「大震災のなかで 私たちは何をすべきか」 岩波新書 新赤版 - 1312
内橋克人/編 岩波書店 2011.6
2011年3月11日、東日本を襲った大震災の被災者・被災地に、どう寄り添い、どんな支援をしていったらよいのか。現地で活動を続けた医師やボランティアをはじめ、作家・学者ら33名が震災の意味、復興の形をつづる。
この本について、ブクレコという本のレビューサイトで貴重なレビューがありました。
以下、引用です。引用先のURLも付けます。
http://www.bookreco.jp/member/reviews/detail/51732/126076
この本について、ブクレコという本のレビューサイトで貴重なレビューがありました。
以下、引用です。引用先のURLも付けます。
http://www.bookreco.jp/member/reviews/detail/51732/126076
「二〇一一年三月一一日、東日本を襲った大震災は、何を問いかけているのか。(中略)現地で活動を続けた医師やボランティアをはじめ、作家や学者ら三三名が震災の意味、復興の形をつづる。」
副題に「私たちは何をすべきか」とある。幸運なことに、わたし自身は家族ともども被災することはなかった。その身でたまに考えるのは「何ができるだろうか」ということ(いつもではありません、恥ずかしながら)。そのヒントを求めて手に取ってみた。
33名の寄稿者がいる。語ることは人それぞれ。わたしが気になった、心に響いたのは、池田了さんと津久井進さんの語り。それぞれ「文明の転換期」と「法は人を救うためにある」というタイトルがつけられている。
池田さんは科学者、津久井さんは弁護士。いずれに共通しているのも、それぞれの専門で考えられることをもとに、何をすべきかを訴えている。
池田さんが訴えるのは、地下資源ならぬ「地上資源」を活かすこと。大型化・集中化・一様化とは対極にある、小型化・分散化・多様化への転換。これらの良さ は、個人個人が自ら生産から廃棄までの責任を持ち、おまかせ体質から脱却できること。そして、自然災害に直面した際の危機管理として大いに役立つこと。
「私たちの身近な生き様を見直す中で、現代文明の異様さを疑い、生活スタイルを変えることが求められていると思う。」
津久井さんが訴えるのは、一人称の視点。他人事ではなく、わが事として受け止めること。それによってものの見方がまったく違ってくる。しかし、これはとて も難しい。その立場にならないとわからないものだというのが。いまの自分の立場。それでも、その意識を持つことはとても重要。
「このままだったら、再び「法」が壁となって被災者を苦しめることにならないか。」
これは、阪神・淡路大震災で発生した債権債務問題にあたり、津久井さんが感じたこと。そして、東日本大震災。法が整備されていないことに「あぁ間に合わなかった・・・・・・」と罪悪感を覚えたそうです。
「立法関係者は評論家ではない。第三者的な視点だけでは駄目だ。債権、債務の問題について我が事として考えることも大切である。」
それぞれが、それぞれの立場から見て、考えて、語る「私たちは何をすべきか」ということ。何かできることがあるはず。それを考えてみるために読んでみませんか? 最後に、玄田有史さんの一言を。
「それは、震災をすぐに過去のものとせず、自分たちにできるかたちで応援し続けることである。」
副題に「私たちは何をすべきか」とある。幸運なことに、わたし自身は家族ともども被災することはなかった。その身でたまに考えるのは「何ができるだろうか」ということ(いつもではありません、恥ずかしながら)。そのヒントを求めて手に取ってみた。
33名の寄稿者がいる。語ることは人それぞれ。わたしが気になった、心に響いたのは、池田了さんと津久井進さんの語り。それぞれ「文明の転換期」と「法は人を救うためにある」というタイトルがつけられている。
池田さんは科学者、津久井さんは弁護士。いずれに共通しているのも、それぞれの専門で考えられることをもとに、何をすべきかを訴えている。
池田さんが訴えるのは、地下資源ならぬ「地上資源」を活かすこと。大型化・集中化・一様化とは対極にある、小型化・分散化・多様化への転換。これらの良さ は、個人個人が自ら生産から廃棄までの責任を持ち、おまかせ体質から脱却できること。そして、自然災害に直面した際の危機管理として大いに役立つこと。
「私たちの身近な生き様を見直す中で、現代文明の異様さを疑い、生活スタイルを変えることが求められていると思う。」
津久井さんが訴えるのは、一人称の視点。他人事ではなく、わが事として受け止めること。それによってものの見方がまったく違ってくる。しかし、これはとて も難しい。その立場にならないとわからないものだというのが。いまの自分の立場。それでも、その意識を持つことはとても重要。
「このままだったら、再び「法」が壁となって被災者を苦しめることにならないか。」
これは、阪神・淡路大震災で発生した債権債務問題にあたり、津久井さんが感じたこと。そして、東日本大震災。法が整備されていないことに「あぁ間に合わなかった・・・・・・」と罪悪感を覚えたそうです。
「立法関係者は評論家ではない。第三者的な視点だけでは駄目だ。債権、債務の問題について我が事として考えることも大切である。」
それぞれが、それぞれの立場から見て、考えて、語る「私たちは何をすべきか」ということ。何かできることがあるはず。それを考えてみるために読んでみませんか? 最後に、玄田有史さんの一言を。
「それは、震災をすぐに過去のものとせず、自分たちにできるかたちで応援し続けることである。」