「津波と原発 」
佐野眞一/著 講談社 2011.6
日本の近代化とは、高度成長とはなんだったのか? 三陸大津波と福島原発事故が炙り出す日本人の精神とは? ノンフィクション界の巨人が、3・11の現場を歩く。
以前、文京区立図書館で本を借りて、早稲田大学文学部出身のノンフィクション作家、佐野愼一さんの著作、「津波と原発」を読みました。
以前、文京区立図書館で本を借りて、早稲田大学文学部出身のノンフィクション作家、佐野愼一さんの著作、「津波と原発」を読みました。
僕が佐野眞一さんの著作を読むことになったのは早稲田大学探検部33期で同期だった倉島孝行が高野秀行主催の新宿トルコ料理屋で開催した飲み会の際に、
倉島孝行が「佐野眞一」と言っていたので、佐野眞一の著作を読むことになりました。
ちなみに僕は倉島が佐野眞一と言った際に、僕は「重松清」と言いました。
僕が僕と同じ吃音の早稲田大学教育学部出身の作家、重松清の名前を出したことを書いているブログはこちら
本を読んでの感想は以下です。
2011年3月11日に起きた東日本大震災に際して、被災地に赴き、佐野眞一独特の視点で、「ロードムービー」のように被災地の風景を切り取ったルポルタージュです。
文章の各所に読み手を意識してか、小説や、映画の断片を入れています。
「「原発銀座」には文化がない。福島県のチベットのようなところだ。」言い得て妙かと思
僕は実は早稲田大学在学中に「探検部」というサークルに所属してました。大学2年生の時に同期の仲間で本当のチベットに行ったことがあります。
学生ゆえに準備も甘く、試行錯誤しながらの遠征でした。チベットに行く前には、中国の文化大革命による傷跡とかに僕は関心がありました。
でも、実際にチベットの地に赴いてみると、チベットの人にお世話になってばかりで、こちらから何も提供できず、自分が情けなかったです。
東日本大震災が残した傷は余りにも大きい。
僕は原発問題よりも、津波で甚大な被害を受けた地域に関心がありました。
原発問題には近づかないようにしていました。
でも、この「津波と原発」という本を読んで原発問題にも目を向けなくてはならないのだと思いました。
東日本大震災(福島原発事故)を理由に自殺にまで至った年配女性に対する裁判の結果がニュースで報道されていました。
裁判結果として、東京電力に対する慰謝料支払い(損害賠償)が認められました。
心が痛むニュースです。
被災地の方々を想うとともに現代文明の残した負の遺産「原発」、そしてそこから発生する「被爆」についても考えなければいけないのかと思っています。
早稲田大学探検部関係者には是非、ご一読していただきたい本です。