2023年3月31日金曜日

『福島 生きものの記録』 シリーズ4 ~生命~ 

『福島 生きものの記録』 シリーズ4 ~生命~                               

 岩崎雅典監督 (早大探検部6期OB、早大探検部OB会第5代会長) 群像舎 2013

  平成25年(2013年)度 文化庁映画賞 文化記録映画優秀賞受賞

  発起人 中本信義(早大探検部6期OB)、坂口康、陣内直行、菅野均、矢作和重(早大探検部12期OB)、高橋丈夫(早大探検部13期OB)、中山哲(早大探検部13期OB)、清水光雄(早大探検部13期OB)、丹野慎一(早大探検部15期OB)、太田肇(早大探検部23期OB)、川村一綱

  呼びかけ人 飯島博、飯島正広、岩本久則、上幸雄(早大探検部10期OB)、奥島孝康(早大探検部第2代部長)、加藤登紀子、見城美枝子、竹内謙(早大探検部7期OB)、谷村志穂、中村敦夫、中西せつ子、西木正明(早大探検部7期OB)、西田敏行、羽山伸一、船戸与一(早大探検部8期OB)、前田憲男、柳生博、地球生物会議ALIVE

   2023年の年賀状に早稲田大学探検部OBからのカンパをと記したところ、早稲田大学探検部34OGの浅井美香さんより、2023113日に1万円のカンパがありました。

   カンパしていただいたお金で、早稲田大学探検部6OBで早稲田大学探検部OB会第5代会長だった故岩崎雅典さんの映像作品、『福島 生きものの記録』全5巻を購入しました。

   『福島 生きものの記録』全5巻をAmazonで見つけていたので、浅井さんからのカンパのお金で、 『福島 生きものの記録』全5巻のDVDを購入しました。

   2023331日に 『福島 生きものの記録』 シリーズ4 ~生命~ を鑑賞しました。

   シリーズ4 ~生命~ では、福島第一原発事故後の放射能汚染地域の生命の放射能汚染の状況を探っています。

  奥日光のニホンジカの放射能汚染の状況も調べていました。

   僕は『グラバーへの手紙』 震災後の奥日光   という本を読んでいて、奥日光が放射能汚染されていることは知っていましたが、この映画を見ていて、具体的にどのような状況になっているのかが映像として分かりました。

 参考文献 『グラバーへの手紙』 震災後の奥日光  

  以前の作品でも取材している、つばめののどの白斑のことも継続して追って、調べて、探っていました。日本野鳥の会、自然保護室チーフの山本裕さんにインタビューして、

  「何らかのストレスにより白斑が出る可能性がある。放射性物質もストレスになる」

  という言葉を使っています。

  飯舘村の放射能汚染を探る取材では、いいだてファームというところで、きのこの放射能汚染状況を取材していて、一般食品の放射能汚染基準は100ベクレル/kgだが、(ベクレルとはウィキペディアによると、放射能の強さを表す単位であり、それは1秒間に崩壊する原子核の数で表される)野手上という地区で採れた香茸は6800ベクレル/kg、蕨平という地区で採れた香茸はなんと48300ベクレル/kgもセシウム量があることを映像として記録して、見せています。ものすごい放射能汚染だと僕は思い、愕然としました。

 飯舘村について書かれている本はこちら

 →飯舘村』  6000人が美しい村を追われた

  『福島飯舘村の四季 

  『原発に「ふるさと」を奪われて』  福島県飯舘村・酪農家の叫び

  『美しい村に放射能が降った』

  『福島、飯舘それでも世界は美しい』  原発避難の悲しみを生きて

  『もどれない故郷ながどろ  飯舘村帰還困難区域の記憶  

  牛が消えた村」で種をまく』

  『飯舘を掘る』  天明の飢饉と福島原発

 アカネズミの継続取材では、アカネズミの胎内にいる、アカネズミの胎児に、放射性セシウムが蓄積しているということを取材していました。これを人間に当てはめてみると、人間の胎児にも放射性セシウムが蓄積しているのではないかと思い、とてもおそろしくなりました。

  僕は早稲田大学法学部時代に、ゼミで刑事法のゼミに入っていて、熊本県の水俣病による被害の際の堕胎の罪について発表したことがあり、もし人間のお母さんから生まれてきた赤ちゃんに放射性セシウムによる異常が見られ、放射能汚染が原因で若くして亡くなってしまったら、東京電力の「堕胎の罪」も問われるのではないかと思いました。

  福島大学環境放射能研究所特任助教授の奥田圭先生へのインタビューで、福島県の放射能汚染地域から捕獲されたイノシシでもっとも放射汚染量の多かったもので、10万ベクレル/kgもセシウム量があったというインタビューがありました。

  京都大学原子炉研究所の放射性物質を扱う放射線管理区域から出る際の放射能汚染の限度は4万ベクレルだそうですから、とてつもない放射能汚染があったことが分かりました。

 映画全編を通して、福島第一原発事故により、放射能汚染された生命を探り、取材して映像で見せていて、具体的な放射能汚染の数値ベクレルという数値も出てきて、どれだけひどく、福島原発事故により放射能汚染されたのかが分かりました。

 最後に、道路で車に轢かれて亡くなった生命も見せていて、生命が気の毒になりました。

東日本大震災とそれに伴い起きた福島第一原発事故、福第一原発事故による放射能汚染に関心のある早稲田大学探検部関係者には是非、きちんと観ていただきたい映画だと思いました。

    2023331日に早稲田大学探検部6期OBで早稲田大学探検部OB会第5代会長だった岩崎雅典さんの作品、『福島 生きものの記録』 シリーズ4 ~生命~ を鑑賞したので、映画を見ての感想を書いておきます。