質問してみたところ以下のような回答が返ってきました。

『新復興論』(ゲンロン叢書001)
小松理虔/著 ゲンロン 2018年9月刊
これは「福島第一原発事故から7年後の福島」を真正面から見据えた、極めて生々しいノンフィクションであり、同時に東日本大震災以降の「復興」という言葉そのものに対する徹底的な批判書である。著者の小松理虩(こまつ りけん)は福島県いわき市出身・在住のローカル・ジャーナリストで、震災後一貫して被災地に留まり続け、行政やマスコミが決して報じない「現場の声」を拾い続けてきた人物である。以下に、全編徹底ネタバレ要約(章立て順+重要な引用込み)をお届けします。全体の構造と主張の骨格本書は大きく3部構成+終章で成り立っている。
  1. 復興という虚構
  2. 現場で何が起きているのか
  3. 新しい復興の定義を模索する
    終章 「新復興論」の提唱
最大のテーゼはただ一つ:
「今の『復興』は被災者を救っていない。むしろ傷口に塩を塗り続けている」
詳細な章ごとの内容(徹底ネタバレ)第1部 復興という虚構
  • 「復興」という言葉が2011年以降、政治家・マスコミ・企業によって一方的に定義され、被災地に押しつけられた経緯を克明に追う。
  • 復興予算約32兆円(当時)の大半が被災地と関係ない場所(沖縄の道路、東京都内の観光施設など)に使われた事実。
  • 「がんばろう!福島」「福島は安全です」というキャンペーンが、実際には「風評被害対策=被害者の口封じ」に機能していた実態。
  • 著者が最も怒りを込めて書いているのは「2020年東京オリンピック」が復興の象徴として使われたこと。「被災地はもう終わった」という国家的物語の強制。
第2部 現場で何が起きているのか(最も衝撃的な部分)ここが本書の核心であり、読者の多くが「こんなことが起きていたのか」と絶句する章である。
  1. 除染の真実
    • 除染作業員の実態:日当6~8万円の「高額アルバイト」として全国から貧困層が集められ、被曝労働させられている。
    • 「除染土」の再利用問題:基準値以下の除染土を全国の公共事業(道路盛土など)に使うことが2017年に決定。福島の汚染が日本全土に拡散される構造。
    • 農家の絶望:除染しても農地は戻らず、補償金も打ち切られ、自殺者続出。
  2. 帰還政策の残酷さ
    • 2017年3月~4月に相馬市、飯舘村、川俣町、浪江町などで避難指示が一斉解除されたが、実際には
      ・インフラは復旧していない
      ・病院・スーパーがない
      ・帰還した高齢者の孤独死が続出
    • 住宅支援打ち切り:避難指示解除と同時に「みなし仮設」の家賃補助が打ち切られ、帰れない人は「自己責任」に転嫁される。
    • 著者が取材した80歳の女性の言葉
      「国は私たちを殺す気だよ。帰れって言われて帰ったら何もない。帰らないって言ったらお金を切る。これが復興?」
  3. 中間貯蔵施設と「30年後の約束」の嘘
    • 大熊町・双葉町に建設された中間貯蔵施設に、福島県内の除染土が運び込まれている。
    • 国は「最終処分は2045年までに県外」と約束しているが、誰もその約束が守られると信じていない。
    • 地元住民は「このまま福島が日本のゴミ捨て場になる」と確信している。
第3部 もう一度「復興」を定義し直す
  • 既存の復興論(上から降ってくる復興)は全て失敗している。
  • 必要なのは「当事者による復興」であり、国家や専門家に委ねるのではなく、現場に生きる人々が自分で定義する復興。
  • 具体的な実践例として著者が挙げているもの:
    • いわき市の「不要の森」プロジェクト(除染土で埋められた森を「不要の象徴」として残す試み)
    • 浪江町の「請戸小学校」保存運動
    • 富岡町の「夜の森の桜」を守ろうとする住民運動
終章 新復興論の提唱最後に小松がぶち上げる「新復興論」の定義(全文引用に近い形で)「復興とは、元の状態に戻すことではない。
 復興とは、失われたものを悼み、汚染された現実を受け入れ、
 それでもなお、ここで生きていくための、新しい物語を作ることだ。
 それは国家がやるものではない。
 行政がやるものでもない。
 専門家が設計するものでもない。
 私たちが、自分たちの言葉で、
 自分たちの足で、
 自分たちの痛みで、
 作っていくしかない。」
本書の特徴と衝撃度
  • 著者は決して「反原発活動家」ではない。むしろ「原発はもう動いている現実」として受け入れた上で、それでもなお「復興」が機能していないと告発する。
  • 徹底的に「現場主義」。行政や研究者の机上の議論ではなく、実際にそこに住む人々の声だけで構成されている。
  • 感情的な罵倒は一切ない。淡々とした筆致で事実を積み重ねるからこそ、読了後にやってくる絶望と怒りが凄まじい。
刊行後の影響
  • 2018年刊行後、福島では「読んで号泣した」「あまりに辛すぎて途中で読めなくなった」という声が続出。
  • 一方で、首都圏の知識人層には「こんなにひどい状況だったのか」と衝撃を与え、ゲンロン叢書第一弾として異例の重版を繰り返した。
  • 現在でも「福島の復興を考えるときに必ず参照される本」として、現場関係者の間でバイブル化している。
要するに、これは「復興が終わった」という国家的虚構を、容赦なく粉砕した一冊である。
読むと「もう二度と『復興しました』という言葉を信じられなくなる」と言われる、まさに2018年の時点で最も危険な本だった。

 

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